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【囲碁】ヨセを勉強しなければと何度も思った人のためのnote「ヨセ図鑑①」

こんにちは。IGOcompany【U】です。

財団法人日本棋院での15年間の勤務を経て、囲碁をビジネスに起業。「宇佐美囲碁教室」という教室を運営したり、武蔵小杉の「永代塾囲碁サロン」にて指導碁会や交流会をしたり、世田谷や麹町、大学などで囲碁を教えています。4月から「新百合ヶ丘囲碁学園」の学園長を任されました。

※2023年12月追記

ありがたいことにこのnoteが大人気で、「ハネツギ」の基礎的な話を1冊の本にまとめました。
Amazonにて販売中です。良かったらサンプルだけでも眺めてみて下さい。

※以下の文章は、そのままです。

今回は、

【囲碁】ヨセを勉強しなければと何度も思った人のためのnote「ヨセ図鑑①」と題して、ヨセについて掘り下げようと思います。宜しければ、ご一読ください。

ヨセって難しい、目数の計算がわからない、先手・後手・逆ヨセって何、といった風に色んなことで戸惑っていた人も、このnoteさえ読めば(少しは)スッキリする、そんな役に立つ内容をお届けします。

このnoteで、ヨセを勉強したいと思っている人のための説明として、

前半の無料部分でヨセの理論に触れますが、

もしわからなくても後半の内容を読めばヨセの知識はしっかりと補充できると思います。

何故なら、(解説は勿論していますが)、

後半部分は「ヨセ図鑑①」として、1目以下のヨセから10目以下のヨセまで目に見える形で羅列するからです。

もう「よくわからないよ!」って人は、その部分だけでも繰り返し眺めてもらえれば、何となくでもヨセの目数に触れる事が出来るので、囲碁の引き出しが増える事間違いないと思います。

全部で80図くらいあるのですが、40図くらいまでは無料で公開しています。その部分だけでも読んでもらえたら嬉しいです。

つい先日、20年以上前の囲碁雑誌か何かの切り抜きを見つけたのをキッカケに、このnoteを書いています。昔の僕は、1目のヨセやら5目ヨセやらを集めてたんですね。

何気なく深夜から始めたんですが、結構な時間がかかってしまったので、良かったら「いいね」だけでもして頂けたら!

参考図を作って、スクショしてを100回以上繰り返して、気が狂いそうになりました(笑。

それから、

最後に(ちょっと宣伝も兼ねてますが)前回の有料記事、ご購入いただいた方々、本当にありがとうございました。

書いたものが評価されるのがこんなに嬉しいとは思いませんでした。

こちらのnoteでは「ツケ二段の定石」を掘り下げています。

宇佐美囲碁教室」を手伝ってもらっているスタッフに、昼から夕方にかけて1日で1万字書いてみたんだって言ったら、「正気ですか?」って言われました(笑。それくらい気合を入れて書いたnoteです。↓

前半部分は無料ですし、囲碁が強くなりたいって思っている人にとって得るものはあると思いますので、こちらも良かったらご覧ください。

それでは、今回は「ヨセ」について、

【囲碁】ヨセを勉強しなければと何度も思った人のためのnote「ヨセ図鑑①」を始めていきます!

ヨセに関して勉強することは2つで、

・「目数」(一手の価値)の理解、
・実際の「ヨセの手筋」、

なんですが後者の手筋に関しては今回は少なめになっています(いずれ記事にまとめます)。

今回は、前者のヨセの「目数(一手の価値)」の(ある程度の)理解を目指します(とはいえ、難しければ、後半部分の1目以下のヨセから10目以下のヨセの参考図の羅列をまず眺めてみて下さい)。

出来るだけわかりやすく、そして、簡略化できるところは簡単にしてお伝えしようと思います。

なんでこんなにヨセって難しいんだろうと考えたんですが(僕も本を読んでヨセを勉強したワケですが)、ヨセの書籍って「本」という性質上、逆に隅々まで解説しすぎてしまっているんはないかと感じています。

