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インド映画 公開・上映予定(2019年9月5日更新)

9月から10月は、インド映画祭りにナマステ・インディア、新年を祝う灯明祭り「ディワリ」など通常でもイベントが多い月なのに、今年は劇場公開作品も増え、時間も家計のやりくりも大変。けれども見逃せない作品ばかりが上映されるので、家計負担のジレンマと葛藤しつつ、インド映画ファンにとっては夢のような日々ですね。

〔まもなく公開〕

■『ヒンディー・ミディアム』 9月6日〔金〕公開

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学歴コンプレックスがあるミドルクラスの夫婦が、娘に良い教育をつけたいと、お受験に挑戦するが全滅。合格を勝ち取るため受験予備校に通ったり、低所得者向けの入学枠を狙うために引っ越したりとあらゆる手を尽くして受験に挑むが・・・。ベースになっているのは、父親の最終学位が文学学士号しかないために娘の入学が拒否され、娘の受験のためだけにMBAコースに入り直したというインド人男性の実話だというので驚き。説明不要のイルファーン・カーンと、パキスタンのドラマで大活躍のサバー・カマルのドタバタ夫婦がいい味出してます。中国での大ヒットにうなづける良作。インド映画業界は北南越境して活躍する映画人が多いけれど、全ての言語に長けた人は少ないので、他言語エリアでは英語で話すのが常。それを知っていると、かの国ではいかに英語が重要かを汲み取れます。蛇足ですが、日本製インド映画『ナトゥ』で銀幕デビューした、ネーハー・ドゥピアがママ友役で出演しています。

原題:Hindi Medium(ヒンディー語/2017年作品)
監督:サケート・チョードリー(結婚の裏側)
出演:イルファーン・カーン(めぐり逢わせのお弁当)、サバー・カマル、ディーパク・ドブリヤル(プレーム兄貴、お城へ行く)

9月6日(金)より、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開。

〔公開中〕

■『シークレット・スーパースター』

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アーミル・カーンのマネージャーだったアドヴェイト・チャンダンの監督デビュー作。母を助けたいと歌手を志す少女はブルカを被り「シークレット・スーパースター」としてYouTubeで歌手デビューする。『ダンガル』で主人公の幼少期を演じたザーイラ・ワスィーム主演、母役は、『バジュランギおじさんと、小さな迷子』でも迷子の母を演じたメヘル・ヴィジュ。アーミル・カーンがナイスな音楽プロデュサー役で出演。大好評公開中。残念ながら、日本公開前にザーイラが俳優引退を宣言したけれど、その心境を推し量るにはパンフレットに寄せられた関口真里さんの文章が参考になります。高校生がアイドルになれる国と、それほど事情が異なるとは。

原題:Secret Superstar(ヒンディー語/2017年作品)
監督:アドヴェイト・チャンダン
出演:ザーイラ・ワスィーム、メヘル・ヴィジュ/アーミル・カーン
音楽:アミト・トリヴェーディー
8月9日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで上映中

■『あなたの名前を呼べたなら』

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未亡人の家政婦ラトナと結婚が破談になった雇用主のアーシュヴィン。ラトナの〝お願いごと〟をきっかけに二人の気持ちが寄り添い始めるが、身分差は超えられない。ロヘナ・ゲラが常々感じてきた、インドの階級社会を問う作品。長編デビュー作ながらもカンヌ国際映画祭でガン財団普及援助賞を受賞。身分違いの恋がいかに非現実的かは、大ヒットした社会派ドラマ『Sairat』(マラーティー映画/2016)と比較すると分かり易いかも。同作はかなり衝撃的な内容。ヒロインにわずかばかりでも慈悲をかける例ならば、皇帝と踊り子の恋を描いた『Mughal-E-Azam』(1960)もありました。それらの作品と比較すれば、リアリティ溢れる描写ながら、本作はスーパー・フィクションと捉えるべき作品なのかもしれません。

原題:Sir(英語・ヒンディー語・マラーティー語/仏印合作/2017年作品)
監督:ロヘナ・ゲラ
出演:ティロタマ・ショーム(モンスーン・ウェディング、ヒンディー・ミディアム)、ヴィヴェーク・ゴーンバル(裁き)
挿入歌:Raghav Vaghav
8月2日(金)よりBunkamuraル・シネマほかで公開中。

