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「Ready? Set Go!」制作雑記

あらすじ
中学二年生。陸上部に所属する未来、一花、彩奈は互いに競い合い、励まし合っていた。だが、一花の怪我と引っ越しが重なったことで三人の中に亀裂が入ってしまう。 そして部内の選考会を一週間後に控えていた矢先、未来はスターターピストルの音が聴こえなくなってしまう―― これは部活に全力で打ち込む女の子たちの「青春」×「友情」の物語。
HP : https://creators-revolution.tnx.cc/rsg/

2020年の夏、シナリオを担当していた山本陽将さんから、自身が関わっているつんく♂さんのエンタメサロン発の企画で、中二映画プロジェクトを手伝ってほしいと相談されました。(中二映画プロジェクトについてはこちら)
長編映画は中止しましたが、仕事はリモートの体制が取れ始めて、やっと落ち着いてきてきました。それに伴い時間が作れるようになったので穴埋めの気持ちも込めて参加しました。
いままでは企画から資金集め、キャスティングや人員集めも全部行ってきましたが、今回は監督・編集としての参加となり、初めて資金集めをしなくてよいのは大きな変化でした。

ロケハン
とはいいつつ、監督だけでなく制作としてのお手伝いもすることに。まずはロケ地。今回は青春映画、部活が物語のキーとなり、競技場が必要となりました。しかしときはコロナ、やっとスポーツイベントを開いてもよいかという空気になり、都内の競技場はほぼ連日埋まってしまいます。
そんな中、立川の競技場を借りることができました。そのままロケ地も回りで見つけていくのですが、この時お願いしたのが立川ロケーションサービスでした。最近は自治体が撮影の誘致をしており、競技場を借りる際にロケーションサービスを通して借りることになりました。そして、そのまま必要なロケ地についても相談することができ、病院や道路などまとめて立川で見つけることになりました。

コンテ
今回もコンテを作成したのですが、せっかくなので違うツールを使ってみようと探していました。今回使用したツールはStoryboarderというソフトを使用しました。

HP : https://wonderunit.com/storyboarder/

英語版しかありませんが、無料で利用できます。使い方は実際にダウンロードしてみてもらって触ってもらうのが一番ですが、簡単に説明すると、3D空間に人間のCGモデルを配置し、ポーズを取らせてカメラを配置、その絵をコンテにしていくというものです。

スクリーンショット 2022-10-31 015143
Storyboarder出力画

出力するとコンテというよりイメージボードに近い形になります。ちなみに画を差し込んだり、手書きを追加したりもできます。3Dソフトよりもお手軽に利用できるので、CGソフトはちょっとという方はぜひダウンロードして使ってみるとよいかと思います。


カメラ
カメラは技術部の所有しているPanasonicのVARICAM1/EVA1を使用しました。我々はいままでEOS C100を使っていたので、遂に4Kです。
最近の流行でいくと1眼レフというのもあるのですが、やっぱりビデオカメラは使い勝手が良いですね。内蔵のNDフィルターを搭載しているのはビデオのありがたいところです。
収録はグレーディングを考慮して 4K 10bit 4-2-2 で撮影していきました。


撮影
コロナの中の撮影で直前まで撮影するのかしないのか、かなり判断がギリギリとなりましたが、10月27日28日と2日間で撮影はスタートしました。
今回の演者の子たちはこの企画のためにオーディションで選ばれた子たちで、地方在住の子が多く、この撮影のために上京してきていました。また、この子達は未成年ということもあり、20時前には終了しなければなりません。時間との勝負が始まります。

撮影風景


そしてこの日は、急な寒波!!
寒い、薄着の自分は凍えながら撮影に参加していました。
もちろん、急ピッチでの撮影のため、その後足らない画の追撮も行い編集作業に入っていきます。


編集
編集にはAdobePremiereを使用することは変わりませんが、今回はカラーグレーディングを行う前提でLog収録を行いました。
まずはじめにLUTを当ててDe-Log作業を行います。追撮の素材はSonyのα7Ⅲで撮影されているのでこの時点で色を合わせておきます。
全体の色を合わせた後、各シーンごとに色を調整していきました。
これも本来は専門の方がグレーディングを行う予定でしたがスケジュールで急遽こちらで受け持つこととなり、そのままPremiere上での作業となりました。


公開
公開は2021年5月9日に渋谷ユーロスペースにてTOKYO青春映画祭にて公開されました。
https://tyff.tnx.cc/tyff2021.html

現在、TOKYO青春映画祭は毎年開かれるようになりました。この作品はコンセプトに合わせて制作され、映画祭内で公開されたようです。


まとめ
これまで3本の短編映画制作についてまとめてきました。いろいろと紆余曲折ありな撮影記ですが、この短編映画制作を通して

・映画制作ノウハウ(短編に特化)
・予算感の把握

という2点の力が我々についたと思います。短編映画を作りたい人からの相談されたときにまずいくらかかるのか、ということが話せるのは特に我々の強みとなっていきました。

制作についてまとめきれなかったことに関しては、今後noteでまとめていきたいと思います。いつかはこれまで制作した映画を見れるようにしていきたいと思いますので、そのときにはぜひ見てくださるとうれしいです。




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