正直、アマチュア同士の対局で、目数をそこまで正確に把握する必要はないんですね。細かい事を気にする人は、この手は2目と6分の5目だ、みたいに言うんですけど、例えば、2目強って言われている手と、3目弱の手はほぼ一緒なんですね。

というワケで、

アマチュア同士の対局で、目数を分数で理解する必要もないと思うので、何度も言いますが、出来るだけシンプルにお伝えしようと思います。

前置きが長くなってしまいましたが、まずは読んでみて下さい。

【1目の手って何?って言われて、ちゃんと答えられますか】

とはいえ、ある程度の目数の理解は必要です。

まず、下に簡単な図を用意しました。

黒からAと打つ手は何目の手になりますでしょうか?

(後手)1目の図

正解は1目の手、黒がAに打てば、□の部分が1目の地になります。
(まだ説明しませんが、正確には後手1目です)。

同じく白がAに打てば、黒の1目の地を消していますので、これも1目の手と言えます。

では、

こちらは?

(後手)2目の図

先程と違い、白の1子がありますね。

黒がAに打てば、白の石が1目取れて黒の地が1目出来るので、こちらは「2目の手」と考えることができます。

白からAに打てば、白の1子を助けつつ、黒の地が出来るのを防いでいるので同じく2目の手です。

石を取られると倍になると捉えていても良いかもしれませんね。

同じような形で、2目の石を取られれば4目、3目の石が取られれば6目です。

ここまでは大丈夫ですか?

さて、ここまでだったら、
なんだヨセなんて簡単じゃないかと思いますよね。

それでは、ここで目数だけではなく、ここで新しい概念を説明します。

そう「先手」「後手」です。

【囲碁では先手と後手という考え方があります】

下の図のような形があったとしましょう。

囲碁の終局間近の図

上辺と下辺に境界線が決まっていないところがありますよね?

ヨセを打って、終局にしなければいけません。

仮に、黒1のサガリから白4まで打ったとしたら、

サガリで打った場合の図

黒地は20目、白地は20目、引き分けになります。

【ヨセの基本はハネツギ】

しかり、ヨセにおいては、黒1のサガリより効果的な手があります。

そう「ハネツギ」です。

それでは、AとB、みなさんは、どちらのハネツギから打ってみたいでしょうか?

選択肢がふたつあった場合、どちらを選びますか?

【Aから打った場合のヨセ】

Aから打ったらこういう図になります。

Aから打つとやはり引き分け

黒地が19目、白地が19目になって引き分けです。

では、Bから打った場合は、どうなるでしょうか?

【Bから打った場合のヨセ】

Bが先手になるのです!

こちらは、黒地が20目、白地が17目で、なんと黒勝ちとなります!

同じハネツギを打っただけなのに、Aから打つと引き分けで、Bから打つと3目勝ちです。

何が違うかわかりますか?

Aからのハネツギは、黒から打って、黒3の後に白の手番になってしまいます。これを「後手(相手の番になる)」と表現します。

逆に、

Bからのハネツギは、黒から打って白4とツナギになるので、また黒の手番になります。これを「先手(自分の番になる)」と言います。

ここで覚えて欲しい認識は、「先手」と「後手」があったら、ヨセは「先手」を打つ方が良いという事です。

このnoteは、級位者から有段者までの方に届いて欲しいなと思って書いているので、それぞれに簡単すぎる部分、難しすぎる部分があるかもしれませんが、最初の頃は「先手が有利なんだ」って意識するだけでも、大きな意味があると思います。

【一手の価値の計算の仕方】

では、最後にこのハネツギの価値を計算で出してみましょう。

※ここまでくると、高度な話になってしまうので、サラリと流してしまっても構いません。

下のハネツギの価値を求めます

一手の価値(目数)を求める時の公式は(公式っていうと難しそうですが)、黒から打った場合、白から打った場合のそれぞれの増減を足して求めることが出来ます。

「黒の増減の差」+「白の増減の差」=「一手の価値(目数)」

といったようなイメージです。とりあえず読んでみて下さい。

上の図で、黒が1と打った場合、黒地は8目、白地は10目です。

では、白が打った場合は?

