見出し画像

はじめての島暮らし。今年の振り返りと島で見つけたもの。

瀬戸内海に浮かぶ島々、何島くらいご存知でしょうか?

本州から車で行ける淡路島や、地中海のような景色やオリーブで有名な小豆島、アートの島として世界中から人が集まる直島に、美しい美術館のある豊島、サイクリストの聖地しまなみ海道沿いの島々に、うさぎ好きには大久野島、等々… あげ出したらキリがなくなってくるほど、魅力的な島が浮かんできます。

瀬戸内海には名前があるだけで727もの島が点在しているとのことで、毎日違う島に行ったとしても2年かかる計算!

そんなに沢山の島があることをさっきまで知らずに過ごしてきましたが、今年の春からその中のひとつ、家島に住み始めました。

家島?

行ったことがある方や名前を知っている方もいらっしゃるでしょうが、心配ありません、だいたいの方は今はじめて名前を聞いたと思います。

初めて島を訪れた日

ここ家島は、兵庫県の姫路の沖合に浮かぶ離島。有名どころだと小豆島がわりと近くにあります。

高度経済成長の頃には、島の主要産業である採石・海運・漁業が絶好調だったこともあり、そこまで広くない土地に7000人を超える人が暮らしていたそうです。船からみると、斜面に所狭しと家が建っている様子がよくわかります。ちなみに今の人口は2000人くらい。

岡山から週2回、船でやってくる八百屋さん。
お父さんの漬けた白菜漬けが美味しい。
島でいちばん好きな場所、家島神社。
初来島の4月半ばは、椿が綺麗だった

島の中で経済がまわっていたので、観光スポットとしては外のひとに全く知られていません。しかし歴史を紐解くと、神武天皇や菅原道真が訪れたり、嵐の際は風待ちの要所だったり。外からの客人をもてなす文化があります。そしてラテン的にみんな明るい!

そんな家島。昭和の懐かしい風景がわりと色濃く残る町並みと、のんびりとした瀬戸内の海、そこに並ぶどでかい砂利運搬船という景色は、瀬戸内の他の島々とは一線を画しています。

店では切り身ではなく、泳いでいる魚を買う。
わりと良く会うご近所猫さん。
高台から港を望む。左奥に並ぶのが砂利運搬船。
近くで見ると…
この大きさ。いつか船内を見学したい。

さっきまで海を泳いでいた魚が買えたり、日用品として船のスクリューが道端に置いてあるのがこの島の日常です。先日は猫が魚屋さんの魚を狙っていました。のどか。

海水浴場。手作りの簡易シャワーで砂を流せる。

島には、一般的な生活に必要な病院や学校(高校まである)、商店、郵便局など最低限のものは一通り揃っています。ヨドバシカメラやAmazonは送料無料で届きますし、インターネットも光回線で最高です。

反面、スーパーマーケットやコンビニ、チェーンの飲食店など大抵の町で見かけるものがありません。書類を数枚印刷したいときや休日に公共料金を支払いたい時など、いままで気づかなかったコンビニのありがたさを実感します。

ご夫妻との世間話しが楽しい文具屋さん

引っ越してきた当初、島民の方々にご挨拶をしていたら「何にもないところでしょう」と言われてちょっと返答に困ったり、出身地を聞かれて「そんな遠いところからなんで来たの!?」と驚かれることもありました(関東出身)。

島の反対側。この辺は大きい魚が釣れるらしい。
ヨーロッパの人曰く"イタリアの路地裏を思い出す"。

”何もない”と言われたら確かにないのかもしれませんが、どうも都会にはないものがあるようです。

では、島にあるものが何か?

ここに来て8ヶ月ちょっと。初めての島暮らしを、いち移住者の視点で撮った写真。旅気分で、あなたにとって島に”あるもの”を見つけてもらえたら嬉しいです。

ー 春 ー

「うたせ」と呼ばれる屋台。朝に漁師の旦那さんが採ってきた新鮮な魚を奥さんが売る。
引っ越しのご挨拶。
大吉が出て、歓迎されている気持ちになった。
自転車で島を1周したときに見つけた素敵な公園。
桜が綺麗らしい。
集まりや誰か来てくれたときはこれ。
季節によって内容がかわる。家島の塩で食べても美味。
家から近い場所で蛍が見られる。儚すぎて尊かった。
突然道に現れた装置。詳しいことは忘れてしまったが、水位を調整して台風から島を守ってくれる。
日々の成長を見守る。

ー 夏 ー

兵庫県知事の斎藤さんが来て、島が賑やかになった。
夏の思い出といえば祭り。
兵庫県の重要無形文化財である。
揺れる舞台、よく見ると人の上に人が立っている。片足で。
すごい近くから花火もあがる。
祭り最終日の夜は外から見てても感動的だった。
ふと"ぼくのなつやすみ"というゲームの世界を思い出す。
わりと簡単に何かしら釣れるので、子供たちも楽しいサビキ釣り。
いつもニコニコ、気のいい恐竜。サッカーをしてるのにはじめて気づく。公園は比較的多い。
B&G海洋センターでカヌー初体験。おっかなびっくりだったけれど、スイスイ進む。
訪日外国人向けの漁業体験と料理体験に参加(ガイド役)
採ってきた魚を島のお母さんとお造りにする

ー 秋 ー

小学校のグランドで開催されたマルシェ。
手前はアーティストの喜多さん。
喜多さんのワークショップ。浜でコーミング(漂着物収集)とクリーニング。
後に船長小屋(アートスペース)に飾られる戦利品たち。
秋祭り。巫女さんの衣装と舞いが素敵だった。
参加させてもらったお神輿。
いままで感じたことのない重さ、達成感とビールをお裾分けしてもらう。

ー 冬 ー

特産品である海苔の養殖と島の夕景
つながる島旅という企画で、各地のカレーを食べ比べ。
家島のえびカレーも大変美味しい。
みんなで城山公園に水仙の球根を植えた。
来年早々に咲くみたいで今から楽しみにしている。
職場の庭に野生の柑橘。
脇には野生のレモンが2つなっていた。
小学校のマラソン大会。
あたたかい声援を背に、子供たちはそれぞれのペースで走る。先生も一緒に走る。
昭和8年に作られて、今は引退されている獅子舞。
ガス屋さんにて。
OHTANIさんの活躍と充実した寅さん本。
晴れた日はここから姫路城も見える。
来年は男鹿島に鹿を見に行きたい。

ということで、今年見た島の光景でした。皆さんの1年はどんなでしたでしょうか?

僕は島での暮らしを通して人生における気づきと新たな視点を得れたかな、と思います。島の日常は都会の非日常、これ本当でした🏝️

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?