ジェフ千葉2022シーズン選手寸評(下)
最後に出場時間2000分以上の、いわゆる主力として戦った選手たち。
納得の顔ぶれ。
40.櫻川ソロモン
出場36試合(先発24)、2041分
得点7アシスト3
キャリアハイの成績を残した3年目。
前線で体を張りつづけ、ペナルティエリア内での迫力も出てきた。
限定する守備も忠実にこなし、守備での貢献度も高かった。
センターフォワードに中央のレーンから動かず、最前線に留まることを求める尹晶煥のサッカーではまぎれもないファーストチョイス。
それでも期限付き移籍で武者修行に出ることになったのは、苦手を克服するには至らなかったから。
まず中央レーンの最前線でどっしりかまえて入ってくるボールをレシーブすることはできるが、ライン間やスペースに動いてボールを引き出す動きに乏しい点。
またボールを受けた次の選択肢がパスしかなく、前を向いてゴールを目指せる状況でも背負いつづけてしまう悪癖。
それからペナルティエリア内でもマークを剥がす動きに乏しく、ワンパターンのフィニッシュワーク。
岡山でこれらの欠点を克服してきてくれることを願います。
要はサイズに頼らずサッカーしてくれってことです。そうしないと戻ってきてもポジションないぞ。
18.熊谷アンドリュー
出場29試合(先発27)、2312分
得点1アシスト0
何度かの離脱があったものの、尹晶煥政権下では最長の出場時間。
2019シーズン以来の得点も記録しました。
もはや最大の長所となった激しいボール奪取に加え、ボールを引き取るポジショニングは達人の域。他の選手が視野を確保したりポジションを調整する時間を作ってビルドアップに抜群の安定感をもたらした。
またシーズン序盤はハーフスペースを駆け上がる場面もあり、ファイナルサードで攻撃に関わる姿勢ものぞかせた。このチャレンジは新シーズンも見られるはず。
カードトラブルにだけ気をつけてほしい。
15.チャンミンギュ
出場34試合(先発32)、2892分
得点2アシスト3
センターバックだけでなく中盤とゴールキーパーも務めた。
加入初年度から順調に成長を続けていたが、3年目は正直言って停滞というか、期待していたほどでもなかったかなというのが正直なところ。
というより、2021シーズンが良すぎたか。
グティエレスやら池田やら藤原やら高橋やらとのポジション争いを制することができればステップアップも見えてくると思うので、がんばれ。
4.田口泰士
出場38試合(先発35)、3112分
得点1アシスト4
「田口泰士」と書いて「だいこくばしら」と読む。
すべてを託しすぎて、田口の好不調に左右されるチームになってしまった。
一番印象に残っているのは出しどころを探してキョロキョロとピッチを見渡しながらターンを繰り返す姿。
彼にしかできない役割だったが、彼にやらせる仕事ではない。
言いたいこと伝わりますかね。
それから、セットプレーがある程度整備された中でアシストが4つというのはちょっと物足りない数字。
新シーズンは得点もアシストも倍以上を記録してくれないとちょっと困る。
6.新井一耀
出場39試合(先発38)、3374分
得点8アシスト0
堂々のチーム得点王。
シュート決定率は驚異の32%。
なので得点力にスポットライトが当たりがちだが、センターバックとしても抜群の安定感と存在感でシーズン通じてハイパフォーマンスを披露しつづけた。
特に安定感は過去のシーズンと比べると段違いで、かつては「ポカさえなければ…」という印象だったのが隙のないセンターバックに成長した。
しかもイエローカードは1枚だけ。もともと警告が少ない選手ではあったが、本当にすばらしい。
新シーズン、これ以上の活躍はさすがに難しいとは思うが、数字でもパフォーマンスでもこれ以上を叩き出すことができれば昇格が見えてくる。チームとしてか個人としてかは置いておいて。
10.見木友哉
出場40試合(先発39)、3452分
得点7アシスト3
新10番。
組み立て、崩し、フィニッシュすべてに関わることを求められ、さすがに得点は半減。
好不調の波もあったが、年間通じて試合に出続けられただけでも御の字。それだけ多くのことを求めすぎた。
新シーズンはよりゴールに近いところで、願わくばフィニッシュワークでその力を発揮できるようになればと願ってやまない。
1.新井章太
出場41試合(先発41)、3689分
失点39
シュートストップの安定感は基礎技術の高さゆえ。
また1対1の距離の詰め方、面の作り方が上手い。
幾度となくピンチを救ってみせたが、一方でビルドアップへの貢献は著しく低かった。
大外へのロビングパスでプレスを回避することを求められていたが、このキックのほとんどがタッチラインを割る始末。チームが後ろから繋いでいくことを諦め、ロングボールに頼るようになった要因の一つなのではないかと思う。
そんなこんなで新シーズン、今度はその逃げ道はなさそう。
できないなら選手を代えるしかないのだが、はたして。
ということで、2022シーズンの寸評でした。
一つ言えることは、同じものを見ていても捉え方は人それぞれ、ということです。
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