白からハネツギを打った倍

白が1と打った場合、黒地は7目、白地は12目です。

黒が1と打った場合、黒地は8目、白地は10目でした。

その差の合計が、目数として計算できます。

黒が打った場合と白が打った場合の増減を求めましょう。

黒地は8目から7目になっているので、増減の差は1目、白地は10目から12目になっているので、増減の差は2目、その差の合計が、目数として計算できます。

つまり、

「黒の増減の差」+「白の増減の差」=「一手の価値(目数)」なので、
上の図のハネツギの価値(目数)は、1目+2目=3目になります。

黒が1とハネツギを打つと、自分が1目減る可能性をなくして、相手を2目減らしているので3目のヨセと表現することも出来ますね。

この辺になると、「??」って思ってしまう方もいますので、大丈夫です、気にしないで下さい、と言っておきます。

noteの記事として、ちゃんと書いていますが、ここの理解はなくてもいいです。下に例題も載せてみますが、読み飛ばしてしまっても構いません。

今覚えて欲しいのは、囲碁には「先手」と「後手」があって、出来る限り「先手」から打とうと意識することだけで十分です。

何度も言いますが、ここまで読んでいただいた方は「先手が大事」とだけ覚えておいて下さい。

【それでも、ちゃんと理解してみたいなと思った人のみの例題】

下図の黒Aに打つ価値(目数)を計算してみましょう。

先程、言いましたが、

公式は「黒の増減の差」+「白の増減の差」=「一手の価値(目数)」
になります。

ゆっくりでも大丈夫ですので、黒から打ってみて地を数えて、白から打ってみて地を数えてみれば求めることが可能です。

上辺の空白の部分は気にしないで下さい

Aに打つ一手の価値(目数)を求めたい。

この場合、

黒がAと打った場合は、

黒地は10目、白地は7目(アゲハマが-2目分あるので)です。

白がAと打った場合は、

黒地が4目(アゲハマが-3目分あるので)、白地が12目です。

黒地は10目か4目なので、増減は6目。
白地は7目か12目なので、増減が5目

という事は、6目+5目で、Aと打つ価値は11目です。ちなみに、Aと打った後には相手の手番になるので、正確には「後手11目」と表します。

さあ、そろそろ嫌になってきましたよね?

僕も教室で、下にありますサンプルのような教材で講義をしたことがあるんですが、あまり受けが良くありませんでした。

一部の数学(?)が好きな人の反応は良かったんですが(笑。

まあ、こういう計算ができなくても、アマチュアは問題ありません。

ヨセの計算ができなくても、囲碁を楽しく打つことは可能です!!

ちょっと記憶が定かじゃなくてもしかしたら違うかもしれないんですが、張栩先生が、プロたるもの計算で求められる部分は、しっかりと把握しておかないといけない(そうじゃなきゃプロじゃない)的な事を書いていたので、

勝利は10%から積み上げる

僕も(インストラクターとして囲碁でご飯を食べているので)ある程度は計算できないといけないと勉強したことがあります。

とはいえ、分数がかかわるようになると正確に把握していない部分も多々あります

例えば、コウは計算上は「三分の一」目と言いますが、現実には1目からゼロ目です。ヨセの目数は、計算上はという部分があって、一手の価値に分数が入る場合もあったりします(後半部分に分数がかかわる目数をとりあえず出していますが、無理して覚える必要はありません)。

【ヨセの時に大事にすることは?】

ヨセの細かいトコロも勉強しないといけないかなぁと思っていた時に、

親しくしている棋士の先生に「実際の対局で、ヨセの時に、目数をちゃんと計算しているんですか?」って質問してみたんです。

そしたら「そんなワケがない」と返ってきました。

その先生が言うには、

例えば、盤面でA、B、Cと三ヶ所ヨセの手を見つけて、その中で「大きいトコロ(先手)から打っていけば良いんだよ」と言っていました。

そのアドバイスで、ちょっと気持ちが楽になったのを覚えています。。。

【でも、結局、どこが大きいトコロなの??】

しかし、ここで何か気になりませんか?

