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移住して田んぼをやってみた…①

日本人の主食は米!

異論は認めません!!(笑)

「初めて米が獲れたとき、『これで生きていける』と思ったら涙が出た…」とは友人(百姓)の談。

その言葉がずっと気になっておりました。

なにせ自分は『これで生きていける』なんて思ったことがない。
いや、そもそもサラリーもらって暮らしてた頃は『この先、生きていけなくなるかも…』なんて思ったことさえない。それくらい安全地帯でのうのうと生きてきました。それはそれで人類が飢えを克服した証左で素晴らしいことではあるのだが、それはそれで「生きる」ための糧を自らの手で作る営みに憧れるきっかけとなった。

いつかは自分もその境地へ入りたい。

そう思ったので、早速やってみましたよ(9年かけて…w)。

まず、米を作るには最低でも
1. 田んぼ(農地)
2. 水
3. 種 or 苗
4. 力(農機具 or 人力)
   が要ります。

1. 田んぼ(農地)について
   自給自足ベース(これを「飯米/はんまい」と言う)を前提にお話します。一家族が喰うていくにはどれくらいのサイズの田んぼが必要か?

 その前に、人は一年にどのくらいメシを喰らうのか?
歴史的には、ヒト1人が一年間に喰うコメの量を1石(150㎏)としてました。が、近年コメの消費量は減少しつづけ現在では約1俵(1俵=60㎏ 平成29年)とのこと。
(出典:https://www.kubota.co.jp/kubotatanbo/data/yield.html
 4人家族と想定すると、昔で4石(600㎏)、今では4俵(約240kg)。
真ん中とって420㎏ぐらいとして7俵。先ほどの出典「10a当たりの収量」によると、それこそ10a=1反あれば事足りそうです。

 そんじゃ、その一反の田んぼはどうすれば使えるようになるのか?
そりゃ ①買う か ②借りる の2択でしょう。

①買う場合
 いくらくらいが相場なの? Ans.127万円(全国平均 出典:http://fudousan-guidance.com/tochikakaku/nochi-baibaikakaku)だそうです。でも、リンク先にもある通り、あくまで目安。地域・条件によって大きく変わってくるでしょう。この辺りの実感としては1反3~60万円くらいかな…(便利なサイトがありました。https://utinokati.com/
 
 ただ値段的に折り合いがついても、農地を売買するには農業委員会の許可が必要(農地法第3条)になります。これは農地を守る為の法律で、引き継いだ者がきちんと農業するのかどうか、農業委員会に判断してもらってからでないと売買できないということになっております。数年前まではかなり厳しい運用がなされており、農家でないと農地を買えなかったり、新規就農でも3反以上とか5反以上とか、ある程度まとまった農地を買う場合でないと審査さえしてもらない状況でした。しかし近年、農的暮らしを求めた移住希望者が増えたのと、高齢化によって耕作放棄地が増えたのが相まって基準が緩和され、1反(10a)程度でも購入できる地域が増えました。
 詳しくは地方自治体の農政担当課にお尋ねください。

いずれにしても、農地を購入する場合は「オレはちゃんと農地を守るよ!」っていうことを証明しないといけねーっす。やる気だったり、スキルの身につけ方だったり、農機具の手配だったり…、「この人本気かも…」と思ってもらえないと許可がおりません。でも想いが伝われば農業委員会の方々も基本いい人ばかりなので、きっとエエ具合にしてくれると思います。

私の場合、取得物件が・田んぼ9反・農機具全部揃ってる・売り手が農業を教えてくれる・それまでに手植え手刈りの「田んぼゼミナール」なるものを運営していた、などが説得材料となって無事許可を頂けました。
 が、今はそこまでしなくとも大丈夫。高齢化で農地の後継者がいなくて困っている状況なので、若くて(50代以下)やる気があれば道は拓けるはずです。 その際、できれば面倒見のいい地元のお百姓さん(師匠)を味方につけるとスムーズですが、その方が信用できるかどうかは嗅覚で判断してください。ヤバいと思ったら撤退も生存戦略です。いくら自然環境がよくとも人間関係が悪ければストレスがたまる一方。何のための移住かわからなくなっちゃいます。(でも、近隣の名誉のために言っておくと、お百姓さんで心底 非道い人には出会ったことがありません。「粗にして野だが卑ではない」のまさにそれ!)

②借りる場合
 長々①買う場合を説明しましたが、現実的には借りるのが一番手っ取り早い。いずれ所有するにしてもまずは借りて実績積み重ねて信用を得るのがベストです。「農地を管理してくれる人がいるなら任せたい」ってのが高齢化したイナカの本音。なにしろ夏場の草刈が大変じゃけぇ…。
 草刈ができないなら、やらんでいいじゃん…と都会の人はつい思ってしまいですが、イナカの人はそうは思わない。草ボーボーになるとそこが害虫や獣の温床になって周囲に迷惑をかける。景観も損なう。そういうことは「恥ずべきこと」なのであります、イナカは。
 だからもし借りるのであれば、草刈だけはマメにやってください。農作業がどんなにお粗末でも草刈さえやっとけば、認めてくれます、「ヘタクソなりに頑張ってる」と。逆にそこが疎かだと「あいつはダメよ」と陰口叩かれ信用を損ねます。
 自分の子供らもやりたがらない百姓仕事を、よそから来て「やってみよう!」なんて人は本来、救世主であり希望の星であるはずです。だけど先祖が切り拓いた土地を見ず知らずの素人に任せるってのは、これまた不安が大きいもの。どうせ使ってないなら…って借りる側は思っちゃいますが、先祖代々大事に使ってきた農地だってことを意識に片隅に留めておくことが田んぼを預かる者に必要なのではないか、と思います。
 
なお、農地を借りる際、まともにいく場合は、農地法に基づき利用権設定なるものがございます。https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/pdf/240330_tetuduki_izyougo.pdf
賃借料についても基準がございます。
https://www.maff.go.jp/j/study/kome_sys/11/pdf/data1.pdf
詳しくはwebまたは自治体の農政担当窓口へご相談ください。

まともにいかない場合は、人間関係の下、賃料を払ったり、草刈する約束だったり、「タダでええよー」だったり、様々なパターンがございます。いずれにしても草刈必須。当事者同士、誠意を以てご対応くださいますよう切にお願い申し上げて、本件、一旦お開きとさせていただきたいと損じます。

はい。

#田んぼを借りる
#農地取得
#自給自足
#田舎あるある

なんと当市(安芸高田)では取得農地面積の下限が0.1aまで引き下げられました‼︎スゴいぞ、安芸高田♪(2020.03速報)
https://www.akitakata.jp/ja/shisei/section/jimukyoku_nougyou/akiyatukinou/

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