「甲冑に近づいてみた」-カブトの舞台裏 『甲冑の解剖術』より-伝・真田昌幸所用具足
昨夜再放送が終わりました、日曜美術館 アートシーン特別編。
「甲冑の解剖術」 (金沢21世紀美術館)に尾上右近氏とともに映っていた、
真田昌幸の赤具足に近付いてみたいと思います。
まずは天衝前立、六連銭脇立、水牛脇立にフォーカスです。
21世紀美術館のプレス向け説明会で館長がお話しさせていただきましたが、
「兜の装飾物が非常に多い」ことがポイントです。
そんな兜の裏側はこのような感じです。玉ねぎのような形を、「突パイ型」と呼んでいます。
この兜に付属する装飾は何と四種類、それがバランスを崩すことなく全体の威容を助けているのは、赤備えの一角を担う真田家の具足ならではのセンス。
怪異、悽愴な雰囲気です。
ナイル・ケティング氏の空間設計により、『甲冑の解剖術』展では本当にこの「向き合っている」距離感が体験できます。
つづいて、21世紀美術館・長谷川祐子館長が大絶賛されていたポケット(鼻紙袋)
に近付いてみます。
twitterでも見られた意見ですが、なかなかアヴァンギャルドな配色と柄です。
この中に文字通り鼻紙や、非常食や、薬などを入れていました。
非常に希ですが、いまでも中身が入ったままのものが見つかることもあります。
赤い色に緑色の威糸は、赤が映えるためか彦根朱具足でも人気でした。
胴の真ん中あたり、ぽこぽこと波型になっているところが碁石を並べているようだとして、「碁石頭胴」と呼ばれます。
カブトをつける前段階。この姿にも存在感があります。
手や脛当てのパーツまで真っ赤👹ですね。
佩楯(はいだて)に、洲浜紋が金蒔絵されています。
胴が出張する時はこのように梱包されて旅立ちます。
糸に負担がかからないよう、十分配慮されています。
それにしても肩から至る所全てが赤く塗られていますね。
今のように様々な色が溢れていても目を引くのですから、戦国時代はさぞ鮮烈に映ったことでしょうね。
それではまた。
21世紀美術館 「甲冑の解剖術」展概要はこちらから。
特設サイトです。
戦国武将に関する名甲はこちらから。
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