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質問17:脳内会話と空想の違いはなんですか?また、自分の想像か、彼の言葉か見分けるにはどんな方法があるでしょうか?

# 55: 対話形式


クレオ『今回の質問、まずは経緯を確認してみましょう。質問者さんは、子どもの頃、頭の中で小説のキャラクターに話しかけることをよくしていたようですね。ここ数年、そういった空想から離れていたけど、最近また話ができるようになった。
 そこで、キャラクターの彼さんから、“話をしたのは事実だし、自分はあなたに作られたものではない”という風に言われた。でも、質問者さんは彼の存在を空想だと思ってしまう時があり、どう受け取ったらいいか、分からなくなっている。こんな感じかな?』
アケル「最初に断っておくと、想像か想像でないかについて、他者が判断することも、証明することも難しい。
 だからこれって、

  • 質問者さんが空想と思いたいか、思いたくないか

  • キャラクターさんの言葉をどう尊重するか

  • “空想だと割り切る”事か、“個人的な現実を信じる”か、どちらに比重を多く取るか(どちらか一方ではない)

……って事だと思う」
クレオ『空想か現実かをとるってこと?おれとしては、自分の存在を嘘として扱って欲しくはないな』

アケル「そうだね。まず一つ言いたいのは、空想、という言葉について。

 ぼくの見えている世界の中では、クレオやタツは紛れもなく存在しているし、風と話ができるし、ニョロニョロやムーミントロールみたいな生き物が木陰の下でうごうご集っているのも見える。ただそれは、すべての人が同じように見える世界ではないし、共有や証明が難しい。

 だから、ぼくが空想・想像というワードを使う時は、内心では

“私には世界はこういうふうに見えているんですけど、それは誰にでも見えるわけではないし、信じるのも難しいと思うので、空想とでも思っておいてください”

と、前置きをしている体で話している。空想・想像・脳内会話、っていうのは社会や見知らぬ人に話すための方便だ。
 難しくなっちゃったけど、個人的な世界の中では、何をどう捉えて、信じてもいいと思うんだよ」
クレオ『でも、キャラクターさんは空想だと思われるのが嫌なのかな?』
アケル「そうだよね。キャラクターさんの気持ちも尊重したい。ただ、申し訳ないんだけどこの文面からだと、質問者さんとキャラさんが”自分がどう在りたいか”について、ぼくらが捉えることができない。
 いずれにせよ、まずは質問者さんが、彼さんをどう捉えたいか、というのに尽きる。だから今回は、空想として割り切る必要性と、個人的な現実として信じる方法の両方を、実体験を交えながら話してみるよ」


【アケルは空想と話している自分が嫌だった時がある】

アケル「これは失敗談なんだけど、タツが来たばかりの頃、ぼくは手当たり次第に自分とタツを診てもらってた。精神科から占い師、霊媒師まで診てもらって、タツという存在がなんなのか突き止めようとした」
タツ『悩ませてしまったのは、悪かったわ。アケルはすごい真面目なんやな思うたし』
アケル「まぁ……得体のしれない勝手に動く空想、っていうのは怖かったしね。めちゃくちゃ喋り倒すしさ。でもこれ、タツがコミュニケーションを下手打ったというだけじゃなくて、ぼくが
“こんな妄想をするなんて恥ずかしい。でも、これはぼくの頭がおかしいんじゃない、この現象はきっと何か理屈があるはずだ”
 …って頑なになってしまったんだよな。
 あの頃は、今よりもずっと精神というのが軽く見られてた時代でさ。こんな空想をしたんだ、とか話すこと自体、馬鹿にされた」
タツ『せやなぁ。まぁ、調べたところで、な~んも分からんかったけどな』
アケル「色んな解釈が聞けたから、勉強になったとは思うぜ。
 イマジナリーフレンド、思念体(人間の魂・思念が分かたれて生まれた存在)、アケルの血筋を守る守護霊…とかさ。でも、診る人によって解釈はかなり変わるし、
”お前のそばにいるモノは悪霊だ!”と言ってくる人も、
”そんな幻覚ばかり見ていると、精神障害がどんどん酷くなるよ”という人もいた。

