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おじさんのクリスマス

ふと思い立って制作したクリスマスソングについて。

「おじさんのクリスマス」
Vocal:初音ミクNT
作詞・作曲:いぐあな

制作の流れ

ツイッターを眺めていて「クリスマスソングかー」と思った瞬間がありました。普段交流のない方の曲だったと思います。その思いが「おいらもクリスマスソング作ってみたかったなー」になり、「まだ間に合うか?とりあえず何かやってみよう」これが12月15日のことだったようです。

初手こんな感じ。
12/15ラフミックス

仮タイトルが付いています。この時、すでに歌詞のラフイメージがあったようです。スマートフォンのメモを活用して思い浮かんだことを書き散らし……。そのメモを修正しながら最終稿にしてしまったのでほぼ消えているんですが、最初期のメモには……

次の日になりゃ世の中すっかりお正月
夜中になぜかゴソゴソしてたおじさん
おじさんは昔は赤ん坊だったしこどもだった

おいらのメモより

ということも書いてあります(笑)
3つめはラストの歌詞につながったモチーフっぽい。

翌日。
12/16ラフミックス

歌詞があるんだから進行がはやいわけです。ミクさんの歌が入るとイメージの具体化が加速します。とはいえまだメロディは最終形ではないし、コーラスのかけらも見当たりません。最終形よりリバーブ多めで、こちらの方が冬っぽく、クリスマスソングらしくていいかもしれんな~……。
驚くべきは、尺。もうフルサイズになってます。ごぉふぅぅん??

そして。
12/18ラフミックス

コーラスが入って最終型の雰囲気に近づいてます。主メロとコーラスの歌詞違いがあったりして荒いですけど、制作中って、フォーカス当ててること以外後回しにしがちです。その辺差っ引いて聴く耳と頭がある気がします。これは独りでやってるから許されることなのかもなぁ~。誰かと一緒だとこうはいかないかもですね。「それはわかってる、後でやるからいいの」って。

ここからアレンジに手を加えたり、全体の調整を施したりしつつ、ミックスして12/21に完パケました。おいらにしてはサクサク進行だったかも。日数にして6日、仕事終わって寝る前にちょこっと、の積み重ねでした。

完成音源の楽器

ベーシック
Drums |  Steven Slate Drums SSD5.5
Bass | IKMultimedia MODO BASS2
Piano | UJAM Virtual Pianist VIBE

ダビングもの
Glockenspiel | Presonus Presence XT(DAW付属音源)
Windchime & Sleigh Bells | IKMultimedia SampleTank4
Synth Sequence | SPECTRASONICS OMNISPHERE2
Vocal & Chorus | Crypton 初音ミクNT

サウンド関係

今作はクリスマスソングという設定、テーマがあったため、イメージを具現化することがスムーズだったと感じます。伝えたいことばをうた(歌詞とメロディ)にして、歌が伝わるアレンジとサウンドにする、ということをすればいいのかな、と改めて思いました。

クリスマスソングを作るならキーはCメジャーかな、と思って作り始めました。童謡、唱歌、家族のうた、広く一般的にきかれてうたわれる楽曲、だからなのか。自分の好きなクリスマスソングにCメジャーの曲がちょいちょいあるからなのか。

