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おさかなサブスクプロジェクト 目指すのは、常備菜ならぬ“常備魚”

「さかなとくらしone bite fish」が立ち上がるまで②

「地場(長崎)支援チーム」インタビュー

前回に引き続き、「さかなとくらし one bite fish」が立ち上がるまでのさまざまなエピソードを地場(長崎)支援チームの方々にお伺いしました。

■「地場(長崎)支援チーム」インタビュー
【長崎県】
松尾氏(産業労働部 新産業創造課 スタートアップ推進班 係長)
【長崎市】
山田氏(商工部 産業雇用政策課 立地創業係)
【十八親和銀行】
鍬先氏(地域振興部 調査役)

※肩書はインタビュー当時のものです。

――どのような経緯でプロジェクトに参加されたのでしょうか?

山田氏:市のデジマ式プラス(自治体が抱える地域課題をテーマに、企業のチカラで解決に向けた新規事業を創出していくためのワークショップ)への参加からです。市長の重点プロジェクトとして「新産業の種を育てるプロジェクト」を始めていて、具体的にどう進めるのが良いのか悩んでいる中、たまたまお話をいただいたので、お試しにという感じでイベントに参加させていただいたのがきっかけでした。イベント内ワークショップのフォローアップの中でさらにご縁をいただき、魚種の豊富さをブランディングしていくという、課題にマッチした、おさかなサブスクの支援をさせていただく事になりました。

松尾氏:県ではスタートアップの創出・誘致をKPIにして、平成31年にCO-DEJIMA(成長が見込まれるスタートアップ企業やそれを目指す方、企業、大学、金融機関など様々な人材が交流し、アイデアや技術を高め合うことで、新たなサービスを形にするための拠点)を立ち上げて気運醸成を図ってきました。令和2年に担当として私が着任した際に十八親和銀行の鍬先さんと出会い、そこが台風の目になって、今の支援チーム(県、市、銀行)が除々に生まれてきました。

鍬先氏:「そもそもは私が東京にいた2019年頃より、「どうやったら、地方発のイノベーションを創出するプラットフォームを整備できるか」を議論しており、そこから始まっております。その縁でデジマ式プラスへ参加したのがきっかけです。とにかく行動に落としていく。ムーブメントを作るためにも計画的偶発性をどう作っていくのかをテーマに様々な仕掛けを考えて行く中で、このプロジェクトにも参加をすることになりました。

松尾氏            山田氏            鍬先氏

――このプロジェクトの面白さは、支援側としてはどのあたりでしょうか?

松尾氏:県とか市とかではなく、一緒にチームとしてやっている点ですね。
金融×メディア×行政がチームになって動くことは、県庁でもあまり聞いたことがなかったことで、こんな動き方、働き方もあるんだというのが、新鮮で、面白い点です。この動きの匂いを嗅ぎつけて思いのある人や企業が集まってくるのも発見があって面白いですね。

山田氏:全く違う組織の人達と同じ仕事をしていく、違う文化を作っていくのが面白いです。その中で支援できるのがやりがいを感じます。役所に入った理由も地元を元気にしたい、人が減っていくのを食い止めたいという点だったのですが、直接的な貢献感が薄い仕事もある中で、今回の取り組みでは、ものを作り上げていく中で、必要なパーツは何かを考えて、提供していくという事に手応えを感じられています。

鍬先氏:成長できる点ですね。行政は人が減っていく点、銀行も別の機能が現れてきていて、構造的に成長できない悩みを抱えていると思っていますが、オープンイノベーション支援の取り組みの中で、人に求められる、チャレンジをできる新しい業種に脱皮が出来るかもしれないという可能性に魅力を感じています。他社や他の職域の知識に触れて成長できる点と、自分の知見や銀行の力で役にたてると感じたときに喜びを感じますね。

【商品に添付するお魚紹介カード:長崎市の山田氏がカメラマンとして撮影】

――オープンイノベーションの可能性と難しい点について教えてください。

鍬先氏:まずはイノベーションをしっかりと地域産業成長に結びつけていくことを、コミュニティ醸成、プロジェクト立ち上げ、ビジネス化検討のフェーズごとに考えていく必要があると思っています。新規事業創出のためのフェーズごとに可能性があって、たとえばコミュニティ醸成フェーズには、教育の部分としても、いろんな未来の選択肢や多様性を次世代に見せていける可能性を感じています。

――現在第二フェーズですが、ここから目指していきたいことを教えてください。

松尾氏:漁業関係者の所得向上につなげていくことを一番に考えています。水産県と言われている長崎としては、漁業従事者の所得がなくなる=若手の就労者が少なくなるのは死活問題だと考えています。

山田氏:松尾さんと一緒です。もともと、この課題を市として持ち込ませていただいたのもあり、一番の課題だと思っています。地元の漁港が、水産業の先端基地になっていくような世界を作れたら良いなと思っています。

鍬先氏:松尾さんのお考えに私も一緒です。長崎の課題×テクノロジー/IT等の話で進んでいますが、この課題の部分が一番大事な要素だと思っています。今回は魚でしたが、その他の物に置き換える事ができるロールモデルにできればと思っています。

※このインタビューは2021年に行われたもので、第1フェーズから第2フェーズになるタイミングのものとなり、現在は3年目、徐々に会員も増え始め、フェーズとしては第4フェーズ、実事業に進んでいます。当初から、地場メディアや本当に様々な企業を巻き込みながら、現在も成長し続け、長崎を中心に大きなうねりを生み出していると感じています。

関係者へ、なぜここまで続いたと思うかを聞くと、皆、口を揃えて結局、人の縁だと言います。一方で、最高のチームを生み出す事がオープンイノベーションは出来るのだとも実感出来ました。今回のケースでは、全く異なる職域のメンバーが集まり、各々にとってみても、初めての取り組みをときには職能を超えて行う中で、隣のメンバーの考えや悩み、プロフェッショナルへの理解と共感を深めていくことで、普段の業務では生み出せないであろう、プロダクトが生まれていく体験ができました。

第一次実証実験以降、長崎の商品開発メンバーは、日々商品の冷凍法等、魚を美味しく冷凍解凍する手法について研究し磨き上げてきました。本当に自信が持てる商品が完成した、後は売るだけだと手応えを感じています。この記事でご興味を持ってくださった皆様、当然ですが味には自信があります!是非、お試しからでもご購入、お願いいたします。また、地域ブランディングの伴走支援、地方創生事業開発など腕に覚えあり!ご相談お待ちしております!

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「さかなとくらしone bite fish」が立ち上がるまで① 
「東京企業」「地場(長崎)企業」インタビュー