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「自分って仕事ができないな」と感じたときにとるべき仕事術

「自分は仕事ができない」と自信を失う人がいる。

私の経験からすると、非常にもったいない。


人生には周りと比べて「自分は仕事ができない」と思ってしまうときがある。

しかし、後になって振り返ると、それは大きなチャンスなのだ。


なぜなら、周囲と比べて明らかに「仕事ができてしまう人」は、もう成長の余地がない。

だから、さらなる成長を求める人は、そこで転職する。


裏を返せば「仕事ができない」というのは、周囲の人から、それだけ学べるということなのである。


私が新人だった頃の話


最初に断っておこう。

私は、新人のとき、圧倒的に仕事ができなかった。

同期の中でも、ぶっちぎりだ。これはかなりの自信がある。


態度は横柄、納期は守れず、それを誤魔化すために上司に嘘をついたりなど散々な人間だった。

それはもう酷いのなんの。

法がなければ、会社からいつ解雇、というか訴訟されてもおかしくないような状況だ。


いくら上手に取り繕うと嘘を付いても上司にバレるし、怒られる、自信をなくすという負のループに入っていた。


プライドはズタズタだったが、なんせ人一倍、図々しかった。

周囲からも評価される、仕事のできる先輩に「私は仕事ができないですが、仕事ができる方法を教えて下さい」と聞いてみることにした。


先輩の答えは簡単だった。

「僕だって仕事はできない方だったよ。今でも仕事は遅い」

その言葉を聞いて衝撃を受けるほど、私は賢くなかった。


「またまた、そんなことを言って……そんな訳ないじゃないですか。本当のことを教えてくださいよ先輩!」と先輩の言葉をまったく信じていなかった。


今から思い返すと、自分で自分を引っ叩きたくなるほどクソ生意気な後輩である。


先輩は、その空気を察したのか、憐れんだのかはわからないが「僕は仕事ができないから、仕事ができるように色々考えたんだ」と言ってくれた。

私は完全に意表を突かれ、「え……? そうなんですか……?」と唖然とした。


私は、先輩の言うことを聞くことにした。
それから、先輩に弟子入りしたのである。


この記事で書くのは、今でも死ぬほど尊敬する先輩から、仕事のやり方を学んだ私が編み出した仕事術である。


「仕事のできない」ことでの自信の喪失について


この記事を読む前に、ここだけは抑えて貰わなければいけない。

たしかに世の中には、生まれつき仕事のできるやつがいる。


しかし、そんな人間と自分を比べても仕方がない。

人間は生まれながらにして平等な能力を持っていると、思っているのだろうか?

そんなに、世界は甘くない。


あなたの周りには、学校で教科書を読むだけで、試験で好成績を取る人間がいなかっただろうか?

器用な人間は最初から器用だ。

まずは、それを認めて、他人を尊敬するところから始める。

世界は、まったく平等ではない。


だが、仕事のできる人間をいくら妬んでも、仕事ができるようにはならない。


そして重要なことだが、メンタルが病んでいたりしている場合は、仕事ができる方法を考えるよりも、休んだり、自分でも活躍できる場所に移ったほうが幸せなこともある。


最初に断っておく。


この記事に書くことは、ゴリゴリの根性論だ。

再現性があるかなんて、保証はしない。

この方法をやって真似して失敗しても、私は一切の責任を取ることができない。


だから無理して実行する必要はないし、やるにしても、体調やメンタルにはくれぐれも気をつけて欲しい。


仕事ができない人間の最大のメリット


「仕事ができないこと」のメリットを考えたことがあるだろうか?

