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Rain Drops ファーストフルアルバム『バイオグラフィ』という挑戦状を叩きつけられた僕は私は…

Rain Dropsのファーストフルアルバム『バイオグラフィ』マジでいいよ。


Rain Dropsとは「にじさんじ」に所属するバーチャルライバーからオーディションで選ばれたえる、緑仙、ジョー・力一、鈴木勝、童田明治、三枝明那による6人組音楽ユニットである。
公式Twitter→https://twitter.com/raindrops200123


1. エンターテイナー

Lyrics, Music & Arrangement:じん×堀江晶太
Vocal:Rain Drops

制作陣にビビって漏らしたやつたぶん5億人はいるだろ。

メンバーの三枝明那が全曲同時試聴配信でも言っていたが、じんさんの癖がすげ~出てる。

俯いちゃいらんねぇ
振り返んな never get up
置いて行かれんなよ radなコードが流れ出す
さぁ 一人ぼっちが集まったら

このへんマジでそう。自由に生きていた人たちを掻き集めたような事務所に所属している人たちに「一人ぼっちが集まったら」を歌わせるのマジか…。良すぎだろ。

この曲もう入りからズルいんだよな。イントロなしでボーカルから始まり、

You wanna be crazy?
It's surely fantastic
We wanna entertain us, we are!

「私たちは私たち自身を楽しませたい」

これマジでもうエンターテインメントの真理じゃねぇか…。開始5秒で真理を突きつけるな。

-one- 体 揺らして
-two- リズム 刻んで
-three- 足を 浮かして
-four- 手を 鳴らして
-five- ねぇ、こっちを向いて
-six- 心 開いて

8月にあったファーストワンマンライブでお披露目された時も思ったけど、ここは絶対にライブ映えするし、ここまでボルテージを上げておいてサビに行かず

同じ今日に立つ 君と
約束の ステージまで

に移行するの予想外だったわ。こういう裏切りの連続で音楽っておもしれ~!になる。

明るいメロディーなのに泣きたくなるような曲、どんな原理でできてんのかマジでわかんねぇな。死ぬときはこの輝きに溺れて死にたい。



2. formula

Lyrics&Music:シノダ Arrangement:ヒトリエ
Vocal:Rain Drops

制作陣に漏らしっぱなしで可哀想。俺たち。

ゴリゴリのヒトリエ節でありながら、6人いることを考慮されたような詰め込み方をされている。Rain Drops厚い。

とにかく疾走感がヤバいのに最初から最後までトップスピードで駆け抜けず、1回

行間から溢れ出してる大体の一切が読解されないまま
繋がらない想いだけ募ってつまんないな

で落ちるのが、疾走感のある曲のスピードが落ちる部分を食って生きてきた人間にはたまらない。

ラスサビ前の

液状化する感情が流れ落ちるその先にまた

から

それだけじゃないだろ

までが狂うほど好き。Rain Dropsが男女混合ユニットであることの良さで頭をぶん殴られた。

てかこんなどうなってんの?みたいなリズム展開で聞く人を納得させられるの怖いだろ。ただ理解らされちまったな。

そして、普段Vtuberとしてインターネットで活動している彼らにはこの曲みたいな問題提起作品が似合う。

表裏一体なことばかりじゃないの?

こちら側に問いかけてくるこの感じ。インターネットってそういう場所じゃん。

Rain Dropsのような誰を軸に集めたわけでもなく、「にじさんじ」に所属しているということ以外にメンバー間の共通点がないグル-プにアニメのオープニングみたいな曲を歌わせようとしたらこういう路線になるんだな。

「なるほどね あ~~なるほどね なるほどね」俺の心の中の芭蕉もそう言ってる。



3. ブギーマン

Lyrics, Music & Arrangement:煮ル果実
Vocal:緑仙&三枝明那&ジョー・力一

この曲マジで危ない。

歌詞割の関係から試聴で聞くことができたのは三枝明那とジョー・力一のパートのみ。でも、緑仙はにじさんじ内でも日頃から膨大な数の歌動画を上げているライバーであり、その中には所謂「治安の悪い」曲も何曲かある。

そう、俺は「治安の悪い緑仙」を知った気になっていた。

そんな慢心から丸腰のままブギーマンに突っ込んだ俺がどうなったかわかるか?

『僕またなにかしちゃいました?』(『僕またなにかやっちゃいました?』と歌っている)
『センスだけで生きれるほどこの世は甘くないよ。』
「でもでも、素行悪いけど才能あるから引っ張りだこで困っちゃう☆」
なんだよなあ 泣くなよなんだか
こっちが悪いみたいじゃない

ここ緑仙に歌わせた人間センスありすぎだろ。とんだ人生めちゃくちゃソングじゃねぇか。

ハァ…(小休止)

好きなアーティストに「糞駄馬が」とか歌われたことないから俺マジでビビっちまったよ…。この歌詞でも下品になりきらず、品が残るこの3人すげ~な。こういう曲の見どころ、どこまで治安悪くやれるかではなく、どこまで品が残るかだと思ってる。あえて残さないのもありなんだけどな。これを3曲目に持ってくるアルバム、層が厚すぎる。

なんだよなあ 泣くなよなんだか
こっちが悪いみたいじゃない

もう1回言うけど、ここ緑仙に歌わせた人間、1人のしがないオタクの人生めちゃくちゃにしてるからな。覚えとけよ。マジで。ありがとう。



4. 蜜ノ味(Re:ver)

Lyrics, Music & Arrangement:syudou
Vocal:ジョー・力一 feat. 童田明治&える

他人の不幸は密ノ味

誰が言っても最高ワード。童田明治verもあまりに良質。開始6秒で最高に陥れられた。

Rain Drops内で色々な組み合わせを考えてみたんだけど、たぶんこの3人がRain Drops至上1番甘い。

メインボーカルがジョー・力一ということで曲の雰囲気が彼の「色気」に全振りされそうなところをフィーチャリングとして童田明治とえるを持ってきたことで、彼の中の「甘さ」に焦点が当たったように思える。甘さのある色気の恐ろしさがわかるか?

