見出し画像

【囲碁】続・ヨセを勉強しなければと何度も思った人のためのnote「ヨセ図鑑②」

こんにちは。

IGOcompany【U】です。

財団法人日本棋院での15年間の勤務を経て、囲碁をビジネスに起業。

もうすぐ10周年になる「宇佐美囲碁教室」という教室を運営したり、武蔵小杉の「永代塾囲碁サロン」にて指導碁会や交流会をしたり、世田谷や麹町、大学などで囲碁を教えたりして、囲碁でご飯を食べてます。

今年の4月からは「新百合ヶ丘囲碁学園」の学園長を任されました。

※2023年12月追記

ありがたいことにこのnoteが大人気で、「ハネツギ」の基礎的な話を1冊の本にまとめました。
Amazonにて販売中です。良かったらサンプルだけでも眺めてみて下さい。

※以下の文章は、そのままです。

さて、

本日のnoteは、

前回の有料記事【囲碁】ヨセを勉強しなければと何度も思った人のためのnote「ヨセ図鑑①」の続きになります。

前回のnoteが当初の予定の倍以上の1万6千字になりまして、2回に分けないと書ききれないなって事態になりまして(笑。

5月中に書きますと伝えてたんですが、すぐやらないとズルズルずるずる書かなそうなのでGWを利用して気合をいれて書き上げることにしました。

と、

その前に、まずはお礼を。

【囲碁】ヨセを勉強しなければと何度も思った人のためのnote「ヨセ図鑑①」を購入して頂いた方、ありがとうございます。

書き終わった当日からトントンと続けて購入があって「おぉ」って思いました。ホント、めちゃくちゃ嬉しいです。

僕が書いた拙い記事でも、誰かの需要を満たしているんだな、役に立っているんだなって実感を持てたことは、すごい喜びでした。

本当にありがとうございます。

これからも継続して優良な有料記事を書いていく所存です!

とりあえず100本を目標に頑張って取り組んでいきます!!

(とはいえ、書き上げるのにほぼ二、三日かかるので、数年単位の目標になりそうですが。。。)

コツコツ、継続的に取り組んでいこうと思います。

応援宜しくお願いします。

さて、前回は、

ヨセの理屈と、実際のヨセの目数を1目以下~10目以下まで参考図で羅列してみました。

(とりあえず)ヨセの計算方法などについても説明しましたが、正直、実際に見て感じて頂いた方が早いんじゃないかと思って、(スクショを取って切り抜くのが異様にしんどかったですけど)力業でどんどん図を出していったnoteです。

それはというのも、

実際の対局で、ヨセの目数を計算することなんてほとんどないんですね。

僕の生徒さんも口をそろえて「ヨセは難しくてわからない」と言いますが、正直みんなそうだと思います。

では、

どうすればいいのかというと、

前回のnoteでは「とにかく先手を打ちましょう」と強調してみました。

また、棋士の先生からのアドバイスを例に取って、

例えば「A・B・Cのヨセで打ちたい所があったとして、その3つでどれが大きいのか(先手なのか)を比べて好きなトコロから打ちましょう」とお伝えしました。

ヨセは、実際には計算なんてせずに、それくらいで良いんだと思います。

ただ、「どこが大きいトコロなのだろう」というのを、そもそも知らない人も多数だと思います。

AとBどっちが大きいか(大きそうか)をおおまかにでも判断できたらと思いまして、前回の「ヨセ図鑑①」と、今回の「ヨセ図鑑②」を作成しています。

ヨセを勉強しなければと何度も思った人のためのnote、って題名をつけましたが、理屈ではなく感覚で、何となくでもヨセの大きさを見てもらえれば嬉しいです。

何度も見直す内に、ヨセの大きさを感じ取れるようになるんじゃないかと思います。

僕自身もnoteにまとめてみて、あらためて勉強になる部分が沢山ありました。意外と誤解していた部分も。

アウトプットすることによって、理解が深まるって本当ですね。

今回も、

参考図に「(先手・後手)何目」と記載して、たくさん羅列してみたので、全部覚えられなくても、見比べていけば、こっちよりこっちが大きいんだなとか、隅からのこのヨセはこれくらいなんだなとか、捉えられるようになると思います。

それから先程も紹介した、

まずはこちらのnoteですが、

前半部分の考え方の部分は無料ですので「ヨセ」について気になる事がある人は、是非ご一読頂ければ嬉しいです。有料部分では【4目以降からから10目くらいまでのヨセ】を取り上げています。

それでは、

今回の【囲碁】続・ヨセを勉強しなければと何度も思った人のためのnote「ヨセ図鑑②」の内容に入っていきたいと思います。

今回は【10目以上から20目くらいまでのヨセ】を取り上げます。

個人的には、前回のnoteで基礎的な知識を、今回のnoteで実戦によく出る応用的な知識を補えていると思います。

定石後の形も出ますので、実戦によく登場するようなヨセも多数紹介しています。

【星の基本定石の後のヨセの例】

例えば、「星の基本定石」から出来るヨセの形。

黒から(あるいは白から)Aに打つ目数を知っていますか?