「そんなものある訳ないだろう」という人は、この世の地獄を見ていない。

私は、仕事が最高にできなかったから、わかる。


仕事ができないことの最大のメリットは「できなくて当たり前」なことである。

失敗しても「あの人はできないから」で済まされる。そりゃあ自信はなくすかもしれないが、捉えようによっては大きなメリットだ。


「仕事ができる人」は、常に成果を出すことを要求される。失敗したら評価は下る。

いわゆる、減点方式だ。



「仕事ができない人」は、仕事ができないから全く期待されていない。

だが、当たり前のことができたり、成果を上げると周りの見る目が変わる。

いわゆる加点方式だ。


最高なことに「仕事ができない人」は評価が地に落ちているため、もう評価が下がりようがない。


そして「仕事ができる人」は不幸なことに、周囲の期待に応え続けなければならない。


仕事ができない人は、当たり前のことができただけで褒められたり、見直されたりする。


なんなら当たり前のことができなくても、自分の得意なことをやれば人が自分を見る目は変わる。


そして先天的に仕事ができる人は、容易に改善できる減点要素が放置されて残っていることが多い。


なぜなら、 頑張らなくてもある程度仕事ができるので、頑張る必要がないからだ。

だから、あなたのやりようによっては「仕事ができない人間」が「仕事ができる人間」の成果をぶち抜くことだってあり得る。


というか、私はそれをやった。
ただ、くれぐれも期待はしすぎないでほしい。これは幸運な要素もあったかもしれない。

しかし、仕事ができない人間が、普通の人間レベルに達するのは比較的容易である。

周囲の人を尊敬する


まず第一にやるべきことだろう。プライドを完全に捨てるのだ。

周囲の人は、あなたより仕事ができる。

いくら性格が合わなかろうが仕事はできるし、そのことで職場に貢献している。


まず、そこを素直に評価すべきだ。

そして重要なことだが、周囲の人を観察しよう。

注意すれば、上司への報告の仕方、スケジューリング、段取りの良さ、尊敬すべきところはたくさん見つかるはずだ。


視点を転換すると、職場は学びの宝庫である。

「これはいいな」という仕事をしている人がいたら、いいところを真似しよう。


重要なことだが、自分でもパクれそうなところはパクる。

えげつないほど躊躇なくパクる。


メールの書き方、言葉遣い、真似できそうなことは全部だ。

繰り返す。

そこに躊躇はいらない。パクっても大丈夫そうなものは、全部パクるのだ。


そんなことをしたら周りからの評価が心配だと思う人は「仕事を教えて下さい」と断った上で、パクるのだ。

重要なことは、教わったとき相手にしっかりとお礼を伝えることだ。


雑用でもいいから人がやりたがらないことを引き受ける


身も蓋もないが、仕事ができない人に成果なんて期待されていない。

だから開き直ろう。

別にできなくてもいいのだ。懸命に頑張る姿を見せるだけでいい。

それだけで「仕事ができない人」から「仕事ができないが、自分なりに頑張っている人」にランクアップする。


重要なのは「できないながらも人の役に立ちたい」と心の底から思うことである。これは宗教みたいなものだと考えて欲しい。


名付けるなら「人の役に立ちたい教」である。

この宗教は、人生で意外と役に立つ。

なんなら、上司や周りの人に自分でもできる仕事がないか聞こう。


最初は、馬鹿にされるだろう。鼻で笑われるかもしれない。


しかし「無能ですが無能なりに学びたいし、皆さんのお役に立ちたい」という姿勢を正直に見せて、嫌な顔をされるほど世間は悪いやつらばかりでない。


そのために、プライドは全部捨てるのがコツだ。繰り返す、全部だ。


そうすると、クソみたいな雑用を周りは与えてくれるだろう。

後述するが、クソみたいな雑用も宝の山だと信じなければならない。


雑用も真剣にやろうとすれば、周りはあなたのことを少しずつ応援してくれるだろう。


※ それでも辛く当たり続けるサイコ野郎は除く。サイコ野郎はサイコであるがゆえに非常に希少な人種だが、もしあなたが出会ってしまったときは、なるべく近づかないほうがいい。


給食交換理論


あらゆる雑用を引き受けているうちに、自分でもそこそこできる仕事と、できない仕事がわかるようになる。


自信をなくした人は「自分のできない仕事」ばかりに気が行ってしまうが、注目すべきは、実は「自分でもそこそこできる仕事」の方だ。


まずは平身低頭で、周囲と仲良くしよう。


そして「自分でもそこそこできる仕事」を人から引き受ける代わりに「自分が苦手な仕事」の相談をするのだ。


たとえるなら、自分の苦手な給食を人に食べてもらう代わりに、他人が苦手な給食を引き受けるようなものである。


「こんなのズルい」と思われる方もいるかもしれないが、これはルール違反でもなんでもない。

仕事のルールは至極単純で、職場にとってプラスになることをやればいいのだ。


仕事術の本を読む

仕事術の本を読む人は、意外と少ない。

プライベートな時間は、仕事のことなんて考えたくないというのが大半だからだ。


ちなみに、ここでおすすめする仕事術の本というのは、マッキンゼー出身の人が書いたような、できる人間に向けて書かれた本ではない。


まずは仕事の基礎的なことができない人間に向けて書かれた本を探すべきだ。


どのくらい基礎的かというと、

・元気に挨拶をする

・納期を守れないときは早めに上長に伝える

・目上の人への言葉遣い


最初は、これ位でいい。

私がそうだったからわかるが、仕事ができない人は、そもそも基本を抑えていない。



私はこの本から読み始めたが、違う本でもいい。

とにかく自分ができないことを「無理のない範囲で」徹底的に潰すのだ。



この本も、お勧めである。


別に、上記に紹介した本でなくてもいい。


なるべく自分が興味を持ち、わかりやすく書かれている本から、読み始めることをおすすめする。


何冊も読んでいくうちに、これは本当に大事なことなのだなということを段々と覚えていく。


残業をめっちゃする

このご時世、そんな身も蓋もないことを言っていいのかと思った人がいるかもしれない。

この章は、真似する必要はないかもしれないが、役に立つ人もいるかもしれないので書いておく。


仕事ができると、周囲から評価されていた先輩は言った。

「人より仕事が遅い分、残業をするんだ。仕事を持ち帰ることもある」

「人より仕事ができないなら、人より長く働かなきゃいけない」


種を明かすと簡単で、仕事のできると思っていた先輩は、実に泥臭い方法で、その評価を得ていたのである。


仕事が遅い分、残業してでも終わらせるくらいの根性は必要である。

早朝に出社し、仕事をすることでもいい。


さらに先輩が教えてくれたことはこうだ。

「人との連絡など定時内にやらなければならないことは定時にやる。定時以降に回しても、問題がない作業は定時以降にやる」


反発の気持ちこそあれど、実にロジカルである。

しかも、これを試しに実行してみたら、たしかに効果的だったのである。


仕事をしてないときも仕事をしてる風に見せる


「ここまで落ちたのかよ」
と言われるかもしれないが、参考程度に書いておく。

ある程度、仕事をこなせるようになったら、この意味がわかるようになってくる。


ここに、詳細は書かない。

あえて書くことがあるとしたら、世の中の大半の人は、意外と不真面目で、仕事をしているフリをしているということだ。


最後に


結局「仕事ができない」と悩んでいる人は、その時点で、人より真面目で頑張っているのだ。

断言するが、胸を張っていい。

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