【特集上映】

■あまや座(茨城県那珂市瓜連)インド映画特集 

・開催期間:8月31日(土)から9月20日(金)
珠玉のインド映画セレクションを一挙上映。期間中、トークイベントやマサラ上映あり。

《上映作品》
・ヒンディー映画『バジュランギおじさんと、小さな迷子』『パドマーワト 女神の誕生』『サンジュ/SANJU』『マダム・イン・ニューヨーク』
・ベンガル映画『チャルラータ』『ビッグ・シティ』(サタジット・レイ監督作品)
・テルグ映画『あなたがいてこそ』『バーフバリ 王の凱旋(完全版)』

■インディアンムービーウィーク

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開催期間:9月6日(金)から26日(木)
今年1月に公開され大ヒットしたタミル映画『ペーッタ』や『永遠の絆』、18年公開の、タミルナードゥ州の政治をテーマにした『サルカール 1票の革命』、DVD未発売の『フライング・ジャット』など、見逃せない話題作計11作品を日本語字幕にて上映。特に、タミル映画の充実ぶりはすばらしい。今年2月現地公開のカンナダ映画『ベルボトム』もかなりユニーク。「ビリヤニ映画」『ウスタード・ホテル』は感動作。

[上映作品]・タミル映画『サルカール 1票の革命(原題:Sarkar)』(18)、『カーラ 黒い砦の戦い(原題:Kaala)』(18)、『ペーッタ(原題:Petta)』(19)、『永遠の絆(原題:Viswasam)』(19)、『’96(原題:'96)』(18)
・ヒンディー映画『フライング・ジャット(原題:A Flying Jatt)』(16)、『弁護士ジョリー2~真実を白日のもとに(原題:Jolly LL.B 2)』(17)、『バレーリーのバルフィ(原題:Bareilly Ki Barfi)』(17)、『ジェントルマン(A Gentleman)』(17)
・カンナダ映画『ベルボトム(原題:Bell Bottom)』(19)
・マラヤーラム映画『ウスタード・ホテル(原題:Ustad Hotel)』(12)
会場:キネカ大森
チケット:1,800円均一(劇場窓口、チケットぴあにて販売中)
主催:SPACEBOX

■インド大映画祭

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[上映作品]・タミル映画『ヴィクラムとヴェーダー』(2017)、『百発百中 -Ghilli』(2004)、『リンガー』(2014)、『24』(2016)、『セードゥ(Sethu)』(1999)、マラヤーラム映画『眠り(Nidra)』(2012)、テルグ映画『バーガマティ(Baagamathi)』(18)を上映。
開催期間:9月7日(土)~20日(金)
会場:大阪シネ・ヌーヴォ

■魅惑のテルグ映画:スッバラージュ編

『バーフバリ』人気で火が点いたテルグ映画の自主上映回、今回は、「クマラ」役で人気が沸騰したスッバラージュ出演作品を特集。

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[魅惑のテルグ映画上映作品]
・F2 Fun and Frustration(2019年作品)/監督 Anil Ravipudi/出演:ダッグバーティ・ヴェンカテーシュ、ワルン・テージ、タマンナー、メヘリーン・カウル・ピルザーダー/音楽:Devi Sri Prasad
お見合いで結婚した夫婦と、自由恋愛で結婚した夫婦のドタバタコメディー。今年1月公開後、意外な大ヒットとなった作品。

・D.J. Duvvada Jagannadham (2017年作品)/監督:ハリーシュ・シャンカル/出演:アッル・アルジュン、プージャー・ヘグデ/音楽:Devi Sri Prasad
バラモン僧侶の裏の顔は、泣く子も黙る仕置人。

開催日:9月8日(日)
会場:SKIPシティビジュアルプラザ4階映像ホール(埼玉・川口)
上映時間:F2 12時30分より/ DJ 15時30分より
主催:インドエイガ

▼上映会解説は「魅惑のテルグ」noteから、申し込みは主催団体のインドエイガドットコムの申し込みフォームからご記入ください。



■アジアフォーカス・福岡国際映画祭

開催期間:9月13日(金)から19日(木)開催
上映作品:タミル映画『シヴァランジャニとふたりの女』
(英題:Sivaranjani and Two Other Women /原題:Sivaranjiniyum Innum Sila Pengalum/2018年/インド/123分)
日本語字幕・英語字幕・日本初上映

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"異なる年代に生きる女性3人を通して描かれるのは、現代インドに残る女性蔑視の現実。それでも前に進む彼女たちの姿が感動を呼ぶ。(アジアフォーカス公式サイトより)"。 ベンガルール国際映画祭2019でベスト・アジアフィルムに選ばれた作品。マラヤーラム映画界で独自の存在感を放つ、パールヴァティが出演。

