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【囲碁】役に立つ棋譜解説 木曜教室20230504

こんにちは。

IGOcompany【U】です。

囲碁をビジネスに起業して「宇佐美囲碁教室」っていう教室を運営したり、様々な場所で講義をしたりして、囲碁でご飯を食べています。

今日のnoteは、

【囲碁】役に立つ棋譜解説 木曜教室20230504と題しまして、軽くですが棋譜解説をしてみようと思います。

上の写真は、僕の講義風景になります。こんな感じで、生徒さんの前で囲碁を教えたりしていますね。

実際に、武蔵小杉「永代塾囲碁サロン」の「木曜教室」で、
僕が講義した棋譜解説の内容です。

ちなみに、

この数週間で、

気合を入れて有料記事を3本ほど作成してみたんですが、

(全部で4万字以上、参考図の数は100図を優に超えます。半分くらいは無料で公開しているので、興味がある人は是非ぜひ読んでみて下さい)

思っている以上に、需要と言いますか、読んでもらえてるんだなぁと思ってちょっと感動しています。

ここ最近のダッシュボード

(ほぼ)毎日noteを書いていた時期よりは、若干減ってるとは言えど、こういう純粋な囲碁の記事がこんなに読まれると思いませんでした。

読んで頂いた方、ありがとうございました!

また、購入して頂いた方、本当に本当に感謝しております。

前にも書きましたが、僕が書いた拙いnoteでも、誰かの需要を満たしているんだな、役に立っているんだなって実感を持てたことは、凄い嬉しい事でした。

このnoteでは、色んな内容の記事に挑戦(?)してきてるのですが、結局は囲碁っていう一本の軸をちゃんとしようと、アラタメテ思った次第です。

僕の書いたnoteを読めば(少しは)囲碁の棋力向上に役立つと思われるように、これから意識して継続して書いていこうと思っています。

とはいえ、毎回1万字以上の有料記事は大変なので、今日は、軽い棋譜解説です。少しでも参考になれば嬉しいです。

よく教室で話しているんですが、囲碁って言うのは覚えることが沢山あるので、コツコツと知識のインプットが必要になります。

なので、習慣的に囲碁に触れる事が重要なんだよと、生徒さんに伝えたりもしています。週に1回教室に来て解説を聴くだけでも、ちょっとずつ棋力は向上していくと思います。

僕は、講義では難しいことも話しているのですが、

全部を覚えようとしないで「何かひとつだけでも新しいことを知ろう」と思って下さいと伝えています(全部覚えるの大変ですからね)。

(毎週教室に来ていると仮定して)週に1つでも新しいことを知れば、年に50個以上は新しい囲碁の知識が増えることになります。

それで、あとは楽しんで囲碁を打って頂ければ十分です。

ちなみに、

「木曜教室」「木曜交流会」は、

最初の10分くらいで詰碁の問題を。

上が簡単な詰碁、下がちょっとヨミが必要な詰碁です。

棋譜の解説が50分くらいで、計1時間の講義をしています。

実際の教材

サンプルも載せておきますね(こちらは無料です)。

とはいえ、

1時間分の講義の内容を文章にするのは大変なので、(有料記事と違って)軽めの解説です。参考図も10個くらいにしてみます(追記、結局13図になりました)。

それでは、ご覧下さい。何かひとつだけでも、読んでくれている方の囲碁の知識が増えれば嬉しいです。

まずは、教材に使った部分の総譜から。

総譜 1~75手まで

今回は、僕の指導碁を題材にしました。教室は生徒さんの打ち碁をやったり、プロの碁を参考にしたりしています。

3子局。お相手は有段者の方。最近、4子から置き石がひとつ減りましたね。
堅実な棋風の方で、ちょっと堅い(しっかり打ちすぎている)部分はあるかもしれません。

【序盤 白1~白9手目まで 黒のオサエの方向は?】

白9の三々に対して黒は?

左上隅は「ツケヒキ定石」。そして、白9と僕が三々に入った局面です。
ここでAとオサエるか、Bとオサエるか。

AIが登場するまでは、黒8の石があるので「(真ん中くらいまでで)味方の石のいる広い方からオサエる」のが自然でしたから、(数年前の)教室ではAとオサエるんですよと説明していた形ですが…。

令和の今は、「どっちでもいい」が正解です(笑。いや、本当なんです。
どちらにオサエを打っても、その後の打ち方次第になります。

AIの評価値にもそんな差がないですね。

【左辺を大切にする黒の打ち方】

黒14、白15で切り上げる形もあります

黒10とオサエ、白15のハネに対して、黒16とノビる手を選択すれば、黒は左辺を大切にして打とうという構想です。

細かいことを言えば、最近は黒14のハネ、白15のハネまででひと段落と見る方が多いです。黒16のノビを打たずに、黒は先手で切り上げ、どこから別の場所に打ちます。これはダイレクト三々からの打ち方を勉強していないと、ちょっと難しい発想ですね。

【下辺を大切にする打ち方】

こちらも勿論ありえます。

黒10とBの下辺を大切に打つ打ち方もあります。

三子局なので、黒14も立派な手です。

本当に細かい事を言えば、最近は黒14と星に打つ手が(若干)少なくなり、シマリなどで打つことの方が多くなりました。

左下隅の黒3子を「思ったよりも弱くない」と扱うんですね。

詳しいことは、みんな使いこなせてる?ダイレクト三々定石の簡明な解説とオススメの形(こちらは無料です)で、簡単にではありますが解説しています。良かったらご覧下さい!

