『FirstLOVE』夢は夢のままで、でも夢を掴みたくて vol.670
メディアでも取り上げられるほど、いろんなところで噂になっていたNetflix配信ドラマ。
『First Love』一気に見たわけではないですが、半年くらいかけてゆっくりと見てきました。
個人的には満島ひかりが好きなので、飽きずに最後まで見切れましたが、ドラマらしいドラマで面白かったです。
このドラマを見ての感想を書いていきます。
記憶という残酷な置き物
このストーリーは誰が主人公だったのでしょうか。
私的には佐藤健が演じる晴道が主人公のように感じました。
彼は記憶がある中で記憶がなくなっているかつての運命の人と感じる人と出会ってしまいます。
自分は記憶があるけど、相手は記憶はない。
話したいことは山ほどあるはずなのに、話せない。
自分は今はもうすでに新しいパートナーがいるのに、忘れられない。
さまざまな葛藤を抱えた中でのFirst Loveを想起してしまっているのでしょう。
最後、2人は記憶が戻らないままに恋人関係になり得るであろう場面がありました。
しかし、その場所に晴道は結局のところ訪れませんでした。
彼にとっては、記憶の戻っていない中での恋愛はFirst Loveではなく、居た堪れない気持ちがあったのかもしれないと感じました。
自分と重ねて追いかける
晴道と也英の恋愛と同時に、その子ども世代の恋愛も並走します。
也英の子とひょんなことで知り合った晴道。
そんな也英の子が好きなのは、晴道がいつも警備員として働いている場所で密かにダンスを練習している駆け出しの子だったわけです。
晴道と也英は無意識にその2人の恋に自分を重ねます。
そして、自分の過去と後悔を思い出すわけです。
自分と重ねて考えることで、今の自分自身の行動を思い改めて、また行動に駆られていくのです。
人は誰か別の人と関わることで、また新しく気づき、成長できる。
そんなことを感じます。
夢を追いかけながら夢をみる
最終的には也英も記憶を思い返しますが、その頃には晴道は先に以前に話していた2人の夢を思い描きながら実現しに向かいます。
そこに也英の姿はありません。
晴道からすれば、もう記憶は戻らないと思ったのかもしれません。
そして、自分だけは以前の夢を思いながらそこを辿ろうと決断したのでしょう。
もしかしたら、也英の記憶が戻ることを分かった上で先にその土台を作るために旅だったのかもしれません。
どちらにせよ、2人の中には幾つになっても捨てがたい大事な思い出、そして夢があり続けたのです。
もしかしたら、現実的にはこんな恋愛はありえないのかもしれません。
しかし、そんなありえないを潜り抜けた2人だからこそ、恋愛の理想像としてこのように気持ちよく受け入れられたのかもしれません。
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