ともあれ、今作は参考曲はありませんが……イントロは大好きなクリスマスソングからのインスパイアです。お気づきの方も多いかと思います。

イントロのラストノートをスケール外のG#にすることでおじさんとクリスマスの取り合わせに対する不穏さを表したかったとかなんとか。コード的にはCM7→Caug。

リズム関係のアレンジはサンタがやってくるような気持ちを携えて。スレイベルを4分音符で鳴らし続けました←誰にも伝わらないこだわりとして、コピペ無しで通して鍵盤たたいてみました(笑)雪の降る町をサンタがズンズン歩いてくるような。トナカイにソリを引かせてグングン進んでくるような。そんなイメージでリズムは4分音符で押し切る感じです。ベースは完全に4分音符しか打ち込んでません。ルートをひたすら淡々と。そのせいで4つ打ちっぽくきこえますが、キックが4つ打ちになるのは4サビからなんです。3サビ「こどもたち~」の所でPPPHにした後から、ですね。
ドラムといえばスネアのリバーブをゲートリバーブにしてみました。Relab Development『LX480 Essentials』を純正のGateで切ってます。先述の通り、ドラムは STEVEN SLATE DRUMS『SSD 5.5』のCHRIS LORD ALGE DRUMS Expansion Packです。パラアウトして Lindell Audio 50 で音作りしてます。アナログ機材のエミュレートを好むいぐあなです。スレイベル入っているからハイハットは控えめです。

エレピは UJAMのVIBEです。Virtual Pianistシリーズの新音源。エレピじゃなくても良かったかもしれませんが、新しくお迎えした良い音があるなら使ってみたくなる。音源としてMIDIノートを演奏させてます。音作りヤリスギィで歪ませてしまいました。耳の良い方なら気づくレベルの歪みです。自分用の試聴音源は作り直してます(笑)配信することがあればその時に……。

今作最大のポイントはコーラスかも。もっともっとリバーブかければよかったかな、と思ったり、バランス大きかったかな、と思ったりしてます。
多重コーラスにチャレンジしたくなり、ミクさんを重ねてます。1Bからラストまで3パート、オクターブで6声ずっと入ってます。間奏ではさらに6声追加して最大12声同時に鳴ってます。一応、息継ぎをさせてます。息継ぎのないボカロ曲をきいていると息が詰まるので。リアルで歌うならコーラス隊みんなでカンニングブレス(息継ぎ以外でこっそり息継ぎしてフレーズが途切れないようにする)必須でしょうね。
メインとハモのミクさん.はLindell80使ってます。
コーラスはEQ→COMPの後にAntares AVOX DUO 入れてます。DUOはいつだったか無償配布してた記憶。ダブりたいときに使ってます。

イントロ、1ABサビ、間奏、2Bサビ、3C(落ち)、4C、5C、エンディング(F.O.)という構成。
コード進行もシンプルめ。難しいことをしなくても曲は作れる、というのを示したい気持ちは常々あります。3和音ではなくセブンスとかテンションも多用しているようにきこえるかもですが。難しそうなコードネームは構成音の辻褄合わせかもしれないなぁ、なんて思うようなこともあります。7thと思いきやメロディが違うところにおるやん!→メロディにあわせて♭9にしてみたり、みたいな。

コード進行をざっくり書くと

Aメロ
Ⅰ→Ⅴ→ⅵ→Ⅴ→Ⅳ→ⅲ→ⅱ→Ⅴ

Bメロ
ⅱ→Ⅴ→ⅲ→ⅵ→ⅱ→Ⅴ→Ⅰ
ⅱ→Ⅴ→ⅲ→ⅵ→Ⅵ♭→ⅳ→ⅱ→Ⅴ→Ⅰ 

Cメロ
Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ →ⅱ→Ⅲ→ⅵ
Ⅳ→Ⅴ→ⅠⅤ→ⅵⅤ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ→Ⅲ+

onコード使ってベースラインつなげたり、時折何かやってます。

時間遅延系エフェクトは
Waves Abbey Road Reverb Plate
Waves CLA Epic
UJAM FINISHER NEO
を使ってます。
声関係、もっとかければよかったなあああああ!

動画制作

Davinci Resolveで制作。マシンスペック的にかなりつらい。
今後はトランジションなしの動画にしようかなと真剣に考える。
マシンの新調も真剣に考える。
そんな2022年末。M2 MacbookAirを眺めています。
パソコンに入っていたクリスマスっぽい写真を加工して使ってます。