結局、大きいトコロってどこなのだろうと??

さあ、ここで、このnoteで伝えたいことがみえてきましたね。

このnoteは、

【囲碁】ヨセを勉強しなければと何度も思った人のためのnote「ヨセ図鑑①」と名付けました。

目数をいちいち計算する必要がない→大きいトコロ(先手)から打っていけば良いんだよという考え方を、最初にお伝えして、

ある程度のヨセの大きさを、力業で全部お見せしようと思います。

「ヨセ図鑑」です。

そちらに触れる事で、(多少なりとも)3目の手よりは5目の手を、後手よりは先手を優先するようになると思います。

完璧に覚える必要はありませんので、これから羅列する図を眺めてみて下さい。

【ヨセ図鑑に入る前に捕捉】

すみません、「ヨセ図鑑」に入る前に捕捉です。

ヨセには「先手」と「後手」があると説明しました。

しかし、この2種類だけではなく、両方から打つと先手になる所を「両先手」、片方からだけ先手になる所を「片先手」、相手が先手のトコロをあえて後手で止める時を「逆ヨセ」と言ったりもします。

両先手は価値が4倍だね、と便宜上言ったりもします。

また、相手から先手2目のヨセの部分を、逆ヨセで止めると倍の4目だねと表現したりもします。

何となくて構いませんので、「両先手」は大きい、次は「先手(や片先手)」、どちらもなければ「逆ヨセ」を探し、最後は「後手」を見つけるみたいな意識でいると、段々とヨセが得意になっていくと思います。

優先度は、両先手>片先手>逆ヨセ>後手となります。

慣れてくると次第に気にするようになると思いますので、今は、そういうものがあるんだな程度の認識で十分です。

以上、捕捉でした。

【ヨセ図鑑① 1目以下~10目以下までのヨセ】

さて、それでは、ヨセの目数を表示しながら、解説をしていきます。

前回の有料記事は1万字位なんですが、今回の記事は1万6千字以上になりました(5目以上のヨセから有料記事になります)。

文量が多いので、1回で読まずに、何度もちょこちょこ読んでみて下さい。

ちなみに、囲碁の本では、例えば3目の手と書いてある場合、(おそらく)後手3目の場合が多いです。

このnoteでは、混乱が無いように、全ての手に先手と後手を表示する事にしています。

【後手1目以下のヨセの例】

1目以下のヨセ 半コウ

半コウと言われている形です。コウは、3手で1目のコウが解決するので、計算上は「三分の一目」などと言いますが、実際は1目かゼロ目。半目と表して問題ないので1目以下のヨセとなります。

ちなみに、これより下のヨセはダメ詰めの0目です。

【後手1目以下のヨセの例】

隅のハネは1目以下

よく出る隅の黒1のハネ、相手の陣地を1目減らしているので最初の頃は僕も1目の手だと思っていました。

しかし、その後に半コウが残るので、こちらも1目以下のヨセです。

※左辺の空白の部分のヨセが大きいなどは割愛して下さい。あくまで、その部分のヨセの話で進めていきます。

【後手1目のヨセの例】

黒1が後手1目

黒1と打つことにより、白は最後にAに手入れを必要とします。
そうすることによって白地が1目減りますので、後手1目の手。
仮に、「9九」に石があれば、先手1目のヨセになっていたかもしれません。