監督: ヴァサント・S・サーイ(ヴィジャイとスーリヤ共演作『Nerukku Ner (1997)』などを手がけた監督)/出演:Pooja Kumar (Uttama Villain), パールワティ (Take Off、チャーリー)、Padmapriya (Tiyaan)、カルナーカラン ほか
・上映日時 :9月15日(日)10:15、18日(月)16:15、19日(木)10:15

▼ヒンドゥー紙の作品紹介記事はこちら
A tale inspired by water/ SUBHA J. RAO/ JANUARY 26, 2015 18:59 IST
https://www.thehindu.com/features/cinema/director-vasanth-sai-talks-about-his-new-movies/article6823876.ece

■『ボース:忘れられた英雄』特別上映会

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インド独立運動の闘士、スバスチャンドラ・ボース(1897-1945)の軌跡を描いた『ボース:忘れられた英雄』(原題:Bose The Forgotten Hero/ 05)。大阪外語大学名誉教授の溝上富夫氏による日本語字幕付きで今年1月にインド大使館にて上映された作品を、武蔵野大学にて再上映。独立運動を指揮し、日本占領下の台湾で事故死。ご遺骨が東京杉並区にある蓮光寺に安置されているボースの人生をおさらいしてから鑑賞に臨みたい作品。

日時:9月15日(日)開場12:30、上映13:00~16:30(途中休憩あり)
会場:武蔵野大学武蔵野キャンパス(東京都西東京市新町1-1-20)
8号館3階8302教室/入場料:無料/定員:160名(先着順、申込不要)
主催:武蔵野大学 仏教文化研究所
後援:公益財団法人 日印協会

原題: Bose: The Forgotten Hero (2005年作品)
監督:シャーム・ベネガル
出演:サチン・ケデカール、ディヴィヤー・ダッタ
音楽:A.R.ラフマーン

予告編:https://youtu.be/1z5bSbtNtfQ

■なら国際映画祭 プレイベント2019/『ブルブルは歌える』上映

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アッサムの村に暮らす10代の少女ブルブルの日々をリアリティに富んだ映像で描くドラマ。村の因習に縛られる若者の葛藤。監督のリマ・ダースは、前作『VIllage Rockstars』がアカデミー賞外国語映画賞インド代表に選出された注目の監督。本作は、ベルリン国際映画祭、大阪アジアン映画祭で上映され話題になった。「ブルブル」は美しい声で囀る鳥の名前。

開催日:9月14日(土)から16日(月・祝)/上映は16日(月・祝)10時より
『ブルブルは歌える』(原題:Bulbul Can Sing/アッサム語/2018年作品)
監督・脚本・プロデュース・編集:リマ・ダース

予告編:https://youtu.be/6DsjnhSR9ww

■新宿ピカデリー 爆音映画祭

開催期間:9月25日(水)から10月3日(木)
テルグ映画『バーフバリ 伝説誕生』『バーフバリ 王の凱旋』(いずれも完全版)、ヒンディー映画『バジュランギおじさんと、小さな迷子』を上映。

■札幌爆音映画祭

開催期間:10月4日(金)から6日(日)
テルグ映画『バーフバリ 王の凱旋 <完全版>』を上映。

■『ラーマーヤナ/ ラーマ王子伝説』 

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1993年に完成した、日印合作神話アニメ。当時、映画祭のみで上映された幻のアニメーションが、製作25周年記念として35ミリフィルムにて上映。@横浜シネマノヴェチェントにて9月30日(月)まで上映中。
監督:ラーム・モハン、佐々木皓一、酒向雄豪
1993年作品

[今後の公開予定作品]

■ヒンディー映画『ガリーボーイ』

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ムンバイのダラヴィースラムで生まれ育ったイスラーム教徒の青年。父は使用人。ラップとの出合いが、「生まれ」に縛られた彼の人生に変化をもたらす。ムンバイのストリートラッパー、Naezyの半生をベースにした物語。ベルリン国際映画祭で世界初上映された際大歓声で迎えられた作品が、満を持しての日本公開。9月5日には、ゾーヤー・アクタル登壇のジャパンプレミア上映あり。米映画『8マイルズ』に似ていると言われるけれど、リメイクではありません。貧困の中に育った青年がラップに出合い、生き方が変わる、というのは、楽器が不要なラップの世界では普遍的なテーマなのかも。日本映画でも似た題材の作品が公開されるようですし。

日本での自主上映時に2回鑑賞しました。セリフ、カメラワーク、音楽と全てが素晴らしく融合して青年の半生を現実的に映し出し、とにかく心が動かされた作品。見終えたあとはしばらく興奮が冷めやらず。今年の見逃し厳禁作の一つ。

