ああ、この余白に記述される社会よ

全てのものが速くなっている。
動画は数秒のものが流行り、切り抜かれた動画で人々は事物を理解する。
人々の出会いはひと指の気分で決まる。道端でのすれ違いのように出会い、少しのすれ違いで別れてゆく。
言論は140文字に集約される。さまざまな考えは刻一刻と流れ、消えていく。
あらゆる物事はどんなポップアートよりも大量に消費されていく。

何がどうして、こうなったのか

事物は余白ではそれを書くには狭すぎるほどに複雑ではなかったか
ある出会いは豊かな感情を我々に与え、幸も不幸も良くも悪くも人生に影響を与える糧になるものではなかったか
言論はどんな剣よりも強く、深く人々に影響を与えるものではなかったか。

我々はあらゆるものが理解の範疇にないこともあることを意識しなければならない。
どのような事物も理解するには複雑で、どのような出会いもその重要性を理解するには時間がかかる、どのような言論も、本来であれば多大なバックグラウンドを持ち、それは力強く、世界を変えるものである。

私はこの複雑性が失われ、余白化の進んだ社会で、できるだけ真理を追い求めていきたい。