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『ロードオブザリング王の帰還』行き着いた未来は幸せだったのか vol.523

三部作品の最後の映画、『ロードオブザリング王の帰還』。

これまでの感想はこちらをご覧ください。

壮絶な冒険を無事に終えての最後となります。

邪悪な力を持つ指輪を滅びの山に捨てるべく旅を続けるフロドとサムだったが、同行するゴラムの策略にはまり仲を裂かれてしまう。一方、ヘルム峡谷の戦いで思わぬ敗北を喫したサウロン軍は、総力を結集して人間の国ゴンドールを襲撃。ガンダルフやアラゴルンら旅の仲間たちがこれに立ち向かう。

https://eiga.com/movie/1804/

逆境の中においても

映画の中において、幾度と重なる試練と逆境。

何度負け戦に立ち向かうんだというヒヤヒヤ感と、それでもなんとかしてくれるんじゃないかという期待。

自分がもしその場にいたときに、同じように振る舞えるのかどうか。

そんな自問自答をしていました。

自分の死を持ってしてでも、世界を救おうとする覚悟。

この映画の主人公級の人物には皆共通してそのような感情が見られました。

それはもう仲間を信じる感情というよりかは、自分の死を選ぶか信念を選ぶかの2択。

そんな感じもします。

死んでまで自分の信念や覚悟を守り切れるのか。

大きな視点で世界を観れるかどうか

この映画の中で、そんな自分の信念や覚悟を守りきれていた人物に共通しているのは、視点の違いだと感じました。

自分の目の前よりも大きなものが見えているのかどうか。

例えば、今目の前には大きな敵、自分には全くもって敵わない敵がいるから、ここで諦めようとするのは簡単です。

しかし、その先に待っているのはそこで戦って負けるよりもより酷い世界。

取り返しのつかない世界です。

ここをしっかりと見越して、今ここで自分がやらなければ何もなくなってしまうという大きな世界を見る目があるかないかが、分かれ目になっているのでしょう。

今の私自身の現状においても同じかもしれません。

目の前の途方もないミクロな問題に突き当たっているときに、教育という大きなものを見たときに、そこを救おうと少しでもよくしようと動けるのか。

そしてその大きな世界を変えようと強い意志で動けるのかどうか、そこに全てがかかっているのでしょう。

行き着いたところに何を感じるのか

最終的にサウロンは息絶え、平和な世界がやってきます。

しかしそれでも全てがハッピーエンドとは言えないように感じました。

指輪に翻弄され、自分自身を何度も失いかけ、のちに引きずる大きな傷を負ってまで試練を達成させたフロドの不遇な人生を見たとき、それが幸せだったとは到底思えないからです。

彼は本当にこれでよかったと思えているのか、実際に自分がやらなければいけなかったと心から思えているのかどうか。

疑問に感じるばかりです。

もしかしたら、もっと別の道もあったのではないでしょうか。

そんな心残りがあります。

最後、世界は救われました。

しかし、見方を変えればフロドは自分を犠牲にしたことにもなります。

ただ単純にハッピーエンドで終わらせては行けない何かがここにはあるのだと思いました。

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