原題:Gully Boy(ヒンディー語/2018年作品)
監督:ゾーヤー・アクタル(人生は一度だけ)
出演:ランヴィール・シン(パドマーワト)、アーリアー・バット(スチューデント・オブ・ザ・イヤー)、シッダーント・チャトゥルヴェディ(新人)、ヴィジャイ・ラーズ(モンスーン・ウエディング)
公開:10月18日(金)より

■『盲目のメロディ〜インド式殺人協奏曲』

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盲目のピアニスト、アカーシュは、元俳優宅に演奏に招かれた際、妻の夫殺し事件に巻き込まれる。彼は現場を見ていたのか否か。今年のインド国歌映画賞で男優賞、ヒンディー映画賞を獲った作品。豪メルボルン・インド映画祭での受賞イベントで、タブーが謎解きへのギモンを口にしたことがきっかけで、公開から1年が経った今、「新たな解釈」が話題になっているのも興味深いところ。監督も、「明確な答えが出るような作品にはしなかった」とインタビューで話していました。盲目のピアニストを演じたアーユシュマーンは、もともとギター弾きのミュージシャンではあるものの、役作りのためピアノを猛特訓。劇中では代役なしで流暢に弾きこなしていて驚嘆。当初、「Shoot the Pianist」の仮題で製作され、フランソワ・トリュフォーへのオマージュが込められているのは知られざるトリヴィア。ジェットコースターのようなクライムスリラー。

原題:Andhadhun(ヒンディー語、2018年作品)
監督:シュリーラーム・ラーガヴァン(エージェント・ヴィノッド、復讐の町)
出演:アーユシュマーン・クラーナー、タブー、ラーディカ・アープテー(パッドマン)
音楽:アミット・トリヴェーディー
公開:11月15日(金)より

■『ロボット2.0』

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2018年インド全土の映画興収トップ作品がいよいよ日本で公開に。前作『ロボット』では、チッティは機能を停止され休眠中。そのころ、街中から消えたスマートフォンが凶器となり、殺人事件が起こる。バシー博士(ラジニカーント)はその謎を追う中、人々を襲うスマホモンスターと対決させるため、封印したチッティを再起動。共演のモンスター役は、米経済誌『Forbes』の「もっとも稼ぐ俳優ランキング」4位に入ったアクシャイ・クマール(パッドマン)。前作の破茶滅茶ぶりはかなり抑えこまれ、シャンカル監督、世界市場を狙うべくかなり洗練され、環境問題も意識した見応え十分の作品。チェンナイで3Dで見たのは、忘れられない至福の体験。間もなく公開の中国のスクリーン数はギネスレベル。日本でも1000スクリーンくらいで公開されていいと思うな。3D上映も切望。

原題:2.0(タミル語/2018年作品)
監督:シャンカール(ロボット、シヴァージ)
出演:ラジニカーント、アクシャイ・クマール、エイミー・ジャクソン、アディル・フセイン(ガンジスに還る)
音楽:A.R.ラフマーン

■山形国際ドキュメンタリー映画祭2019

「インターナショナル・コンペティション」部門、「アジア千波万波」でインドからの出品作品を上映するほか、特集上映「春の気配、火薬の匂い:インド北東部より」で一挙17作品を上映。

◇インターナショナル・コンペティション
・別離(Absence)インド/2018/80分
監督:エクタ・ミッタル Ekta Mittal
・理性(Reason)インド/2018/218分
監督:アナンド・パトワルダン Anand Patwardhan
◇アジア千波万波
・夏が語ること(And What Is the Summer Saying)インド/2018/23分
監督:パヤル・カパーリヤー Payal Kapadia
・あの雲が晴れなくても(That Cloud Never Left)インド/2019/65分
監督:ヤシャスウィーニー・ラグナンダン Yashaswini Raghunandan
・そして私は歩く(At Home Walking)インド/2019/114分
監督:ラジューラ・シャー Rajula Shah

◇春の気配、火薬の匂い:インド北東部よりインド北東部で製作された17作品を上映。

開催期間:2019年10月10日(木)から17日(木)

■『マッキー』復活上映

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悪党に殺された男。転生できたけれど、生まれ変わった姿はハエだった。男は復讐できるのか。ハエ対人間の熾烈な戦いをCGで表現した痛快な娯楽作品。当時のテルグ映画界最高技術を駆使して作られた作品。S.S.ラージャマウリ監督作品の過去作が、『バーフバリ』人気で再びスクリーンに復活。南印映画界で大活躍のサマンタ、デビューまもない頃の作とはいえ、今とはだいぶ印象が違いますね・・・。

