見出し画像

スキルの棚卸をしていますか?

   調査で分かった、日本のスキル意識

スキルとは「何かができる力」のこと、つまり、個人の能力や強みを意味します。「個人のエンパワーメント」を目的として活動するIFLATsは、スキルに関する意識調査を実施しました(2020年10月)。調査時点に仕事をしていて収入を得ている30-49歳の男女1367人を対象とし、「スキル整理経験の有無」「スキルの整理方法」「スキルはどのように得るものか」等について尋ねました。
    この結果から、全体的に「スキル」に関する意識・認識は高くはない状況が見て取れました。企業と個人が「価値の交換」をするという視点で「働く」ことを見たときに、個人側からの価値提供の手段であるスキルの説明をする準備が整っていないこと自体が社会課題の一つと言えるでしょう。改善に向けた最初の一歩として、スキルの棚卸の重要性が見て取れます。
    スキルの整理においても、自分自身で行っているケースが大半を占め、勤務先やキャリアコンサルタント、周囲の人も含めて、客観的なフィードバックを得ている人は極めて少ないということもわかりました。
1. スキルの整理経験について対象者全員(n=1367)についてお尋ねしました。その結果、「定期的に整理」と「必要に迫られて整理」のスキル整理経験者が全体の31.1%という結果になりました。

画像1

2. 全体の3%にあたるスキル整理を行っている人(n=428)の整理方法は「自分で整理している」が圧倒的に高く70%を占め、続く「勤務先の業績評価やフィードバックを通じて整理している」が25%弱となりました。自主的に外部のツールを使って整理している人はまだまだ少数であることがわかりました。(複数回答)

画像2

3. スキル習得の考え方について、対象者全員(n=1367)に尋ねたところ、半数を超えたのは、「同じ種類の業務経験を積み重ねる」「新たな業務経験をする」のみで、学業や学習が4割弱、遊びや趣味は2割、スポーツは1割強でした。スキルが仕事以外の日常生活の中でも身につくという認識は、まだあまり共有されていないことが分かりました。(複数回答)

画像3

 事例として家事の一つである食事を考えてみましょう。まず、いつ、何を、どこで、どのようにして食べるのかを決めなくてなりません。健康のことまで意識してメニューを選ぶ人もいれば、目の前にある店で買うという人もいるでしょう。お腹の好き具合、今いる場所や食事に使える時間配分などを検討して、総合的に判断するというプロセスを誰もが無意識にしています。食事1つとってみても、多くの人が「状況適応力」や「意思決定力」を日々の暮らしの中で常に発揮し続けています。新しいメニューを作ってみるなら「創造的思考力」も試されるかもしれません。誰かと一緒に会話をしながら食べたら「共感力」が鍛えられることもありえるでしょう。

一方で、仕事という面から「状況適応力」「意思決定力」を考えてみましょう。求められるスキルとして違和感はあまり覚えないかもしれません。「創造的思考力」「共感力」についてはどうでしょうか?一部業種では確実に求められますが、一部ではそうではないと回答される方もいらっしゃるでしょう。

こうしてみてみると、日々の暮らしにも仕事にも共通して使えるスキル、つまり汎用性の高いスキルがあることがわかります。

個人と経験

 IFLATsでは、長期的な視点でみたときに、汎用性の高いスキルこそ重要であると考えています。理由は「基礎があれば、応用は可能」になり、基礎無しには応用はできないからです。汎用性の高いスキルを強めることで、自身がすでに身に着けている業務専門スキルを最大限に生かすことができるようになります。また、基礎力、つまり汎用性の高いスキルを体得していれば、新しい職業や新しい学びにチャレンジすることで、これまでとは違う業務専門スキルを身に着けることは、何歳からでもできるのです。

 その考えに基づき、汎用性の高い二つのスキル①ソーシャルスキルと②ポータブルビジネススキルに注目をした、ウエブサービス「PRAIL(プレイル)」のβ版を11月25日に公開しました。経験の蓄積と周囲からのサポートにより「自分のスキルを知り、伝える」ことで、個人の力を高めるためのサービスです。

PRAIL―スキルを自分の現在と未来へつなげるために


 PRAILはスキルを通じてお互いを応援し合い、「スキルをつなげるツール」となることを目指しています。


 「PRAIL」β版は、個人が、仕事や趣意、地域活動、家事、育児等、何かしらの活動を経験する度に、同じ目的を共有し、時間を共に過ごした関係者から、その場で自分が発揮していたスキルに対するフィードバックをもらうことができます。フィードバックは選択式による肯定的な表現で構成しています。ユーザーは一緒に活動をした他者からのフィードバックを受け取ることで、客観的に自分の強みを知ることができます。多種にわたる経験の記録を重ね、多様な人からフィードバックを受け取ることで、自分自身のスキルを多面的に認識する機会が増えていきます。

 ユーザーが「スキルを軸としたコミュニケーションを通じて人とつながる」ことに加え、「過去に発揮したスキルを現在と未来の自分へつなげる」きっかけを提供するのが「PRAIL」です。

画像5

PRAILβ版は無料で、下記のリンクからアクセスいただけます。

スキルのセルフチェックをお試しいただき、ご感想等お聞かせください。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?