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怪談会で話した怪談(前編)

怪談会で話した怪談のことを書こうと思いつつ、気がつけば一ヶ月が過ぎていました。
すっかり暑くなりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。わたしは幸いにもとても調子が良いです。暑いのはとても苦手なのですが、ふと思い立ってランニングを始めたところうまいこと軌道に乗り、あまり暑さを意識することなく過ごしています。
シューズやウェアを揃え、気づけば仕事に行く前に10キロ走るようになっていました。これまでそんなに長い距離を走ったことがなかったので、とんでもない快挙です笑。


さて、怪談の話なのですが。
怖さにもいろいろ種類があるかと思うのですけれど、怪談の会で披露したエピソードは意外なところで場違いなものに出会った話でした。

一つ目はおまんじゅうです。

実家の屋上にDIYな雰囲気の物干し台があります。足下は薄い板。屋根は樹脂のようなものでできています。わたしはそこで寝転がっているのが好きでした。イヤホンで音楽を聴きながらただ目を閉じているのです。
屋根は一枚ではなくて、端に継ぎ足しがありました。一カ所だけ二枚重なっているところがある格好です。

ある時から屋根のその重なっている部分にすずめがやって来るようになりました。
初めは特に気にしていなかったのですが、あまりに頻繁に見るので少しずつ気になってきます。よく観察していると、羽ばたきながら二枚の樹脂板の間にくちばしを突っ込んでいるようです。明らかに何かを食べているようすなんですね。
物干し台の端の柵から身を乗り出して手鏡を使って覗いてみました。
そこにあったのはおまんじゅうでした。白い、ぼた餅みたいな。二枚の樹脂板の間に深く挟み込まれていました。
おかしいんですけどね。
屋上に上がるのはわたしと母だけですし、母は動物全般が大の苦手なので、すずめに食べ物をやるはずもなく。そもそも雨だって降ったのに腐敗もせずそこにずっとあるぼた餅って?

気のせいといえばそれまでなのですが、おまんじゅうを目撃してからというもの、すずめは来なくなってしまった気がします。
警戒したんでしょうね。
あと、柵を乗り越えると断崖絶壁なので、今ならそこまでして覗かないと思います。危ないですからね。

長くなったので前編後編に分けますね。

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