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対決シリーズ#6 ひたち・ときわとサンダーバード・しらさぎを戦わせてみた


皆さんこんにちはなんちゃっ鉄です
今回は対決シリーズ第6弾として
常磐線特急ひたち・ときわ
北陸線特急サンダーバード・しらさぎを戦わせてみた
ということでやっていきたいと思います。
 
 
線形・ルート効率
 
まずルートからみていきましょう。
今回も2020年4月1日水曜日のダイヤで比較していきます。
常磐線の特急ルート品川からいわきにかけて。

こちらに関してはほぼ直線のとても良い線形をしています。
霞ヶ浦の北隣のエリアだけ水戸線と合流するように
西側に少し膨らんでいます。
それ以外は だいたい直線を描いています。
 
以前に取り上げた上野-取手間ですと、
上野-南千住間が大きく迂回しており、
ルート効率も悪かったのですが、
今回のスケールで取り上げると、
それはたいしたことではなくなるというのが
面白いところですね。
 
ルート効率の最低区間は今取り上げた、
霞ヶ浦北側の区間石岡-水戸間 75.5%です。
若干低めではありますが、
線路としては特別な大回りをしている
という感じではありません。
 
水戸線と合流するために
友部に向かう必要があったのでしょうか。

大阪から金沢のルートですが、
こちらは偶然にも常磐線と同じく北北東方向に、
ほぼ一直線に伸びたとても線形の良いルートです。
 
同じように真ん中あたりで、
今度は東側に少し折れます。
琵琶湖の北側でルート効率が少し悪くなりますね。
ルート効率最低区間はやはりその区間で、
近江今津敦賀間78.2%です。
 
こちらは米原を起点とした北陸本線と、
近江塩津で合流するために
ルートが多少大回りになっています。
 
私は地元の人ではないので、
近くへ訪れたとき相当意外だったのですが、
琵琶湖の北から日本海側敦賀に抜けるこのルートは
想像以上に高低差があります。
高低差を上るために線路がループしているぐらいです。
ですのでルートが限られていたのかもしれません。
 
霞ヶ浦は日本で2番目に大きな湖。
そして琵琶湖はもちろん日本で一番大きな湖です。
こういう取り上げ方をすると、
この2区間がとてもよく似ていますね。
 
この二つの特急は最高時速が130 km/h
そしてお互い新幹線のない主要幹線を走る
在来線の特急という共通点もあります。
 

 
 
本数・平均待ち時間
 

本数と平均待ち時間ですが常磐線の方は
ひたち・ときわ両方が
最も多く走っている区間は
上野と水戸、勝田を結ぶ32本です。
 
まあこの辺りはやはりといったところでしょうか。
常磐線沿線に住んでいる身からしても
そうでしょうねという感じです。
 
そしてそれに続くのが、
品川・東京から水戸・勝田これが5本少なく27本。
次いで土浦、日立のようにつながっていきます。
意外と多いのが、
土浦・水戸・勝田間の茨城県内区間です。
 
先日、仙台まで直通する特急が復活して
終点ではなくなりましたが、
ここで扱う終点のいわき。
ここまでが13から15本繋がっています。
 
停車パターンがバラバラで、
本数も駅によってまちまちです。
それが常磐線特急の特徴の一つとも言えるでしょう。
いわきまで23駅取り上げなければいけなくなりました。
様々な思惑が絡んでいることが想像できますね。

一方で北陸線の特急に関しては敦賀から金沢間のみ、
しらさぎも本数に加えます。
 
基本はサンダーバードになります。
一番多いのはやはり大阪・京都-金沢間そして福井間。
この2大ターミナルへの本数が多くなりました。
 
しらさぎも含めると、敦賀~福井・金沢間
この辺りが多くなりますね。
小松~金沢、福井~金沢間が最も多いのが、
こうやって表にしてみると一目瞭然ですね。
 
 
現在の特急の本数を参考に、
開業予想シリーズの
北陸新幹線敦賀開業のダイヤを予想してみた
のダイヤを作っていますので、
もしよろしければそちらもご覧ください。
 
 
表定速度
 
今回取り上げる二つの路線の特急は
いずれも最高速度時速130 km/h
ということで有名な車両が走っています。

表定速度を見てみると、
ひたち・ときわの方は最高が石岡-赤塚間の97.7 km
これはルート効率が低いところだったのにも関わらず、
ダイヤ上の表定速度が一番早いという、
面白い結果になりましたね。

そしてサンダーバード・しらさぎの方は、
堅田から近江今津間112.1 km/h
琵琶湖の西側を走る湖西線の区間が最も早い.
という結果になりました.
それにしてもやはりサンダーバードは早いですね
 
 
運賃
 
運賃の方は常磐線が座席指定券という制度を
とっているので、
実質的に自由席が存在しません。



その料金を比較してみましょう。
品川からいわきの両端の区間ですと、
特急料金を含めて28.33円/km
北陸の方は両端区間の大阪金沢間が
特急料金を含めて27.13 円/km
サンダーバードの方が料金に関しては、
若干分がありそうですね 。
 