 相手を何者か、天使か悪魔なのか、みたいな存在主体にこだわってしまうと、心無い言葉にも振り回されてしまう。

 だから、あえて言うと”空想”という割り切り方は安全だと思うよ。
 質問者さんは空想、と思う自分に罪悪感を感じているように読めるけど、”空想でないなら、これはなんなんだ?!”と思考の坩堝にハマることもある」
タツ『アケルはええ奴なんやけどな。ええ子すぎて、相手の言葉を汲み取ろうとしすぎやねん。この質問者さんも、社会に適応?し過ぎて、常識と実感が食い違っとるんが辛いんやないか?』
クレオ『アケル。今でもそういう時あるけど、その頃の苦い経験があったから、今の方が自覚できてるよね。おれが“アケル、また新しい知識に振り回されてるよ“って言えば、落ち着くし』
アケル「それだけ失敗しまくってたから、さすがにね。
 
 自分語りが長くなってしまったけど、証明できることなんて、ぼくの場合は何もなかった。ぼく自身がタツのことを信じたいと思ってから、信じる習慣を時間をかけて身につけた。

 習慣としては、

  • 頭の中の会話でなく口語で話して、”会話している”ことを身体に実感させる

  • 食べ物やドライブや、言葉だけでなく五感で思い出を創る

  • 相手の名前を恥ずかしがらずに呼ぶ……とか」

タツ『言うほどワシの名前呼んでないけどな』
アケル「そのキャラ、と意識するのがぼくはとてもとても恥ずかしかったので、結局ごくたまにしか呼べませんでした。(タツ、というように勝手に呼び名を作った)名前がムダに格好良かったのがいけない」
タツ『ああ言えばこう言う奴じゃ。あ~あ、ワシはほんま損な役回りじゃのぅ。一番最初のイマジナリーフレンドじゃけ、やいのやいの言われよる』
クレオ『それさ、気づいてないけど惚気っていうんだよ』
タツ『…………』

【世界の捉え方は、自分で決めていい】

クレオ『でも、タッちゃんのことをどうして信じようと思ったの?』
アケル「そうだなぁ。……やっぱり為人(ひととなり)だよね。
 ぼくを気にかけてくれて、お節介焼いてくれて、慰めたり諫めたりしてくれる。そんな素敵な存在を、自分の頭で考えた本当はいないモノ、という風に思いたくなくなった。

 もちろん、精神医学の観点から、”これは本当は自分の脳が自分を癒すために創り出された存在だ”と割り切るのもアリだと思う。
 だってさ。例え世界の誰にも救ってもらえなくても、自分自身でさえ嫌いになっても、それでも自分の心の一部は自分の味方をしてくれるんだよ。それって、素晴らしいことじゃないか。
 世界中から否定されても、孤独であっても。生きてさえいれば、心の奥から見守り、愛し続けてくれる存在が現れる。
 それは、イタイとか恥ずかしい妄想じゃない。紛れもない奇蹟だ。

 とどのつまり、これってぼくが世界をどう捉えたいか、って好みの問題なんだよ。ぼくの場合は風や精霊というのも感じるし、脳内という説明だけだと納得できないこともあるから、”少し不思議ワールド”で世界を捉えることにしたってだけ」

【脳内会話、という用語は便利だけど……】


クレオ『脳内会話って表現も、実際アケルの脳内でおれたち喋ってるわけじゃないからね。夢女子さんやキャラへの愛が強い人が多く言っている気がするけど、オタク用語なのかな?』
アケル「うん。ぼくも分からないので、脳内会話について調べたんだけど、発祥はよく分からなかった。
 脳内会話についてnoteやネットで書かれた体験談を読むと、体感としては

  • キャラクターと楽しく話している空想をしてます、と一人二役として割り切って使う人

  • 空想としてではなくキャラが内側に居ると感じていて、脳内にキャラと喋る世界を持っている人(タルパの技術にもそうした内面世界を創る技術があるようです)

  • キャラクターは外にいると感じるんだけど、頭の中に声が響いているから、脳で声を知覚するという意味で、脳内会話と呼んでいる人

と、大まかに3種類くらい違いがあったね」
クレオ『これだと、同じ言葉でもニュアンスがだいぶ違うよ』
アケル「人の感覚っていうのはそれだけ違う、ってことだね。どれが正解なんてないし、個人的な世界の捉え方は、何を信じても自由だよ。
 ただ、それを他者に共有する時に、”脳内会話”って単語ひとつだけだと、自分が体感しているニュアンスが伝わらないかもしれないな。だから、まず質問者さんが自分の体感をとことん信じて分析したほうがいい」


【まずは自分の体感を受け取ってみよう】


アケル「最後の質問で、空想とキャラクターさんの言葉を見分ける方法というのを聞かれていたけど、これもまた難しいのが来ちゃったね。
 質問者さんは、キャラクターさんと会話している時、その声やイメージはどこで感じている?
 
