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『翔んで埼玉』意外と世の中の風刺画になっている? vol.286
話題に挙がることは多かったけど、まだ見たことがなかったシリーズの『翔んで埼玉』。
この映画を見て、初めてもともとあった漫画を実写映画化したのを知りました。
それにしても、口が埼玉になるって、、、笑。
コメディでもあるこの映画、見ての感想を書いていきます。
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かつて東京都民からひどい迫害を受けた埼玉県民は、身を潜めてひっそりと暮らしていた。東京都知事の息子で、東京のトップ高校である白鵬堂学院の生徒会長を務める壇ノ浦百美は、ある日、アメリカ帰りで容姿端麗な謎の転校生・麻実麗と出会う。百美は麻実に淡い恋心を抱き、互いに惹かれあっていく。しかし、麻実が埼玉県出身であったという衝撃の事実を百美が知ってしまい、2人は東京と埼玉の県境で引き裂かれることとなってしまうが……。
圧倒的差別も当たり前
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作中で共通して終始描かれているのが、圧倒的東京の存在感、価値、強さと、それ以外の関東県の圧倒的差別。
埼玉の土地名を聞くだけで、倒れそうになる。
「埼玉なんて言ってるだけで口が埼玉になるわ!」
東京に行くには通行手形が必要。
「埼玉県人には(病人に医務室を使わせないため)そこらへんの草でも食わせておけ!」
「埼玉が移ってしまいます。」
など、コメディ要素が入りながらもついつい笑ってしまう部分がたくさんありました。
しかし、私たちがこれを笑えているのは、これがコメディだと理解しているから。
埼玉県人からしたら、この映画はどのように写っているのでしょうか?
また、本当にこの世界に自分が入り込んだ時、正気を保っていられるのでしょうか。
この映画の中では、東京が素晴らしい、それ以外は奴隷同然。
これが当たり前です。
もしかしたら、私たちの生活の中にも当たり前になっているだけで、多くの差別があるのかもしれません。
例えば、イチロー選手は幼少期からプロ野球選手になどなれるはずはない、そんなの無理だと言われ続けてきました。
今では、イチロー選手がプロでないという人は誰一人としていないでしょう。
幼少期のイチロー選手にそんなの無理だと当たり前のようにいっていた人たちはどこに言ったのでしょうか?
当たり前、絶対と確信していても、実はそれすらも疑うべきことなのかもしれません。
これってサブリミナル効果?
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最後、都市伝説として現代社会からラジオの話に耳を傾ける形で、進んでいたこの話は実は本当の話だったと分かります。
埼玉は知らず知らずのうちに、全国各地へと規模を拡大しており気付けば生活の一部へと参入していたのでした。
そしてそれこそが日本埼玉化計画だったのです。
何とも言えない、ダサいよくわからない設定ではありますが、そこは控えめに行かずに天下を取りに行くのかと感じました。
反骨精神の教訓となる映画に見えて、権力主義で最後は終了する。
不思議な映画でした。
この映画を見て何かを学んだ、理解した、考えたということはほとんどありませんでしたが、20年も前の漫画を現代の風潮に合わせて違和感なくリメイクできる、その演出力にただただ度肝を抜かれました。
両方の時代、そして作品に対しての想いがないとなかなかできないこと。
改めて、映画というものは監督者の想いが募るのだなと感じました。
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