 
最終評価値
 
それではこのとてもよく似た二つの路線、
果たしてどちらがコストパフォーマンスが
良かったのでしょうか。
ベスト3を見ていきましょう。
 
第3位 大阪-小松間 評価値 ★2.29
 
営業キロ  239.2km
直線距離  207.9km 
ルート効率 86.9%
  
所要時間   2時間26分21秒
本数      17本
平均待ち時間  28.2分
表定速度   98.1km/h
運賃 6,490円
 
 
第2位 新大阪-金沢間 評価値 ★2.46
 
営業キロ  263.8km
直線距離  229.8km 
ルート効率 87.1%
  
所要時間   2時間38分02秒
本数      25本
平均待ち時間  19.2分
表定速度   100.2km/h
運賃 7,260円
 
 
第1位 大阪-金沢間 評価値 ★2.48
 
営業キロ  267.6km
直線距離  233.2km 
ルート効率 87.1%
  
所要時間   2時間42分07秒
本数      25本
平均待ち時間  19.2分
表定速度   99.0km/h
運賃 7,260円
 
常磐線特急の最高区間は上野日立間の★1.90で
全体の順位としては、
くしくも点数と同じ数字の19位でした。
 
そしていよいよお待ちかねチーム戦です。
 


平均値 常磐 0.70 北陸 1.12
中央値 常磐 0.52 北陸 1.04

よってこの勝負、
サンダーバード・しらさぎの勝ち

 
常磐線沿線民としては130 km/hのひたち・ときわ。
もう少し伸びるかと思いましたが、
在来線特急はスピードが新幹線に比べて早くはなく、
その上特別料金を取るので、
2点台に乗せるのも至難の技ということがわかります。
 
二つ並べるとルートの形と方角、最高速度、
大きな湖の近くを通ること、
新幹線がない区間の主要な幹線特急であることなど、
似ている点が沢山あったはずですが、
こうして比べてみると両者は、
似て非なるものだったのかもしれません。
 
今回は正直、調査の途中で、
明らかにサンダーバード・しらさぎの方に
分があることが分かってしまいましたね。
 
スピードは速い。運賃は割安。
そして何より駅間が長い。
 
今回測った区間は、
実は大阪-金沢間(267.6㎞)の方が、
品川-いわき間(222.0㎞)よりも、
数十キロ長いのです。
 
それにも関わらず、
1日にある程度特急が止まる駅が、
前者が23駅なのに対し後者が14駅と、
相当の差が開いてしまいました。
駅の間隔が全然違います。
 
これは通勤電車にも言えることなのですが、
首都圏よりも関西圏の方が、
通過する駅を多くすることができます。
 
首都圏ですと人口が多すぎて、
停車しなければいけない駅が、
そのぶん多くなってしまうんですね。
 
ですので第3回でも、
西日本と東海の新快速を戦わせました。
 
あれをもし、東日本の区間で行ってみると、
全然比較にならないですし、
東海道線の快速は
東日本の区間では実質あってないようなものです。
 
そういう違いがあるということですね。
人口が多すぎて、
列車のコストパフォーマンスに響いているという
なんとも皮肉な結果となっている
ということがここから見て取れます。
 
 
新幹線ができて不便になる街の解決法
 
少し話が脇道に逸れますが、
北陸新幹線の敦賀開業予想の時に少しお話ししかけた
第三セクターになった後の北陸本線について
お話ししたいと思います。
 
これは個人的な意見なので、
関係者がそういった発言をされたとか
そういう話では一切ありません予めご了承ください。
 
その際にお話ししたのは、
在来線の特急がなくなってしまっては困る駅、
そして街が出てくるのではないかという話です。
 
地元では特急を存続させてほしいという
運動までなされているようです。
 
今回の対決シリーズと開業予想シリーズで、
北陸本線の特急列車は、
新しくできる新幹線と比べても、
とても優秀ということがわかりましたので、
特急の存続を求める声は
ごく自然だと思います。
 
 
これについて解決策があるという話を、
そのとき少ししました。
ここでその話をしたいと思います。
 
結論から言うと、
JR在来線から転換される第3セクターに、
快速を走らせれば解決する話なのではないか
と思っています。
 
新幹線が開業すると、
在来線で特急用に確保されていたダイヤが、
そのぶん、枠として開くわけですから、
そこに同じような停車駅の快速を走らせれば
良いのではないかという話です。
 
これまでは JR といえども特急でしたので、
特急料金が必要となります。

そこで、JR西日本から元の新快速だったり、
そういった車両を譲り受けて、
特急と遜色ない速度で隣の石川県と協力しながら、
快速を走らせれば、
仮に運賃がJR時代の1割増しだったとしても
特急に乗るよりははるかに安いわけです。
 
それで全てが解決するわけではないかもしれませんが、
不便が解消されることになるのではないかと思います。
 
首都圏ではないので、
途中利用者が少なくなるときもあり、
特急列車はかなり駅を飛ばしているわけですから、
「評価値」が下がらないような運行体系は
そんなに難しくないような気はしています。
 
 
皆さんはどうお考えでしょうか
 
 
 
次回の対決シリーズは
九州対決 博多から長崎へ向かう「かもめ」と
  同じく博多から大分へ向かう「ソニック」を戦わせてみた
お送りします
 
お楽しみに




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