伊賀すおる

伊賀すおる

マガジン

最近の記事

第6節ファジアーノ岡山戦(H)1△1

ほぼ完璧  2連敗で迎えたホーム岡山戦。  終始ほぼ完璧と言える内容を披露しながらも、結果は引き分け。  そのことに対してネガティブな反応が起こることも理解できるが、今後の指針となるようなゲームがシーズンの早い段階で見られたことはポジティブに捉えるべきだ。 保持時の立ち位置  この試合で鍵となったのは、保持時と非保持時の立ち位置の妙だろう。  スタートの配置は、風間が2列目の中央に入る4-2-3-1と表現できるだろうが、保持時はそこから田口が左サイドバックの位置に降りて

    • 第4節ブラウブリッツ秋田戦(A)1●0

      勝てない秋田  また秋田に勝てなかった。  ただ内容自体は戦前のプラン通りだったようで、だからこそダメージも少なくないだろう。 ロングボール主体  ボールを握ってこない相手にどう戦うのだろうと気になっていたのだが、選んだ手段はロングボールだった。  それもロングボールを収めて起点を作るというのではなく、五分のシチュエーションを作ることでセカンドボール争いを発生させることが目的。  そのセカンドボール争いで秋田を上回り、秋田陣内でのプレータイムを増やしていこうという戦略だ

      • 第3節ザスパクサツ群馬戦(H)2△2

        二度追いついて手にした勝点1  前節逆転負けを喫し、迎えたホーム連戦。  前半の立ち上がりとラストプレーにそれぞれ失点するも、アタッキングサードでのボール奪取から2得点を挙げ、引き分けに持ち込んだ。  ただ、両チーム通じて得点シーン以外にもいくつか決定機を作り出しており、どちらが勝ってもおかしくなかっただろう。 可変システムの人選  今節、群馬の攻撃にはかなり明確な狙いがあった。  それは「ウイングバック化した左サイドバックの背後を使う」ことだ。  特に今節は攻撃に特化

        • 第2節モンテディオ山形戦(H)1●3

          開幕連勝ならず  2015シーズン以来の開幕連勝がかかった試合。小森が2戦連発となる先制ゴールを挙げたが、前半終了間際に追いつかれ、後半も62分、83分と山形からしたら理想的な時間帯に失点し逆転負け。  高い位置からのプレスがハマり、前半のうちに複数得点を挙げるチャンスがあっただけに悔しい敗戦となったが、その内容は希望を抱くには十分で、このまま完成度を高めていければと思わずにはいられない。 プレーの選択肢  前半終了間際に喫した失点の場面を振り返ってみると、得点を挙げた

        第6節ファジアーノ岡山戦(H)1△1

        マガジン

        • ジェフ千葉
          17本

        記事

          第1節V・ファーレン長崎戦(A)0○1

          3年ぶりの開幕戦勝利  ついに開幕を迎えた2023シーズン。開幕戦となったアウェイ長崎戦は、後半に奪った小森のリーグ戦初ゴールを守りきって白星スタート。  気になった点にいくつか触れておきたい。 保持時の配置と前進の設計  見木が明かしたように、この試合、長崎は4-3-3システムを採用すると予想して臨み、そのため非保持時は5−3−2で構えて、ボール保持時にはそこから両ワイドが高い位置を取る形を準備していたようだ。  たしかにゲームスタート時はそのような形を取ることが多か

          第1節V・ファーレン長崎戦(A)0○1

          ジェフ千葉2022シーズン選手寸評(下)

           最後に出場時間2000分以上の、いわゆる主力として戦った選手たち。  納得の顔ぶれ。 40.櫻川ソロモン 出場36試合(先発24)、2041分 得点7アシスト3  キャリアハイの成績を残した3年目。  前線で体を張りつづけ、ペナルティエリア内での迫力も出てきた。  限定する守備も忠実にこなし、守備での貢献度も高かった。  センターフォワードに中央のレーンから動かず、最前線に留まることを求める尹晶煥のサッカーではまぎれもないファーストチョイス。  それでも期限付き移籍で武

          ジェフ千葉2022シーズン選手寸評(下)

          ジェフ千葉2022シーズン選手寸評(中)

           選手寸評、続けて出場時間1000分以上2000分未満の選手たち。 8.風間宏矢 出場25試合(先発16)、1248分 得点1アシスト2  序盤はシャドーで出場機会を得るも、決定的な仕事ができずにベンチを温める日々が続いた。  間で受けるポジショニングや裏に抜けるランニングは存在感があったものの、とにかくトップスピードに乗るまで加速に歩数を要してしまう。  プレスにしても裏抜けにしても、正しいポジションからスタートしたら少し間に合わない。 シャドーのタスクをこなすには致命

          ジェフ千葉2022シーズン選手寸評(中)

          ジェフ千葉2022シーズン選手寸評(上)

           出場機会がなかった鈴木椋大と、第二種登録、強化指定を除いた選手の2022シーズンの寸評を出場時間順に。  まずは出場時間1000分未満の選手から。 9.川又堅碁 出場2試合(先発0)、2分 得点0アシスト0  開幕には間に合わずとも、シーズン中に復帰、後半戦はフル稼働という見通しだったはずだが、結局ほとんど戦力にならなかった。  コンディションさえ戻れば…が2年続いてしまうと、さすがにもう。  これは別に川又の選手評で書くようなことではないとは思うのだが、センターフォワ

          ジェフ千葉2022シーズン選手寸評(上)