原題:Makkhi(テルグ映画『Eega』のヒンディー語版/2012年作品)
監督:S.S.ラージャマウリ 
主演:スディープ、サマンタ、ナーニ
 原案:V.ヴィジャエーンドラ・プラサード
音楽:M.M.キーラヴァーニ

[その他上映中作品]

■『クローゼットに閉じ込められた僕の奇想天外な旅』

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タミルの人気俳優、ダヌシュ(ダヌーシュ)の初海外作品、フランス、アメリカ、ベルギー、シンガポール、インド合作。まだ見ぬ父を探しフランスに渡ったアジャの旅は、アフリカからの難民と出逢い、思いがけないヒューマンドラマに着地する。ボリウッド風ダンス場面も組み込まれ、ヨーロッパでつくられたインド映画の趣き。ちなみに、大女優役を演じたベレニス・ベジョはアルゼンチン生まれ。当時の独裁政権から逃れるため、家族でフランスに移住したという。難民とまではいかないけれど、劇中の登場人物に重ね合わせずにはいられませんでした。難民映画祭に推薦したい作品。

原題:The Extraordinary Journey of the Fakir(英語・ヒンディー語/2018年作品)
監督ケン・スコット
出演:ダヌーシュ、ベレニス・ベジョ、エリン・モリアーティ、バーカッド・アブディ、ジェラール・ジュニョ
音楽:アミット ・トリヴェーディー
6月7日より公開中。

■『パドマーワト』

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舞台は13世紀末、インド西部のメーワール王国の王妃、パドマーワト。欲するものすべてを手に入れるイスラーム皇帝のアラーウッディーンは、王妃を一目見たいと、王国に攻め入る。しかし国王ラタン・シンの画策により、王妃の姿を見ることは許されず、アラーウッディーンの怒りが沸点に。色彩の魔術師、サンジャイ・リーラー・バンサーリー監督(デーヴダース)による豪華絢爛な歴史ドラマ。インドでは、ヒンドゥー至上主義者らにより撮影中に妨害を受けたほか、公開時にも暴動が起こり、幾多のトラブルを乗り越え公開された作品。

原題:Padmaavat(ヒンディー語/2018年作品)
監督:サンジャイ・リーラ・バンサーリー主演:ディーピカー・パドゥコーン(恋する輪廻 オーム・シャンティー・オーム)、ランヴィール・シン(銃弾の饗宴 ラームとリーラ)、シャーヒド・カプール(Udta Punjab)、アデティ・ラーオ・ハイダリー(吹き渡る風に)
6月7日より公開中。

■『SANJU/ サンジュ』

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人気俳優からドラッグで人生を脱線し、さらには武器保有で監獄ライフまで経験したサンジャイ・ダットの半生。2018年のヒンディー映画トップ興収作品。サンジャイ・ダットって誰?という方でもお釣りがくるほど楽しめる、笑って泣けるファミリードラマ。

原題: SANJU(ヒンディー語/2018年作品)
監督:ラージクマール・ヒラニ(きっと、うまくいく)
主演:ランビール・カプール(バルフィ!)、パレーシュ・ラワール、マニーシャ・コイララ(ボンベイ)、ヴィッキー・コウシャル(平方メートルの恋)、アヌシュカ・シャルマ(PK ピーケイ)、ソーナム・カプール(パッドマン)
音楽:Atul Raninga, Sanjay Wandrekar, A.R.ラフマーン(ゲスト作曲家)
6月15日より公開中。

■『ケサリ−21人の勇者たち-』

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1万人のアフガン兵と闘った21人のシク教徒。1897年のサラガリ砦の戦いを描く、実話ベースの戦闘ドラマ。タイトルはインド国旗にも使われているサフラン色(オレンジ)。『パッドマン』のアクシャイ・クマール主演、2019年のヒット作。個人的な話ですが、ラーニー・ムカルジーが男装してクリケット選手に挑む『Dil Bore Hadippa(ハリッパと叫べ)』が好きだったのですが、同作品の監督と知って嬉しい驚き。その後の公開作を聞かなかったけれど、パンジャーブ映画で活躍し、久々にヒンディー映画に戻ってきたようです。

原題:Kesari(ヒンディー語/2019年作品)
監督:アヌラーグ・シン(Dil Bore Hadippa,Disco Singh)
プロデュース:カラン・ジョーハル ほか
出演:アクシャイ・クマール、パリニーティー・チョープラ
8月16日(金)より公開中。


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