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『新感染 ファイナル・エクスプレス』極限の窮地の中で vol.729
いわゆるよくあるゾンビもの映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』。
冒頭の鹿がよみがえるところはよく切り抜かれて使われているので、見たことがある人もいるかもしれません。
新感染と新幹線がかかっているかどうかは分かりません。
この映画を観ての感想を書いていきます。
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ソウルでファンドマネージャーとして働くソグは妻と別居中で、まだ幼いひとり娘のスアンと暮らしている。スアンは誕生日にプサンにいる母親にひとりで会いにいくと言い出し、ソグは仕方なく娘をプサンまで送り届けることに。ソウルを出発してプサンに向かう高速鉄道KTXに乗車したソグとスアンだったが、直前にソウル駅周辺で不審な騒ぎが起こっていた。そして2人の乗ったKTX101号にも、謎のウィルスに感染したひとりの女が転がり込んでいた。主人公のソグ親子のほか、妊婦と夫、野球部の高校生たち、身勝手な中年サラリーマンなど、さまざまな乗客たちが、感染者に捕らわれれば死が待ち受けるという極限状態の中で、生き残りをかけて決死の戦いに挑み、それぞれの人間ドラマが描かれる。
顕著に表れる人間性
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ゾンビものの映画であるために、非常に多くの人が死んでいきます。
嚙まれてしまえば自分も感染して死んでしまう。
そんな極限状態の中での生き残りサバイバルです。
それぞれに守りたいものがあったり、自分の命を最優先に考えたり。
人を思う余裕などほとんどの人が持ち合わせていません。
だからこそ、そういった極限状態の中で人間性が露骨に表れます。
野球部の子はとにかく仲間を思い、夫は当然妊婦のことを命がけで守ります。
自分勝手なサラリーマンはとにかく自分のことだけ、誰かが傷つこうが構わない、自分の命だけを大事に行動するわけです。
果たして自分がこの状況下にいたらどんな人間性が出てしまうのか。
そこに少し不安を覚えました。
何を大切にすべきか
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こんな危機的状況になったとき、何を大事にすればいいのでしょうか。
映画に出る人物もそれぞれ自分の命を最優先に考える者もいれば、妊娠している奥さんを大事にしつつも人の子の面倒を見ようとする者もいます。
一方で子どもは年寄りのおばあさんを自分の身を挺して守ってあげようとします。
何が正しいということはないのかもしれませんが、誰かに自分の命を大切にしてほしいときに、その人がほかの何かに命を懸けようとしているのを見たらどんな気持ちになるのでしょうか。
例えほかの人なんてどうでもいいから、あなたは自分の命を大切にしてくれと強要してしまうかもしれません。
例え親子で会ってもその価値観は違いましたから。
常ではない日常を思って
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私たちの生きる世界にゾンビがあふれかえる。
そんなことは正直あまり想像ができませんが、何かしらのパンデミックなんてものはいつ起きてもおかしくありません。
それこそ、少しずつ日常が戻ってきて徐々に徐々に記憶からもなくなっていくであろうコロナもその一例でしょう。
日常が日常でなくなる瞬間はもしかしたら急にやってくるのかもしれません。
そう思ったとき、この日常をどのように過ごしていくべきなのか。
そんなことを改めて考えさせられた映画でした。
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