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1-2 価値とは文脈であり、スパンである。 【地域×スポーツ大全】

え!?地元ちかいやん!仲良くしようよ! 

絶妙によくわからない親近感が生まれるように、人は少しでも共通点が多いと身近に感じ、はじめてフレンドリーサークルの境界線の中に容易に入れるらしい。

ここでは
学生時代の甘酸っぱい点のアイデンティティ 、と
ロングスパンでみた線のサードプレイス
とのあったかい関係を探りながら、そのエコシステムの動脈と静脈をスポーツコミュニティがいかに賄うことができるかというテーマで送りたい。


種の存続という価値について申し上げたい

シリーズザシーズ

イリオモテヤマネコという平凡な猫が西表島で亡くなったら人間よりニュースになるのはなぜ?

人類みな等しく幸せに過ごす権利がある。
顔の美醜も、資本の多少も、脳機能の賢愚も、身体能力の優劣も、感性の鋭鈍も、そのどれもが関係なくだ。

それぞれに価値があり、多様性を保持しなければその種は一面的な危機に対し一様に滅びるだろう。


人間よりニュースバリューの高いイリオモテヤマネコ

西表島のマングローブ群をオールで搔き渡っていた時に、機知に富んだニュースを船頭から聞く。

絶滅危惧種1Aのイリオモテヤマネコが車に撥ねられ死亡したことが、人間よりも大きく取り上げられる、と。

なぜかって?
そりゃあ島の人口2000人と比べて、猫口は100を切ってるからさーって。

半分冗談のような軽い雰囲気の中で、僕は未だ見ぬイリオモテヤマネコを想像してみた。
果たしてどれだけ美しいのか、デカいのか、ファニーな顔をしているのか、太っているのか。


運よく遭遇した。

なんとその辺の猫と何一つ変わらなかった。

僕は衝撃を受けた。
どうして都会の殺処分を待たない野良猫と同じ様相をした猫が人間よりビッグインパクトを持って報道されるのか。

なかなかどうしてもやもやは晴れない。
船は進む。

金色の木漏れ日ふり注ぐ神聖な森の中を進む。ピナイサーラの滝で神のマイクロ雫を浴び、林立するサキシマスオウの巨木群の圧倒的存在感にあてられた頃。
ようやく資本主義に漬けられた大島少年の脳はワークし、価値を認識し始めた。


価値というのは文脈に規定される

価値というのは文脈に規定されるのだ、と。
文脈とは、歴史、物語といった前後関係に紡がれた流れであると。

決して表層に浮きたつ美醜や優劣なんかだけでは決まらない、深い相対的なものであると認識した。

その相対性をもう少しひも解くと、どうやら人間より先に島に生息し始め、捕食被食の関係が一般のそれよりとても多様であるため、島全体のエコシステムに大きく影響を及ぼしている存在らしい。

その時間空間の関数を駆け巡ってきた種だからこその物語が地域に埋め込まれている。
道路に飛び出さぬよう猫用のトンネルを一つ掘るのに、公共工事費から約2億円を捻出するほどの存在なのだ。


価値とは文脈であり、スパンである。

さて今回僕が論じたいテーマはOB会というエコシステムだ。
どうしてこんなにイリオモテヤマネコについてあつい1000文字を割いているんだろう。

次回はセーフティネットと挑戦心について述べる。
話がなかなか前に進まない。てへぺろ



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