上の記事でも紹介しているのですが、

白14は黒7の位置

多少難しい定石にはなりますが、3子局なら、この定石を選択して形を決めてしまっても簡明だと思います。黒19とカカエで打てるなら黒に不満はありません。後に、黒からAのツメも楽しみのひとつです。

この場合は、黒1とオサエた方向の反対側を黒が取るという形になります。

【先ほどは形を決める定石をオススメしましたが】

実戦の進行は、

白19と迫られた時の黒の選択は?

このような局面になりました。白17のワリウチは、令和の今の時代は「ちょっと呑気」な印象で、あまり見られなくなりました。

とはいえ、悪い手ではないと思います。

この手に対して、黒18の手は良いツメ(ハサミ)ですね。

また、この黒18の手で隅「A」にハネを打って、先程紹介した難しい定石を選択するのもあったようですが、

実戦のように白19と打たれた時は、いかがでしょう?

皆さんは「A」とハネますか?「B」とノビますか?


※ちょっと行間を空けてみます。


正解は、「B」のノビが正解です。僕自身もAのハネで打つのかなと思っていたんですが、白19と白石が来ているこの局面に限っては、Bのノビで手厚く繋がっているのが有力です。

AIで検討して、なるほどなと思いましたね。

まあ、とはいえ、ここまではどう打っても一局の序盤の局面です。

次のテーマは、

右上隅の「ツケ二段の定石」の選択について。

(ちょっと宣伝ですが、有料記事で掘り下げている定石です)

【皆さんはAのサガリと、Bのオシ、どちらを選択したいですか?】

右上隅の形が、基本の「ツケ二段の定石」。

隅の地を取りたい時はA、中央を厚くしたい時はBなどと説明しますが、この場面では明確に優劣があります。

はたして、正解は?

黒、AとBどちらを選択するか

【正解は!?】

この場合は、黒8(A)のサガリが有力の局面です。

白9に対して、黒10のノゾキが打てて白への攻めが狙えます。

基準としては、白9と打たれても「黒が悔しくない時は」サガリが有力と言われています。黒10のノゾキがピッタリで、この場合は右下隅の黒△の二子が強いので、黒12のコスミで白への寄りつきを狙います。

また、あまり強気に打ちたくないときは黒12でAのヒラキも考えられます。

上辺は白からのツケヒキ定石の剣先がのびているところなので、価値が小さいと判断したい。

【白35のツケから隅は定石形 白49のノゾキには?】

右下隅の白35のツケからは様々な変化があります

白35のツケから白47までで右下隅はひと段落。

この後の黒48は好手ですね。「攻めはケイマ」の格言通り。

この手はAIでの検討の候補手とも一致していました。

置き石のある指導碁なので、左下隅、白49とノゾキを打ってみましたが(ちょっと打ち過ぎからもしれません)、

この手に対して皆さんはどう打ってみたいでしょうか?

【ツナギか、反発か】

ノゾキにツガぬ馬鹿はなし、という格言もありますが…

この場合、黒50は若干の利かされ(弱気な手)でした。

黒50でAなどと反発されたら、白は少し困っていたでしょう。

【最後の問題 白63に対して黒がどう打てば良いでしょうか?】

黒54はカタツギの方が形が良かったです。

白55から仕方なしと「車の後押し」で白が出ていきましたが、指導碁の時は、ちょっと俗筋かなと思いながら打っていました(しかし、AIによるとこの一手みたいです)。

この後、指導碁なので、白63と三間の間に打ち込んでみました。

ここで黒がしっかりと打てば、形勢は黒良しになっていたと思います。

皆さんは、白63に対してどう対応したいですか?

格言には「厚みは囲うな」「厚みは攻めに活かせ」「厚み(壁)にぶつけろ」などがありますが。。。

白63の打ち込みに対して、黒はどう打つべきでしょうか?

【黒は強気に白の石を攻めるべきでした】

もう一度、格言を並べてみます。

「厚みは囲うな」「厚みは攻めに活かせ」「厚み(壁)にぶつけろ」。

この場合は、右上隅の黒□が厚み(強い石)になります。

こちらの方へ、白の石を持っていきたかったのです。

黒1と左からコスミを打って、黒3までとなると打ち込んだ白の石は取られてしまっていたかもしれません。

問題として出されれば簡単だったかもしれませんね。

実戦は、このように黒64と厚みの方から攻めに行ってしまいましたので、白の石が頭を出し、逆に黒の石が分断されてしまったような形になってしまいました。

とはいえ、3子局なので、まだまだ難しい碁だとは思いますが、正解図のように打たれていたら、一気に形勢は黒良しに傾いていたと思います。

以上が、

木曜教室で講義した内容を、

(軽くですが)noteにまとめてみたものです。

好評だったら、これくらいの内容で、また載せてみたいと思います。

少しでも参考になれば嬉しいです。

それでは、

本日も、読んでいただき、ありがとうございました!!


サポートありがとうございます。コロナの影響もあり、今囲碁界はどんどん縮小していっています。どうにかしたいと思っている方は多いと思います。まずは小さな一歩から、囲碁の本を買ったり、近くの囲碁サロンに行ってみたり、周りに囲碁を教えてみて下さい。サポートは囲碁普及に使わせて頂きます。