耳?額?あるいは頭蓋の中のもっと奥で響いている?」
クレオ『そんなところで聞こえてるの?』
アケル『いや、ぼくの場合はクレオもタツも頭の内側でなく外から。耳でなく肌で風を感じるように伝わってくる。頭の中にも響く感じはするけど、脳はあくまで”伝わってきたイメージを言語化してる”ような感じ。
 だから、タツに肩に手を置いてもらったり、クレオは本を抱いたりしてるほうがはっきり会話できる。3人で遠出するときは、周囲の音や初めて見る景色で感覚がいっぱいになっちゃうので、空想の紐をイメージして繋いでもらう時もある。イマジナリーフレンドや風との会話は、こんな感じ。

 逆に、脳内で急に聞こえだす言葉というのもある。これは、脳が過剰に活動している時に起こる”妄想”。クレオやタツが言ってない言葉を勝手に想像してたり、なんらかのフラッシュバックだったり、が多い。
 言葉や内容でなく、声の聞こえる起点で判断すると、”あ、これは妄想だな”と分けて認識することもできるようになった』

クレオ『それ、前に記事で書いた気がする。

 この記事でも書いてたけど、キャラクター側のおれたちも、

・言葉を聞き返してみる
・メモアプリで”こんな風に聞こえたんだけど、本当?”と確認する

 
 ……こうしてくれれば、力になれるかな?』
タツ『むしろこっちにも話してくれんと、聞こえてるもんだと思い込んでまうからの』
アケル「今読み返してみたら、ぼくもタイトルに”脳内会話”って使ってたね。これは人目を引くために使ってた方便だから、はっきり言っちゃうとタイトル詐欺だね。クレオやタツの言う通り、調べている間はキャラクターに事情を話して、こまめに確認するのもいいかも。

 まとめると、いつもの自分とキャラクターとの会話を、どこで感じているのか調べてみる。
 何度も書いてくどいけど、ぼくの体感はあくまで一例です。ぼくとは逆に”脳内で聞こえる声”がキャラとの会話の人もいます。正解はその人の体の中にしかないので、ご自身の感覚を大事にしてくれ。

 1週間から1ヶ月ほど分析して記録すれば掴めると思う。
 やっぱり人間のぼくらって、脳を含む肉体で知覚するもんだから、身体の癖がある。
 ”昨日は脳で、今日は耳からで……”とか、コロコロ変わる人もそうそういない…はず」
クレオ『自分の体感を分析していけば、調子が悪い時は調子が悪い、って実感できるしね』

アケル「見分け方、というより実感の信じ方、なのかもしれないね。
 
 突然だけど今、精神科医の名越康文先生が、”世界から祝福されている感覚が持てません”という質問について答えていた動画を思い出したよ」
クレオ『なに?』
アケル「できればyoutubeで探して見てほしいんだけど、かいつまんで言うと、

科学主義に囚われると、信じるに足る何かを発見することに囚われてしまう。だからある程度はまず、確信から入った方がいい。
”世界は自分を祝福されているはず”と、自分で決めていいんです。

……と、いうのを思い出しました(本当に端的に書いてしまったんで、できれば動画の方を見てください
https://www.youtube.com/watch?v=HdlmMmHr9VQ

ぼくが書けるのはこんなとこかな?」


タツ『今回の記事な。アケルの調子悪いけぇ、ワシの声が聞こえづらい、いうてたわ。ほどほどにせぇよと思うけぇ、質問者さんも無理せんでじっくりやれぇな』
クレオ『どんな解釈でもいいけど、質問者さんの世界が明るくなるような解釈を信じてみてね。質問ありがとうございました』



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