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『ペーパーハウス』正義はどこにあるか vol.214
ネットフリックスのスペインドラマ『ペーパーハウス』
パッと見て見ればただの強盗集団のドラマですが、細かいところまで精巧につくられております。
また、非常に多くの心理戦が仕込まれており、強盗にも警察側にも感情移入してしまう、1話1話食い入るように非常に楽しんで見ることができます。
そんなペーパーハウスもつい先日に最終章がアップロードされ、無事に終了しました。
全話をほとんど一気に見ていって、私の感じたことや想ったことをまとめていきます。
どちらが正義??
この映画を見ていると、強盗団が時々正義の味方のようにも見えてきます。
確かに強盗というとやっていることは非道で許されがたいことではあります。
しかし、彼らは自分の信念に従って強盗をやっているからこそ、その生きざまは非常にきれいに儚く見えるのです。
彼らが史上最大の強盗、スペイン王立造幣局を狙った強盗をするのにはそれぞれ理由があります。
これまで苦労させてしまい、自分でも大変な犯罪に手を染めてしまった息子を助けるため、生き別れてしまった息子といつか出会うため、恋人が死に追いやられ、自分の業を背負うもの。
そして、父の宿命を背負い、達成できなかった強盗を実現する者。
誰もが必要な過去を持っているのです。
そして、彼らの強盗は恐ろしく紳士的です。
殺しは基本的にしないことをモットーに掲げて、強盗をするため友好的にすら見えてきてしまうのです。
スペインの情熱
このドラマはスペインドラマであるため、スペインが舞台となっており、俳優さんもスペイン語で役を演じます。
ドラマの随所随所で出てくる音楽もスペインにふさわしい曲、そしてダンス、歌とまさに情熱の国と表現するに値するシーンがあります。
インド映画で最後にダンスが取り入れられるように、その国の文化や大切にしていることが見えてくるため、ただ単純にドラマを楽しむ以上の楽しみがあります。
そして、自然とそれらに取り込まれて行ってしまい、ドラマのとりこになるのです。
さらに面白いのはそこだけにとどまりません。
歌やダンス、曲といった映画を分かりやすく楽しませる表現以上に私が情熱を感じたのは、その言葉遣い。
秀逸かつ、上品、そして熱い言葉がたくさん出てくるのです。
共感と納得、そしてWinWin
ドラマを見ていくと、ドラマが強盗目線で描かれているので当然ですが、自然と私たちは強盗側に感情移入をしていきます。
そして、それはドラマに出てくる観衆も同じです。
これは、強盗団が観衆や警察、人質に共感して寄り添うからこそです。
そして共感することで、話も通じやすくなり、そこには納得が生まれるのです。
あまり詳細に書きすぎてしまうと、このドラマを見る楽しみもなくなってしまいますので、ここまでにしますが、このペーパーハウスの最後のシーンを見れば、誰もが納得することでしょう。
納得は説得とは異なります。
相手の心からの同意を得ているのです。
だからこそ、この強盗団には常にWinWinがあります。
自分たちだけが幸福になるという考えはほとんどないのです。
これが、見る人をも惹きつけ楽しませてくれる最大の要員でしょう。
ペーパーハウスは、シーズン5まであります。
最初から最後まで、ドキドキハラハラで楽しみ尽くせるので、ぜひ見てみてください。
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