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ワクチンについてのコミュニケーション

ワクチンについて、日本はここ数十年「こじらせてしまった」経緯があります※。

そのことに触れると、とても長くなってしまうので、ここでは新型コロナウイルスのワクチンについて少しだけ整理してみました(2021年2月17日現在)。

きっかけは、TBSラジオ「荻上チキ・Session」、特集「新型コロナウイルスのワクチン接種について考える」忽那賢志(感染症専門家)×荻上チキ×南部広美」を聞いたことでした。とてもわかりやすく、素晴らしい内容でした。radiko.jpでは1週間ほど聞けると思います。

実は医療従事者でも、副反応にはどんなものがあり、起こる頻度はどれくらいなのか?あまり良くわかっていないために「正しく理解していない」ことに基づく「不安」があるようです。「恐怖や偏見、差別は無知から起こる」、これは昔から言われていることですが、ワクチンも特にその傾向があります。

 特に新型コロナウイルスについては、専門家にとっては2020年2月と、2021年2月とでは、恐怖や不安がまったく違うと思います。

というのも、この1年でとても多くのことが明らかになったからです。むしろ恐怖や不安は、漠然としたものから、ピンポイントでの不安(ワクチンが効かない株が出たらどうしよう、陰謀論など不正確な情報によって適切に感染予防しない人が増えたら収束が長引きそう)などに変化してきてるかもしれません。

私の身近にも陰謀論に傾倒したり、適切な感染予防を否定したりする人が、2020年の夏頃から増えてきました。これは、日本の自殺者が増えてきたのが7月ですから、日本の多くの人(私を含め)は7月頃から心がとても不安定な状態になっているのではないか。そのせいで、判断力が低下しているのではないか。心の状態と判断力との間に、なんらかの関連があるのではないかと見守っています。

 うつ病や双極性障害の本などには、体調が悪いときは「重大な決断をしないように」などと書かれています。マスクやソーシャルディスタンスなどのように行動が制限され、体調が「不安定」という意味では、私たちは似たような状態になっているのかと感じます。私自身もこのコロナ禍では、等しく影響を受けていますし、まずは私も日頃から自分の心の状態などに耳を傾けるようにしたいと思っています。

医師の國松先生は、「雑談、情報遮断、要らない数字は見ない…『コロナそらし』という考え方」も良いのではないかと提案しています。私も雑談は一番こころが喜ぶと思っています。それでも雑談だけではコロナ禍が終わってくれないので、この「禍」というストレスの長期化がもたらす影響は計り知れません。

・国松淳和『コロナのせいにしてみよう。シャムズの話』

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2021年2月、正しい情報がきちんと伝わっていないことを心配した医師たちで結成した「こびナビ」サイトも今月公開されました。千葉大学病院の医師らのグループが、ワクチン接種への理解を深めようと、日々の業務の合間を縫って作り上げてきたものです。

吉村健佑 医師
「周りの医師や看護師に話を聞いてみたところ、適切でない情報に影響を受け、有効性や安全性を充分に正確に把握していない人もいました。いち早く接種を受ける医療従事者が正しく情報を得て同意して接種するという環境を示すことができたら、それ以外の人たちも安心して接種する人が多いのではないかと思います」

こびナビ(COVID-19のナビゲーションサイト)

分断された世界といわれて久しいですが、ワクチンこそ双方向のコニュニケーションが必要で、そして誰もがその立ち位置を問われ、また感染症が収束に向かうための重要な人類の英知であることは、歴史を振り返ると明らかです。ワクチンを打つ、打たないは、打ちたくてもやむを得ず打てない、子どもを生まない、生み育てる、生みたくても生めないこと、そうしたことと同じように個人の人生の問題であると同時に、公衆衛生の重要な課題でもあります。こうしたことをきっかけに、また人々がいきいきと自分の意見を話すことができ、また人の意見に耳を傾けることができ、また互いにより適切な科学の英知を身につけることを願っています。

・社会科学、自然科学の両方を学んできた私に今できることとして、できるだけ信頼できる情報を転載しました。


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