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雨の粥
2022年5月11日 21:48
雨の粥の13篇の詩集空港展望デッキの裏で涙に暮れる月明かりのうろこ雲が隣りまで降りてきて雲の上で会ったよねと告げるそんなはずないよと言いかけて国内線の離陸する音を聞いている記念日僕ら背伸びして盗み見た柵の向こうの海をポケットに忍ばせて電車に揺られるカフェのテーブルで一筋の雨になる椅子の背に凭れて覗き込む万華鏡今日は僕らが目を覚ました日水死人の夢枕元の小さな森