白が黒1の部分に打つ手も、後手1目ですね。

【後手1目のヨセの例】

黒1と逃げ出す手が気づき難い

ちょっと珍しい。黒1と逃げた方が得な形。
白2で2子が取られますが、その後に黒は白2の1子を取り返すことが出来るので黒後手1目の手です。

【後手1目強のヨセの例】

1目「強」という表現

黒1と打った後に、もし白が必ずAと受けてくれるなら、これは「先手1目の手」です。

しかし、白はAと受けないかもしれない。1目の陣地が出来るかもしれないし、出来ないかもしれない、その場合は1目の目数を折半(2で割る)し1目強だったら、1目半と表現します。

この相手が受けるかもしれない、受けないかもしれないで、分数が入るのですが、理解しなくて大丈夫です。1目を減らして、そのあと少し、みたいに捉えていても問題ないでしょう。

一応ですが、下に類似の形を載せておきます。

【後手1目以上2目以下のヨセの例】

黒1は白の1目を減らしているので確実に後手1目

黒1の手は、後手1目の手です。

Aは、打った後に1目を折半するので1目半(2分の1)、
Bは、1目と4分の3目、
Cは、1目と8分の7目、

と言ったりもしますが、進める数が長ければ長いほど、若干、目数が多い、くらいに捉えていて十分です(僕ら囲碁のインストラクターですら、この概念は殆んど使いません)。

【先手1目の例】

死活が絡むので黒1が先手

黒1の手に対して、白は2と受けないと、二眼が出来ず全滅してしまうので、受けざるを得ないところです。

相手が受けてくれるということは、次に、また自分の手番になりますので、これを「先手1目」と表現します。

このnoteでは、順々に1目以下の手から説明していますが、

先手のトコロは、先手1目であろうが、先手2目であろうが、それが先手だったら(相手が受けてくれるなら)「兎に角、先に打てば良い」と覚えておいてください。

【後手2目のヨセの例】

黒1へ白に打たれれば、白の後手2目

黒1と打つことにより、隅に地が出来るだけでなく、Aの部分も黒地になります。なので「後手2目」の手です。

【ハネツギは最低でも2目 後手2目のヨセの例】

相手の陣地を1目消して、自分の陣地を1目守っている

初級者の頃に、打つところがわからなくなったら「ハネツギ」が良いですよと先生から説明を受けてたことはないでしょうか?

ハネツギは色々な局面で出てくるので、打てるものなら打っておく方が得な場合が多いので、そういう指導になりますね。

また、ハネツギは、最低でも2目と言われています。

上の図の場合は、黒3とツナギを打った後に白が守る必要がないので「後手2目」のハネツギです。

この後に、3目や4目などハネツギの色々なパターンが登場します。

【よくある約2目のヨセの例(コウ)】

コウの場合は「約2目」

こういったコウの大きさの判断は難しいのですが、一般的には黒1と二段コウを取る手は「約2目」と言われています。これは、そのままコウの後にまたコウがあったら「約2目」なんだと捉えて下さい。

しかし、もし、このコウが石の生き死に「死活」に絡むようだったら、とても2目とは言えなくなります。

【後手2目強のヨセの例】

2目「強」のヨセ

黒1と取れば、白の1子が取れ相手の陣地が1目なくなります。これで2目のヨセと言えるのですが、この後、白はAに必ずしも打たないかもしれないので、この後の価値を折半して2目「強」という数字が出ます。

仮にBの部分に白の石があれば、黒1の手は純粋な「後手2目」です。

【後手3目のヨセの例】

黒1と打つことにより手入れの必要がなくなる

黒1と打つことにより、Aの地が確保されただけではなく、BやCへの手入れが必要なくなりました。打った後に相手の手番になるので、「後手3目」の手です。

白から、黒1の場所に打てば、同じく白「後手3目」の手になります。

【後手3目弱のヨセの例】

相手が応じてくれるとは限らない

この形で、お互いに抜きの形は「後手3目弱」と表現されます。
Aと打つ場合を折半して考えるので「弱」がつくことになります。

【後手3目強のヨセの例】

よく出るこの形は後手3目

隅のハネは、(最低でも)3目以上あるんだと覚えてもらえれば十分です。

例えば、辺のハネツギは2目でしたね。同じハネツギでも、隅に対する方が目数が多かったりすることがよくあります。

【先手3目のハネツギの例】

片先手のハネツギ。白が打てば逆ヨセです。

黒1のハネは先手のハネツギ。先手で自分が1目減る可能性をなくして、相手の陣地を2目減らしているので「先手3目」です。白から黒3に打てば、先手3目を逆ヨセで防いでいるので、2倍の「6目」の価値と言ったりもします。