(これくらいになると、計算というよりは知識だと思います。知識の引き出しと言いますか、そういうのをこのnoteで補ってもらえたら嬉しいです)

星の基本定石の後のAのオサエ

もちろん(後手になってしまいますので)、すぐに打つ場所ではないのですが、中盤終盤になってくると大きなヨセの箇所になってきます。

※ちなみに、前回は9路盤で参考図を示しましたが、今回は13路盤です。

黒6と打つ価値を知っていますか?

黒6とオサエる価値は、昔から「後手約16目」と言われています(数年前の日本棋院で行われていた研究会で、棋士の先生が話すには約16目って言われてたけど、正確には15目強だねとおっしゃっていましたが)。

この後のAの取りが「後手約10目」ですので、このオサエが目数だけでも大きいことが分かります。

また、地の目数だけでなく、下の図のように強弱が関わる場合は、その「価値」の大きさは跳ね上がります。

「大場」ではなく「急場」になるからです。

【黒Aの場所が急場になる場合】

白からAに打たれると、黒の石が弱くなってしまいます。

「大場より急場」という格言にある通り、生き死にや強弱が関わる場合にはすぐに打たないといけないのが「急場」です。

「大きい=価値のある」場所です。

ちょっと話はズレますが、対局の解説の時に、解説者が「この手は大きいね」って言った場合は、「目数が大きい」という意味と「その場所に打つ価値が高い」と二つに意味を持ったりします。

大場の「大きい」は、目数の多さ。
急場の「大きい」は、局面における価値の高さです。

どちらも同じ言葉を使うので、混乱してしまうかもしれません。

囲碁の表現の仕方には、目数が大きい場合の「大きい」と、その場所に打つ価値が高い場合の「大きい」の二種類があるんだと捉えておきましょう。

話を戻しまして、

価値が高いAの場所を黒が打たなかった場合は、

白7のハイから白9のオキがツライ

白から、白9の急所のオキがあります!

