地球人の誇り

2020.02.23

 めざまし時計の音。目をあける。「あ、まだ死んでない」と気づく。ぼんやり、徐々に鮮明になっていく絶望感。それが最近のわたしのすべてと言っても過言ではない。
 世界はなぜわたしを生んだのだろう。父母の交わりだけが理由だなんて、あまりにも無責任だ。かつてのふたりの恋と愛に乾杯!!…なんてそんなドリーミーなこと言わないからね。生きているのは現実で、生きていかなきゃならないのも現実なのよ。
 でも今日、ちょっとだけ感動することがあった。ある絵本の中のことば。
「地球は秩序があってこそ成り立っている。人間はその中の微粒子に過ぎない。微粒子たちは規則正しく秩序のもとに流れている。いわば”死“と呼ばれる出口に向かって。こうして秩序は保たれている。地球は在り続けることができる。そう、だからわたしたちは生きなくてはならない。」
 生きる。いのちある限り、生きる。大事なのはきっとこれだけだったのだ。アイツだけにはもう馬鹿にされたくないとか、ブスだから可愛い子には結局敵わないとか。そういうドロドロの感情のがんじがらめになって、苦しい。だけど「生きる」ということにフォーカスするのなら少し気持ちがやわらいでくるかもなぁ…。
 まず「今世を生き抜く」ためにじぶんをクールに観察してみる。気にしない、という心の強い才能は今世のわたしにはない。それならば、だ。馬鹿にしてくる人はどんな状況であれ一線を引いちゃおう。プライベートな食事の誘いはやんわり断ったり、ラインのともだち欄から非表示にしたり。「基本的に人生は悲しいものなのだから、じぶんの周りは好きなものでいっぱいにしないと」って推しメン宇垣美里さんも言ってたもん。好きなものじゃないなら、外野へスワイプ。それから、「ブスだから可愛い子には結局敵わない」と思っているのけれど、いったいぜんたい「可愛い」とはなんじゃ?顔面の配置環境が整っている、というのは少なからず誰もが認める「可愛い」の条件だけれどその才能はない。目は離れすぎているし鼻はデカすぎる。トゥ―マッチだ。仕方がないので「誰もが認める可愛い」は今世では諦めよう。きっと前前前世あたりでわたしはフランス人の美女だった…それで調子に乗ってあまりにも多くの男を泣かせてしまった…だから今世は違う種類の「可愛い」を探し得るミッションが課せられているのだ…なーんて。はんぶんは冗談ですが、もうはんぶんは本気です。恐縮です。いいんです、だって大事なのは「生きる」ことらしいので。
 よいいちにちです。春のにおいもしていたよ。そういうことなんで、まだわたしは死ねましぇん!