歌詞とまとめ


12月になると
町中なんだか浮かれ気分で
あちこち電飾ピカピカで
でっかいもみの木どこから来たのやら

おじさんのクリスマスなんて
誰も得することがないような気がする
言われなくてもおじさんわかってるよ
正月休みを楽しみにしておくよ

おじさんのクリスマス
おじさんもちょっぴり楽しい
クリスマスを楽しむ人たちの
幸せを思うよ
メリークリスマス

Very Merry Christmas おじさん

おじさんのクリスマスなんて
この世の中の誰一人として興味ない
言われなくてもおじさんわかってるよ
きれいなイルミをこっそり写メっておくよ
 
おじさんのクリスマス
なんとなくゆるっとふんわり
穏やかな気持ちでいられる日
地味だけどそれでいい

こどもたちのクリスマス
靴下にプレゼントとどくかな
チキン食べてケーキでおなかいっぱい
「いつもよりはやく寝よう」

おじさんのクリスマス
久しく会ってないお父さん、お母さん
おじさんのお願いサンタさんに伝えてくれていたんだろうな

そんなことを思い出して鼻の奥ツンとする
メリークリスマス


テレビやネット、メディア関係でおじさんのクリスマスが取り上げられることはないなぁ、と思って書いてみました。
言わずもがな、いぐあなの目線だったりします。おじさん(チャチャチャ)
若かりし頃はコイビトガー、カノジョガーみたいなことを言っていたかもしれませんが、そんなのは昔のことですね。自分自身にとって一大イベントではなくなってしまってますが、身の回りの人にとっては素敵な日かもしれないし、そうであってほしいし、自分に何もなくても世の中、町中のクリスマスムードは何だか好ましく思えるんです。文字にするとキモいんですが、歌にしてしまえばおじさんがこんな風に思ってても多少はキモさが薄くなるような気がします。歌ってるのミクさんですし。1サビ終わりで「キモいね」って合いの手を入れようとしたこともあったかもしれませんが、やめときました。おじさん、とひと口に言ってもいろんなおじさんがいますけどね。ラーメン好きでてっぺんさみしくなってきた小太りなおじさんだってクリスマスが楽しいって思ってるかもしれないじゃないですか、っていうね。

おじさんだって昔はこどもだったわけです。そんなこどもだった頃の「おじさん」の「おとうさんおかあさん」(令和の現在、存命なら高齢、亡くなっていることも想定)、もしかしたらサンタクロースにお願いごとを伝えて、プレゼントが届くようにしてくれていたのかもしれませんよね。欲しかったプレゼントが赤や緑の包装紙にくるまれて、クリスマスの日、枕元においてあって大喜び。「おかあさん!サンタきた!」そんな経験がある人も少なくないのでは(いぐあなのイメージでは昭和50年代後半~頃とかです)。そんなようなことを思い出して、親のことを思うと、いろいろと考えることがありますなぁ、という令和の「おじさん」。家に帰れば「こどもたち」の「おとうさん」かもしれない「おじさん」は、派手なイベントではないクリスマスを楽しみ、ささやかにチキンやケーキと共に家族がいる幸せをかみしめて、両親に感謝の思いを馳せるのかもしれません。

軽はずみに作り始めて、最終的には気に入った作品になりました。
サウンドも、歌詞も。

おいらは、おいらの作った音楽がこの世に存在しなかったら、と考えると
とてもおそろしい気持ちになります。自分が作った音楽がこの世に存在してよかった、と思います。

アマチュアの趣味風情で何言ってんだ、と思うかもしれませんが、どんな経緯であれ「作らなければ生まれなかった音」が存在する事実があります。

自分が楽しんで、自分が好きな音楽を作って。きいてくれる人たちとのコミュニケーションを楽しむ。自分もまた、他の人たちの作る音楽を聴いて楽しむ。そうじゃない人たちにはわからないかもしれない世界がたしかにあります。

食っていくわけでもなく、プロでもなく、それでも音楽を制作して楽しくやっていけるということを体現していきたいのかもしれません。これが誰かの迷惑になっていたりするのだろうか、と考えることがないわけでもないんですけどね。


まとまらないので終わります!

みなさんに、メリークリスマス&ハッピーニューイヤー!

前作のnote書かずにこっち書いてしまったなー、と思っている いぐあな

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