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起業して1年が経った今に思うこと

自己紹介

はじめまして。株式会社Cosmee代表の伊賀那津子と申します。ご覧いただきありがとうございます。私は2010年に医学部を卒業した後、今まで京都・奈良で皮膚科臨床医として研修を積み、京都大学の皮膚科の大学院で4年間、ヒトのサンプルを用いた皮膚悪性腫瘍の研究を行い、医学博士を取得。その後、上京し、株式会社Cosmeeを2019年4月25日に創業しました。

以下は

・はじめてスタートアップをやろうとしている人
・何か新しいことをはじめたい人
・D2CやSNSマーケティングをやろうとしている

上記のような方に参考になると思います。

なぜ起業しようと思ったのか?

もともと「スタートアップ」「ベンチャー」という言葉すら知らず、日経新聞でさえも読んだことがない私がなぜ起業しようと思ったのか。大学院の4年目の時、今後の進路について悩みました。医師の人生は大きく3パターンにわかれます。


・関連病院で働きながら、ポストについて働く(医長、部長)
・大学病院で勤務しながら、研究を行う
・開業する

おそらく、卒後は1つめ「関連病院で働きながら中間管理職として働く」だろうな、とぼんやり考えていました。当時34歳の私は独身で結婚できる見込みも無く、このまま一人で勤務医として身を埋めていいのだろうか?と思いながら鬱々と過ごしていました。また、結婚することも、子供を作ることもできないのであれば、何か人の役に立つ仕組みを作ることで社会貢献してもよいのではないかとも思っていました。どうせ、結婚できないのであれば、全身全霊をかけて、何か人の役に立つサービスをつくって、社会貢献しよう!という思いで燃えていました。(その3ヶ月後に今の旦那さんと知り合い、半年で結婚しました。それについてはまた後日)。

「ベンチャー」という言葉をはじめて知り、起業に興味をもったのはVoicyのキッズライン代表の経沢香保子さんのラジオでした。そして、それをきっかけに私よりも若い若者が、サービスを立ち上げ、社会を動かしているということを知り、衝撃を受けたのです。

何回も繰り返すように当時の私は新聞はほとんど読まず、世の中のことを何も知らない状況だったので本当にいろいろなことに衝撃を受けました。そして、当時、研究で指導医や周りの友人のおかげで論文は無事アクセプトされたものの、今後何をしていいかわからない私は「起業」することを決意したのです。このような自分勝手な振る舞いで医局から離れることを許可してくださった、京都大学皮膚科の先生方にはご迷惑をおかけしていますが、決めたからこそは達成したいと思っています。

インスタを立ち上げたきっかけ

私は10年間の診療経験を通じて、「スキンケア」の相談をほとんど診察中に受けることができていないな、ということを問題に感じていました。例えば、ニキビの患者には「ディフェリンゲル」と「ヒルドイド」を処方します。ですが、患者さんはいろいろな化粧品を使っていて、それがヒルドイドと使っていいか、ディフェリンと併用してもいいのか、ということもわからず、使っているなーと思いながら漠然と診療していました。相談できない理由は何点かあるのですが、そもそも診察室に威圧感があって肌の相談ができない、男性医師の場合はそもそも化粧品を知らないので聞こうとも思わない、など色々と理由はあると思います。実際保険診療だと短い時間でたくさんの患者をみないといけないということもあり、難しい理由もよくわかります。

また私自身は金銭的な問題からも、美容治療をいままで一切受けたことがないのですが、毎日のスキンケアにお金をかけたことで、ある程度肌の状態を維持できていました。商品名は伏せますが、洗顔、化粧水・乳液・美容液・クリームをそろえるだけで15万円程度かけています。話がそれましたが、「多くの人が正しい知識に基づきスキンケアを選べるサービスを作ろう」と思っていました。今だと顔を写メでとって、アプリで解析して、オススメのスキンケアをすすめるアプリなどもありますね。

サービスを作るうえで、一番の問題としては、私にはエンジニアのスキルがありませんでした。パイソンも初心者向けのprogateを勉強しましたが、やはり実用レベルとはほど遠いです。また苦労してサービスを作っても。ユーザーに需要があるのかもわかりませんでした。とにかく、お客様と接点を作る必要がありました。そこで、InstagramというSNSメディアを立ち上げたら、「多くのお客様と接点がもてて、何が一番求められているのか」ということがわかるのかな、思ったのです。あまりにも単純すぎる考えですが、これがIGA LABの原点です。

当時、「未来食堂」を運営している中高時代の友人の小林せかいさんに「リーンスタートアップ」ということを教えてもらいました。彼女は元クックパッドのエンジニアですが、彼女が言うには、エンジニアは「とりあえずプロダクト」を作ると言うことはしないと教わりました。「一生懸命作っても、誰にも必要とされなかったら悲しいでしょう?だから既存のサービスを使って仮説検証を繰り返すんだよ」と。彼女のアドバイス、私がITサービスを立ち上げずに思いとどまらせてくれたきっかけです。


