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随筆

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#エッセイ

甘えの構造

ものを書くことがとても恥ずかしいことだと思うことと、高貴なことだと思うことは遠いように見えて、じつは憧れという感情の両極なのだと気づくまでにずいぶんと時間がかかってしまった。畳の部屋で書き物机を前にして悩んでいるふりをしているところを遺影にしたいような気がする。そんな程度にはまだぼくは青臭い。
愛嬌のあるふりをしてひとを欺いて、親に借りてもらった部屋のリノリウムの上で、申し訳なさに今日ももんどり打

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