この一手で黒の石が途端に弱くなってしまいます。

ツナギを打ったとしても黒は眼のない形

黒10とツナギで打つのが自然なようですが、白11のコスミから白13のワタリで黒の根拠が奪われてしまうのです。

黒はかろうじて隅に後手一眼がありますが、この後逃げないといけないツライ形に。

黒はコスミツケで抵抗しても

黒10のコスミツケから抵抗する手段を知っている人もいるかもしれませんが、この場合は成立せず。うろ覚えで、この変化に突入するのは怖いですね。

成立させるためには、下のような図にする必要があります。

黒8のツケと白9のノビを交換しておけば

よく手筋の本に載っている形。黒8のツケと白9のノビを交換しておけば、黒10のオサエはギリギリ成立します。

黒18のオサエを打った時に、黒8がカケツギになっています

黒20までのこの局面で、Aのキリがあるので黒が一瞬取られているようにも思えてしまうかもしれませんが、

白5で黒△の位置にツギ

白1の切りに対して、黒2のマクリから白の石を取る事が出来ます。
意外と高段者の方でも知らない手筋かもしれません。

ただ、この変化を全部覚えるのは、流石に大変かと思いますので、

【星の基本定石のツメに対してはオサエをしっかり打ちましょう】

黒1は急場にもなりえる

白△の位置に石が来た場合は、黒1としっかりオサエを打つようにした方が良いと思います。

高段者の方になると、黒1と打つことが利かされに感じてしまう場合もありますが、まずは基本をしっかり押さえておいて(こう打っていて)十分です。

ちなみに逆もしかりで、

白1にオサエで打ってはいけない

白1と打たれた場合は、黒2と二間ビラキを打つのが形です。
白1の部分が「大きい」んですね。

とはいえ、最近は「星の基本定石」があまり打たれないじゃないかって思っている方、

実は、よく打たれる「ツケ二段の定石」を掘り下げた記事もありますので良かったら読んでみて下さい(すみません、宣伝です)。

というワケで、

【星の基本定石の後のヨセの例】

星の基本定石後のオサエの価値は「後手約16目」。
後の二線の石の取りが「後手約10目」となります。

このように、

これから【ヨセ図鑑② 10目~20目以上までのヨセ】を解説していきます。

何度も何度も読み返すことで、(何となくでも)ヨセの大きさが身についていくと思います。

この後の有料部分で説明するヨセの題名を、ここに羅列してみました。

【後手10目のヨセの例】
【後手10目のヨセの例】
【後手10目のヨセの例】
【後手10目のヨセの例】
【後手10目のヨセの計算例】
【小目の定石から出来る先手約10目のヨセの例】
【小目の定石の例】
【小目の定石の後の狙い】
【後手約11目のカミトリの例】
【後手約11目のツギの例】
【この形になる定石の例】
【もうひとつの定石の例】
【隅の死活の例】
【(先手になるかもしれない)後手11目のヨセの例】
【その形になる定石の例】
【ツケヒキ定石の例】
【後手12目のハネツギの例】
【ツケヒキ定石から良くできるオキの例】
【オキに反発する形】
【オキに上ツケの形】
【後手12目のヨセの例】
【後手12目のヨセの例】
【先手12目のヨセの例】
【後手13目のハネツギの例】
【後手13目のヨセの例】
【後手約13目のカミトリの例】
【後手14目、最大級の二線のハネツギの例】
【後手14目のヨセの例】
【後手14目のヨセの例】
【後手14目のヨセの例】
【ツケノビ定石後にできる後手14目のヨセの例】
【ツケノビ定石後にできる後手約17目のヨセの例】
【ツケノビ定石後のキリが成立しない場合】
【(先手7目になるかもしれない)後手14目のヨセの例】
【後手16目のヨセの例】
【後手17目のハネツギの例】
【後手17目のサガリの例】
【後手約18目のヨセの例】
【後手約18目のヨセの例】
【後手約20目以上のカミトリの例】

興味があるものがあれば、是非ぜひ記事をご購入してみて下さい。
宜しくお願いします。

また、有料記事ばかりではなく、このnoteでは「宇佐美囲碁教室」で実際に行った講義の内容も紹介していこうと思っていますので、棋力向上を目指している人は、(たまにでも)チェックしてみて下さい。

それから、ちょっと追記。

【今回の補足事項】

前回のnote、【囲碁】ヨセを勉強しなければと何度も思った人のためのnote「ヨセ図鑑①」に出たようなヨセと似たような形が登場します。

前の参考図では「後手6目」と説明していた形も、「後手10目」と説明されていると感じる場合もあると思いますが、その後に生じる手によってヨセの目数が変動する場合があります。

例えば、二線のハネツギは基本6目ですが、その後、先手のハネツギが打てる場合などでも+アルファの目数がついたりします。

空白が多いほど、地が多く計算されるということです。

ちょっと例としてはふさわしくないかもしれませんが(説明が複雑な形なので)、

この図でさえ、

同じ後手1目でも、計算上は、

Aは、打った後に1目を折半するので1目半(2分の1)、
Bは、1目と4分の3目、
Cは、1目と8分の7目、

と言ったりもします。

ただ、難しい計算は覚える必要はないので、囲碁のヨセでは、打った後の空白の部分が大きければ、少し目数も多くなるんだな位の認識で大丈夫です。

これと同じで、ヨセを打った後に、さらに手がある場合も目数は多くなるんだなという認識で問題ありません。

おそらく読んでいくうちに混乱してしまう部分なので、捕捉しておきます。

また、

上記の「星の基本定石」でも解説しましたが、ヨセだけではなく、死活が絡む場合などは価値が全然違ったりもします。

前述しましたが、ヨセの細かい部分は本当に難しいので、何度も眺めてもらって、何となくでもそれぞれのヨセの大きさを感じてもらえれば十分だと思います。

それでは、

【囲碁】続・ヨセを勉強しなければと何度も思った人のためのnote
【ヨセ図鑑② 10目~20目以上までのヨセ】

以下は、有料部分です(返金設定はつけていないので、良い内容だなと思った方のみご購入ください)。

ここまで読んでいただき、誠にありがとうございました!

拙い文章ですが、(少しでも)棋力向上のお役に立てたのなら嬉しいです。

【後手10目のヨセの例】

ここから先は

9,225字 / 42画像
この記事のみ ¥ 980

サポートありがとうございます。コロナの影響もあり、今囲碁界はどんどん縮小していっています。どうにかしたいと思っている方は多いと思います。まずは小さな一歩から、囲碁の本を買ったり、近くの囲碁サロンに行ってみたり、周りに囲碁を教えてみて下さい。サポートは囲碁普及に使わせて頂きます。