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【書評】『3つの真実(ビジネス社)』 野口嘉則


真の豊かさを実現するためには、まず自分の中心軸を定めることが不可欠なのじゃ。


本書は物語形式で語られているため、
上の引用は老人が話した言葉になっています。

中心軸とは
自分に起きてくる出来事を判断するときの、揺るぎない価値基準となるのもの
だと述べられていました。

ぼくは高校生のあたりからよく「個性が強い」と言われてきました。
たしかに、他とは違うことをしたいという気持ちもありましたから自他共に認める個性の強さだったのかもしれません。

しかしよく自分を考察してみたところ、
言われたこと、見聞きしたことに対してほとんど全てを真に受ける自分がいることに気づきました。

よく言えば従順で利口ですが、
個性が強いと言われている人のそれではないように思えます。

ぼく個人の意見としては、
個性が強いと言われていることに対しては悪い思いはしておらず、それが自分の長所だと認識しています。
そのため個性が強い人間として、
それに見合う振る舞いが必要なのではないかと考えていますから、言われたことに流されてしまうような自分は本意ではありません。

もちろん「人の言うことは聞かない」というような頑固ではありませんが、
これでは自分の中心軸がないようなので
しっかりとした自分の中心軸を据えて、何事にもブレない個を確立したいなと思いました。



人に認められることを目指すということは、
周りの人間の価値観に振り回されることになる。


人間は皆承認欲求が強いです。
誰もが周りに認めてもらいたいと思っているはずです。

中でもぼくは人一倍強い方だと思います。

高校時代なんて私服の高校だったので、毎日人目を気にして服を選んでいましたし、小学校時代には髪型が嫌で学校を休もうとしたこともありました。

上でも述べたように
わがままな性格で周りからは個性が強いと言われていましたが、
周りがどう思うかで行動や言動を変えていたのが事実です。

ぼくはこの引用文のように
周りの人間の価値観によって自分を振り回していたのです。



本文中盤

幸せになるためには「幸せになりたい」と思うのではなくて、今ここで幸せを感じることが大事だと述べられていました。
そしてその今幸せを感じるためには、感謝をすることが大事だということでした。

言われてみればぼくにも思い当たる節がいくつかあります。

ぼくも「幸せになりたい」と思うばかりで、
今の状況が幸せではないと勝手に決めつけてしまっていました。
それゆえ、感謝ということも忘れがちで
自分で自分を不幸にしているのだなと思いました。

普段の身の回りの何気ないことに感謝する。
どこか恥ずかしいような気もしますが、
それが幸せを運んでくるのであれば安い話です。
自分が今ここのいることの幸せに積極的に感謝していきたいと思いました。



ネガティブな感情も、話して表現すると楽になる


まさにそうだと思います。

ぼくはおよそ2年前、突然生きている意味がわからなくなり、一人でずっと悩みこんでいた時期がありました。

そのような話をできるような友人はいませんでしたし、
一人であれこれと考え込んでしまう性格だったので落ち込む毎日でした。

そしてその時期はちょうど大学で卒業論文のテーマ決めをする時期だったので、
そこでぼくは思い切って大学で今まで学んできたものとは違う『死生観』をテーマにして提出しました。

しかし案の定受け入れられるわ毛もなく
ゼミの担当教授に「そのテーマにした背景を話に来い」と言われました。

そこで実際に話してみたところ、
それまで行き詰まっていたものがスッキリした感じがしました。

正直、教授に話したことで打開策を見つけられたというわけではありませんでしたが、溜まっていたものを吐き出せた感じがしてとても清清しました。

このようにネガティブな感情は、話すだけでもだいぶ違います。
今挙げた例はぼくの体験談なので皆さんはわからないと思いますが、
引用文の言うように、話すと楽になるというのは確かだと思います。



現実を無視したプラス思考


これは
やたらめったら「やればできる」、「なせばなる」などと鼓舞する考え方のことです。

たしかにこのような前向きな思考は大切です。
本書でも述べられていましたが、思いが運命を変えますから。
しかし
この思考は時として残酷です。

明らかに無理だとわかっていることでも突き進むことで、余計にダメージを負うハメになってしまう可能性があるからです。
例え自分で設計した道でも、臨機応変に修正して確実な方を選ぶべき時もあります。

日本では
できそうなことでもやることが美徳、
逆にものごとを途中で投げ出してしまうことを悪徳だとする風潮があります。
もちろんそのような時もありますが全てがそうとは限りません。

確実に安全な道を選ぶことが悪いということは全くありませんから、
是々非々で判断して進んでいくべきです。



まとめ

全体的に分量も少なく、章ごとに分けられていたのでとても読みやすかったです。

どの章も本質を捉えているようなことが述べられていて、
読書が苦手なぼくでもあっといまに読み終えてしまいました。

気になる方はぜひ。

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