【先手3目のヨセの例】

黒1のハネが先手になる時が多い

黒1のハネの前にAに打つ場合もありますが、黒1が「先手3目」の手。
白から守る場合は、Aに打ち、これは逆ヨセになります。先手3目の逆ヨセなので、これも「6目」の価値。ただし、後手です。

【先手3目のヨセの例】

黒1のワリコミが先手になる形

黒1のワリコミが先手になります。黒3とツナギを打った後に、白は4の守りを欠かすことが出来ません。つまり自分の手番に戻るので「先手3目」の手。

【先手3目のヨセの例】

黒1まで進むことが出来る手筋の一手

黒1とツケるのがヨセの手筋です。白2の手で黒3に遮ると切りが発生してしまします。

というワケで、白2と左からのオサエ、白4の守りも欠かすことが出来ないので「先手3目」。黒は白の陣地を減らすことが出来ました。

【逆先手3目のヨセの例】

三々から二段バネを打った定石の後に良くできる形

黒1と隅を守るのが常形です。白から黒1にツケる手が先手3目なので、それを逆ヨセで防いでいることになります。

ちなみに、この形に至るまでの「三々定石の二段バネの形」も紹介しておきましょう。実戦でもよく出てくる定石です。

この定石の後にAのハネ、Bの受けが発生します。

黒の星の石に対して、白が2と三々に入った場合の変化です。最近は白14と黒15の交換を早めにすることも多くなりました。

この図でひと段落なんですが、ヨセに入ればAのハネ、Bの受けが発生します。

【後手4目のヨセの例】

黒1と取る手が後手4目

黒1と打つ事により、白地を1目消して、黒地が1目出来ます。そして、アゲハマが2子あるので合計は4目です。

【後手4目のヨセの例】

黒1のハネが後手4目!

少し意外ですが、黒1のハネが「後手4目」あります。

2目のヨセの紹介で、ハネツギは最低でも2目と説明しましたが、これは手入れの具合もあり後手4目の手です。白から打つ場合との差を考えると計算できますが、これもそのまま覚えるで十分です。

【後手4目の手筋 ヨセの例】

黒1のアテコミがヨセの手筋

そろそろ詰碁や手筋の問題でおなじみの形が登場します。その手は知っているけど、何目の手筋かは知らなかったというヨセもあるでしょう。

黒1のアテコミが手筋で白は黒1を取る事ができません。黒5の後のAの権利はこの折半です。Aの手は2目の価値があるので、折半だと1目。つまり、白地が3目減って、権利が1目分あるので「後手4目」と考えることが出来るのです。

※難しかったら、だいたい4目と覚えて下さい。この後の図鑑も同じく、こういう形は何目くらいかぁと捉えるのに役立てば十分だと思います。

【後手4目のヨセの例】

(白石が1個足りませんが)大ゲイマの定石からできるような形

こちらも定石後に出来るような形ですね。白1のホウリコミに白はツナグことが出来ないので、白2と二眼を確保します。

黒3で終わっているので、「後手4目」の手です。

【後手4目のヨセの例】

白はセキにして生きの形

辺のでよく出る詰碁の形。黒1に対して抵抗すると死んでしまうので、白はセキになるように打ちます。セキは0目なので、黒1から黒は白地を0目にしました。先に白2と打てば、白には5目の陣地が出来ます。白が生きた後に、白からAを打たれ、黒がBとオサエると1目減りますので、これは結局「後手4目」のヨセです。