また、当時古着女子というインスタメディアが「インスタ起業」で話題を呼んでいたこともあり、私は「何もなくてもSNSだけで起業ができるのか」と単純に思い(なんと浅はかな。。)、何も考えずに「スキンケアお役立ち情報」といいうインスタを運営開始しました。また、何かサービスを作るにしても、このユーザー様と相談ながらプロダクトを作れば、調査も兼ねてよいだろう、と思っていました。こちらが、運営してきたインスタです。
https://www.instagram.com/skincare_of_dermatologist/


インスタ立ち上げから18万フォロワーまで

インスタを立ち上げたのは、2018年7月。この頃は大学院生でそもそも学位が取れるのかもわからなかったので、細々とインスタの運営を続けていました。1日に割ける時間は30分程度。当然のごとく、フォロワーは全く伸びません。今は1日平均して500人ずつ増えていますが、当時は1日5人増えた!ラッキー!みたいな感じでやってました。翌日には「1人減ってる」とか。当時はそんな感じでした。2019年4月の時点でもフォロワーは数千人でした。そこからは、どうやったら伸びるのかということをインスタを徹底的に分析し、18万人のフォロワー至ります。このノウハウに関してはまたタイミングみて、お話できればな、と思っています。

なぜD2Cを立ち上げたのか

インスタ運営を通じて、「多くの方が肌の悩みを抱えながらもどうしたらよいかわからない、相談できずに困ってるという」事実から、最初はIT系のサービスを立ち上げたいと考えていましたが、私にはエンジニアのスキルがないので、難しく、また莫大な費用をつぎこんでITサービスを立ち上げたとしてもおそらく、広告モデルで収益を得ることになる。それを本当に私がやりたいのだろうか?と思っていました。それよりも1人1人に寄り添いながら収益を上げていくビジネスモデルがよいのでは?と。当時京都大学のベンチャーの授業を受けていたのですが、VCをされている古我先生に個人的に相談し、「モノづくり」はどうか?という提案をいただきました。「肌トラブルの問題に向き合う」というビジョンを達成するためには、ITでも、モノづくりでもどちらでも良いと感じていました。当時D2Cというものはトレンドだったと思いますが、ニュースすら目を通さない私は「D2C」という言葉を当然知りませんでした。たまたま、自分がやろうとしていることがD2Cだったのだな、と後になって気づきました。

上京してIGA LAB立ち上げまで

そして、D2Cブランドを立ち上げることになったわけですが、当然のことながら右も左もわかりません。スカイランドの木下さんに1回相談にいって、1ヶ月ほどオフィスを使わせてもらっていました。その後、オフィスを出て行くことになり、居場所がなくて困っていたところ、ウェルマーケ社の与田さんに拾っていただき、オフィスに何ヶ月か居候させてもらっていました。本当に感謝してもしきれません。そして壁打ちにも協力してくれた、旦那さんにも感謝しています。

D2CをやるためにはOEM先を探さなければなりません。こちらも何件も回りましたが、人脈やツテも全くない状況で非常に困難を極めましたがようやく決めることができました。次はデザイナー探しです。素晴らしご縁をいただき、デザイナー様にも素晴らしいデザインを作っていただきました。その後、カート探し。カートも色々検討しましたが、EC FORCE様を使わせていただくこととしました。そして、最後にLP制作。
当時はLPという言葉さえも知らなかった私です。LPが大切だ!(当たり前。何言ってるの?と思われるレベルですが、、)ということをいろいろな方に教えていただき、そこからあらゆる化粧品通販の会社のLPを研究しつくした結果、IGA LABに一番あったと思われる世界感を体現しながらも、LPとしての機能も果たすような構成でLPも無事完成。すべての準備を終え、本日の5月1日より先行予約開始です。
機会があれば「ゼロからD2Cを立ち上げるまで」というnoteも書いてみたいと思います。

今後のIGA LABが目指すもの

IGA LABは私の名前「イガ」が入っておりますが「アイジーエーラボ」と読みます。創業者の名前は入れたかったのですが、完全に私個人とは切り離して、「IGA LAB」に成長していただき、1,000億円というドクターズコスメ市場でシェアナンバー1を取れるように頑張りたいと思います。今回は美容液という商品になりましたが、今後は商品を横展開、そして肌質ごとのラインナップを増やしていきたいと思います。「IGA LAB」はお客様に商品を売るだけではなく、「肌トラブル」を解決してもらうために全力でサポートする組織でありたいと思っています。スキンケアだけで改善しないことも多々ありますので、その場合は病院受診や美容医療をお客様に勧めております。弊社ではまだ、商品が1つしかないので、他社の商品をオススメすることもあります。できる限り、お客様の立場に寄り添い、少しでも皆様が自分のありのままの姿に自身が持てるように、今後IGA LABを成長させていきたいと思います。

長文にお付き合いくださり誠にありがとうございました。今後も少しずつ記事を書いていきたいと思います。




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