『ゲーム』弟よ、兄に何を求める? vpl.673
もしも、地位も名誉もお金も手元にあまりあるほどの人生だったら、何を欲しがるでしょうか。
私はこの映画の本質的な部分は読み取れなかったのかもしれません。
最後の最後まで弟のコンラッドがゲームの招待状を兄に渡した理由がいまいちピンと来ませんでした。
今日はそんなゲームという映画を見ての感想を書きます。
世の中は地位や権力、お金ではない
弟は何を兄に求めてこのゲームの招待状を送ったのでしょうか。
私は、なんとなく、世の中はお金だけでは回らず人と人の暖かなつながりや助け合いが必要なんだということを伝えたかったのかなと感じました。
どんなにお金を持っていてお得意さんがいたとしても、全てを失った時は誰も周りは助けてくれない。
それどころか、お金に目が眩み早々と自分の元を去っていってしまう。
そんなことを兄に気づいて欲しくて、こんなことをしたのではないでしょうか。
もしくは、単純に何も変わらない日々に退屈をしている全てを持っている兄に、何かを与えるというハードルを超えるゲームを弟自身もしていたのかもしれません。
何にせよいけすかねーなーと感じてしまった映画でした。
結果は何も変わらない
最終的にニコラスは一旦自らの死を選ぶという選択をしました。
しかし、最終的には何も変わらないのではないかなというのが私の見解です。
一時的にやはり人のつながりは大事だなとか、自分には見えていなかった世界が見えるようになったなとなったとしても、それは長くは続きません。
自発的に発生した感情ではなく、外発的に発生した感情、誰かに突き動かされて変わった行動はそんなに長くは続きません。
おそらくニコラスの生活は元通りになります。
環境が元に戻れば、当然変化した兆しを見せた感情も1日1日と時間が経てば戻っていくことでしょう。
感情を弄ぶゲーム
これは一見、ニコラスを手のひらで踊らせるゲームのように感じるかもしれませんが、我々自身が映画を見て踊らされているのかもしれません。
爽快に感じる部分もあれば、なんだか胸糞が悪く感じる部分もあり。
感情はどこか落ち着かず、自分自身を当てはめて考えるとヒヤッとさせられたり。
ニコラスほどの金持ちではないですが、私たちもどこかお金に対する安心感を感じる瞬間があったり、権威性を保持しようとしたりといった側面もあります。
そんな時、もしそれがある瞬間から崩れ去っていくのを感じたら。
そんなことを考えさせられる映画でした。
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