【後手4目弱のヨセの例】

「弱」と出る時は、相手が打つか自分が打つかがわからない時

黒1と抜いた後に、折半の計算をするのが難しい形です。3目と6分の5目という数字が出るようなのですが、ほぼ4目と捉えて下さい。
黒は3目の白の石を取り、その後白に取り返された形から考えると良いかもしれません。

【後手4目強のヨセの例】

Aの左に白石があれば、はっきりと4目

黒1の抜きの後に、白はAと打つとは限らないので、4目より少し大きいという判断で後手4目「強」と表現されます。上にありました、【後手2目強のヨセの例】と似ている形です。

【先手4目のヨセの例】

ほぼ白2と受けるので、先手のヨセ

黒1と打つことで、黒□の4目が増えます。白2と受けなければ、その後白に出られる手が大きく、白は止めざると得ないので「先手」の「4目」です。

【先手4目のヨセの例】

隅のこのようなハネは先手4目

これはよく出てくる形ですね。黒1は(ほぼ)先手の一手。
Aのカミトリは白の手入れの具合もあり大きいのです。白から黒1にサガリを打つ手は逆ヨセ4目(価値は8目)となります。

隅のこの図のハネは「先手4目」と、そのまま覚えておいても良い形です(良く出現します)。

【よくできる定石の後の、約4目のヨセの例】

コスミツケの後に三々に入った形

解説が9路盤なので出来ている形が若干違うかもしれませんが、白の星の石に黒がカカリで打った時に、白がコスミツケた形です。

黒はタイミングをみて黒1と三々に入る手があります。白6までで一旦定石は終了ですが、お互いにヨセの手は残っています。

黒と白からそれぞれヨセの形を皆さん、ご存じでしょうか??

と、ここまでにして、これ以降は有料部分にしたいと思います。

この後に説明するヨセを、ここに羅列してみました。

興味があるものがあれば、是非ぜひ記事をご購入してみて下さい(宜しくお願いします)。

【黒から打った場合、逆ヨセ約4目のヨセの例】
【白から打った場合の参考図】
【両先手4目のヨセの例】
【似たようなハネツギ、先手5目のヨセの例】
【後手5目弱のヨセの例】
【後手5目のヨセの例(ウッテガエシ)】
【後手5目強のヨセの例(ハネツギの後の形)】
【二線のハネツギの基本形 後手6目のヨセの例】
【二線のカミ取り 後手6目のヨセの例】
【二線のコスミ 後手6目のヨセの例】
【二線のコスミ 先手6目のヨセの例】
【セキ 後手6目のヨセの例】
【隅のカミトリ 後手7目のヨセの例】
【隅のカミトリを守るのも約7目】
【後手7目のヨセの例(ウッテガエシ)】
【先手7目のサルスベリの例(小ゲイマ)】
【先手7目のサルスベリの例(大ゲイマ)】
【大きなハネからの先手のハネツギ 先手7目のヨセの例】
【先手7目のハネツギのヨセの例(場合によっては後手10目)】
【二線の6目のハネツギが、8目になる場合のヨセの例】
【二線のカミ取り 後手8目のヨセの例】
【後手8目のヨセの例】
【先手約8目のヨセ】
【後手9目のヨセの例】
【後手9目のヨセの例(コウ材によっては11目)】
【後手の隅へのサルスベリ 約9目】
【隅の死活 先手9目のハネツギのヨセの例】
【おまけ 10目のヨセをひとつ紹介】

【最後にヨセのポイントのまとめ】

また、今回のnoteが当初の予定以上に、膨大な文量になってしまいましたので、10目以上のヨセについては後日別にまとめたいと思います。

宜しければ、そちらの方もご一読ください。

【囲碁】続・ヨセを勉強しなければと何度も思った人のためのnote「ヨセ図鑑②」

を5月中にまとめたいと思います。

※書き上げましたら、ここにリンクを張る事にします。

以下は、有料部分です。
ここまで読んでいただき、誠にありがとうございました!
拙い文章ですが、棋力向上のお役に立てれば嬉しいです。

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