          第17節ロアッソ熊本戦(A)1△1

          激戦敵地熊本での一戦は、互いにトランジションのところからチャンスを構築する場面の多い激しい試合となった。 結果は1−1の引き分けだったが、どちらに転んでもおかしくなかった。 以下、気がついた点・ウイングバックが相手のウイングにピン留めされていると後手を踏んでしまうが、前線がしっかり規制をかけると一つ前までアプローチでき、その際の連動した守備は非常に効果的。 ・佐々木と鈴木大輔が前線に顔を出す際に使うレーンを整備した感がある。特に右サイド、鈴木がインナーラップをかけてそのま

          第17節ロアッソ熊本戦(A)1△1

          第16節ブラウブリッツ秋田戦(H)0●1

          とにかく痛い敗戦前節岡山戦で劇的な勝利を飾り連勝を狙う千葉は、ホームに秋田を迎える。 高インテンシティを前面に打ち出す秋田に対して千葉も真っ向から受けて立ち、終始秋田を押し込みながらゲームを進めたが、セットプレーからなんとも説明のつかない失点を喫し、その後反撃を試みるもそのままタイムアップ。 痛い敗戦の背景には、度重なるアクシデントとそれによってチームのデザインを変化させざるを得なかったことが挙げられるだろう。 アクシデントと配置変更前節から引き続き、中盤は熊谷と小林のコン

          第16節ブラウブリッツ秋田戦(H)0●1

          第15節ファジアーノ岡山戦(H)1○0

          2勝2敗1分大分、徳島に連敗を喫し、1勝2敗1分と負け越して迎えた5連戦のラストはホーム岡山戦。 90分を通して安定した戦いを見せ、後半ロスタイムに決勝点を挙げて勝点3を手に入れた。 これで5連戦は2勝2敗1分。上位や降格組との連戦だったことを考えると、そこまで悪い結果でもあるまい。 安定感の要因岡山の攻撃の要は、7番チアゴアウベス、8番ステファンムーク、15番ミッチェルデュークの外国籍トリオ。 この3人は左サイドでプレーする時間が長く、当然岡山もそこを攻撃の軸に考えていた

          第15節ファジアーノ岡山戦(H)1○0

          第10節大宮アルディージャ戦(A)1●2

          負けるべくして上位との対決を1勝2分で切り抜け、迎えた目下未勝利、最下位の大宮戦。 前半9分にミスから失点すると、自陣深くにコンパクトなブロックを敷く大宮を最後まで崩しきれず、カウンターから追加点を奪われ、敗戦。 ここまで10試合が終わって喫した敗戦は4。 その4試合全てに共通するのが、前半の早い時間帯に先制点を奪われていることと、ボール支配率が60%近くまで達することの2点。 つまり「先制点を奪われてボールを持たされる」のが必敗のパターン。 その必敗パターンに自ら突っ込んで

          第10節大宮アルディージャ戦(A)1●2

          別の別、のべつまくなし

          「牛丼は女性が食べるものではない」という固定観念に囚われる前に牛丼の味を身近なものにしてもらう、という考え方自体はなにも間違っていないと思うのだが。 そしてそれを言い換えた「生娘をシャブ漬けにする戦略」という表現は、まあ、それを許容できない人がいても不思議ではないが、はたしてそれが性差別的な発想が根底にあるとか、人権侵害にあたるとかはいささか飛躍がすぎるのではないか。 転じて。 そしたら、これがもし、そうだな。たとえばこれが、メイクを男性にとって身近なものに、男性のメイクを社

          別の別、のべつまくなし

          第9節横浜FC戦(H)1△1

          無敗の首位相手に得た勝点18節終了時点で首位に立つ横浜FCとの一戦。 序盤から試合を優勢に進め、いくつか先制のチャンスを得るものの、前半終了間際に失点。 ただラストワンプレーで追いつき、終わってみれば1−1のドロー。 千葉が12本シュートを放ったのに対して、横浜FCはわずか5本。 それでも数少ないチャンスをしっかりと決める決定力の差が、そのまま千葉と横浜FCの勝点の差に現れているのだろう。 プレス合戦戦前の予想通り、横浜FCは高い位置から積極的にボールホルダーに対してプレッ

          第9節横浜FC戦(H)1△1

          第8節FC町田ゼルビア戦(A)1△1

          「最低限」の勝点1勝点差6、7節終了時点で2位に着けていた町田との一戦。 終始ゲームを支配して進めることができたが、なかなか得点が奪えぬまま、後半に失点。 直後にセットプレーから追いついたものの、チームの出来、決定機の数から言うと先制して勝ちきりたい試合だった。 町田対策 DAZNの中継で、ハーフタイムに表示される両チームの平均ポジションを一枚にまとめたものである。 前節新潟戦のものと見比べるとよりわかりやすいはずだ。 この試合、千葉の守備はまず構えるというより、どんど

          第8節FC町田ゼルビア戦(A)1△1

          第7節アルビレックス新潟戦(H)1○0

          安定感2連敗で迎えたホーム新潟戦。 抜群の守備の安定感をベースに危なげなく試合を運び、ほぼラストプレーで決勝点を挙げ、ホーム初勝利。 ボールを支配したのは新潟だったが、ゲームを支配したのは千葉だった。 勝利の要因は、前から行く守備と構える守備の使い分けにあったと思う。 ハイプレスとブロックいつもの布陣で臨んだ千葉に対して、新潟は4−4−2。 特に攻撃時は2列目と前線、インナーラップしたサイドバックのうち3、4人が常時ディフェンスラインと中盤のライン間を伺うような形。 それに

          第7節アルビレックス新潟戦(H)1○0