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授業作りを構造化してみた

私が教員になって最も時間を割いてきたのは、授業研究&準備です。

これが楽しくて教員をやっていると言っても過言ではありません。

幼少期から人に何かを教えると言うことで生まれる満足感と、教えたことで共同できる人が増え、そこから共創が生まれるという知の輪を広げる感覚がたまらなく好きでした。

そんな私が、1つ1つの授業を作る際に心がけていることをまとめてみました。

あっ、これがクリティカルシンキングなんだ!

クエスチョン

理科の授業には非常にたくさんの疑問点や、気づき、学びがあります。

そしてそれらの表面的な答えが教科書に載っています。

こう言ってしまえば怒られてしまうかも知れませんが、実に表面的です。

簡単な例で言うと、中学2年生の化学分野の人気実験である”カルメ焼きの作成”。

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カルメ焼きの作成時には、重曹を扱います。

この重曹の中に含まれる二酸化炭素が発生することによって、カルメ焼きの中に二酸化炭素が逃げ出した時に空洞ができ、膨らむのです。

多くの教員は、教科書に載っているこの部分だけを中心的に扱うことでしょう。

しかし、この実験で本当にそんなことまで分かるのでしょうか?

この疑いの視点こそがクリティカルシンキングです。

私はこの鵜呑みにしない授業作りを日常的に行なっています。

例えば、なぜカルメ焼きの作成で発生したものが二酸化炭素だと分かるのか、一緒に発生した水はどこに行ったのか?なぜ、加熱が必要なのか?なぜ、卵白を利用するのか?なぜ、、、。

挙げればきりがありません。しかしこの視点の中に、本当に科学は隠れているのです。

なぜ加熱が必要なのか?という点に焦点を当てれば、その先の”加熱分解”と言う考え方が出てきます。

また、発生した気体もこの実験だけでは二酸化炭素と特定することはできません。

このなぜ?の追求こそが学びの本質であり、授業でフォーカスする部分なのです。

教員は勉強させるのではなく指導する

矢印看板

ここまでは第1ステップです。

まだ理想的な授業の入り口にも立っていません。

なぜなら、この考え方をどのように授業で扱うかで、生徒の思考が変化するからです。

数年前の私はちょうどここで、失敗をしました。

教材研究によって自分の知り得た知識や学びを、そのまま生徒に横流ししてしまったのです。

確かにスライドやストーリーなどをつけて、伝わりやすいようには工夫しましたが、あくまでもそれは1方向の伝達力を強めただけで、いわゆるチョーク&トーク型の授業と対して変わりはありません。

自分でも一番嫌いな勉めることを強いる授業をしていたのです。

これではせっかくの面白く深い知識も、ごく一部の生徒に伝わるかも知れませんが、感じてもらうことは不可能です。

それからは、ひたすら授業法の勉強をしました。どうすれば生徒の反応が良くなるのか、生徒の活動を促進できるのか、どうすれば楽しくなるのか。

そうして少しずつ、できることが増えてきたときに、自分の頭の中に散らばっていたピースが組み合わさるように、授業の骨組みが出来上がるようになりました。

まず、必ず自分が”深く”理解する。そして、その思考回路を見える化する。

だから、自分自身がクリティカルシンキングを鍛える必要がありますし、見せ方も工夫する必要があります。

見える化をすれば、ゴールも定まりそこに行きつくまでの論理的思考プロセスが分かります。

あとは、その道筋を生徒にたどらせるだけでいいのです。

ただし、そう簡単に生徒はその道筋をたどってくれません。回り道をすることもあれば、休憩もするし、違うゴールへと走り出してしまう子もいます。

でも、それが授業で同じ場で全員で学ぶ意義だと考えています。

そのあふれ出た知識を一繋ぎにまとめていくのが、教員の力量の見せ所です。

結局は学びと自己投資

成長

ですから、まずは学び続ける姿勢が大切なのです。

学びを自分から手繰り寄せて身銭を切って自己投資していく。

そうすると自分の中でも覚悟が決まり、その学びの質も一層高くなります。

構造化と言いつつも、全体像しか見えなかったのは生徒にも環境にも単元にも理想の授業の型は左右されるからかもしれません。

生徒へ学びを促進する授業をする教員が、一番勉強をするべき存在なのです。


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