オリジナルから毒気を少し抜いて砂糖を足したような気味の悪い甘さ。毒気を抜かれていても砂糖でドロッドロになった蜜はもう体に毒なんだよ。何が言いたいかって言うと結局俺らはこの曲の毒に当たって死ぬ。

何より他人の笑顔を食って生きてるような職業(ピエロ)の男にこの曲のメインボーカルをやらせるのさすがに趣味が悪すぎるだろ。最高だな。

この不安も愛も全てあげるから

ここは笑い声も相まってすっげ~不気味。オリジナルの童田明治に比べてジョー・力一verは全てをあげると言われているのに全てを奪われるんじゃないかという言い様もない恐怖に襲われた。

俺このままじゃジョー・力一に全てを奪われちまうよ…。



5. 魅惑の華

Lyrics, Music & Arrangement:立椅子かんな
Vocal:Rain Drops

重力に逆らえぬ少女は恋をして身を焦がしました

最初の一節を聞いて、もうこの先聞きたくないとまで思った。

だって立椅子かんなさんの描く「少女」もRain Dropsの歌う「少女」も絶対にヤバい。

君の心の機微も髪も瞳も私しか知らないのに

あーあ。やっぱり…。

ヤバい。こいつ伏せ字でしか言えない感想ばっか言ってる。

曲中に出てくるクレオメという花の西洋での花言葉が「私を連れ去って」らしくもしかして方向性としてはあながち間違っていないのか…?俺の頭が狂ってるだけではない可能性。

本人たちには申し訳ないけど、高音が強いメンバーが比較的に多いRain Dropsを高音域ギリギリで苦しめてくれんの本当に最高。人の苦しみで飯食ってんじゃねぇ。すみません。

私の意図を叶えて呉れないが

ここマジでひどいよな。俺が童田明治だったらキレちまうよ…。

あと「罅割れた皿に水」を「罅割れた皿にウォーター」って読ますのお洒落すぎて度肝抜かしたわ。



6. Butterflies

Lyrics:RUCCA Music&Arrangement:奈良悠樹 
Vocal:える&童田明治&鈴木勝

このアルバムを作るにあたってプロデューサーがえるにヒアリングした内容を元に作られた曲。

音の作りがシンプルながら繊細で本当に綺麗。「あなたの話を元に作りました」とこんな綺麗な曲を出されたらいや~……。

曲の雰囲気に引き摺られて三点リーダーおじさんになっちまう…。

音楽がシンプルであればあるほどボーカリストの表現力が試されるよな~…。その点においてこの3人はアツい。

にじさんじのことをある種、夢を叶えられる場所だと思っているので、この曲の

夢に恋をしてた

という歌詞が狂うほど好き。

そして、そういう場所だと思ってるからこそ

主役にはきっと なれないと
告げられた者たちの Lullaby

でどういうことだってばよ…になったんだけど

このインタビューの「聴いてる人にも「そう考えることあるよね」って問い掛けるように歌った」という部分を読んで、めちゃくちゃ腑に落ちた。

主役にはきっとなれないって思ってしまう瞬間ってわりと誰にでもあると思うから、えるが上記のインタビューで挙げた

「ぼくは 一体 何者なのだろう」

と同様にかなり多くの人に刺さる歌詞なんじゃないかなと思う。



7. 明日は日曜日

Lyrics, Music & Arrangement:白神真志郎
Vocal:Rain Drops

アルバムに大体1曲はある曲始まり天才バラードお前ここにおったんか。

あなたの足音が玄関先で止まって
呼び出しのベルが鳴る前に
鍵を開けようと待っている

恋愛ソングとしてこの曲を聞いた時にこれが全てじゃねぇか…になってしまった。

呼び出しのベルが鳴る前に鍵を開けようと待ってる。いや…これが「全て」じゃん…。

自分が呼び出しのベルを鳴らす前に鍵を開けようと待っている人のこと想像したら愛おしすぎてどうにかなる。

ただ恋愛とか友愛とかその辺って結構グラデーションだと思っているので、MVのようにRain Dropsというグループの関係についての曲という解釈もできるんだよな。

関係の深まりに焦点を当てたような歌詞だったのも相まってMVでガラッと解釈が変わったかと聞かれるとそうでもないかもしれない。この曲がエンディングに使われたドラマ『初情事まであと1時間』も2人の関係が深まるまでの話だし。

ただRain Dropsがその解釈を選んだことにへ~!とは思ったかもしれない。

繊細な歌声と音で構成された曲で、その中でも

手放さないでいて

の音の運びは特に好き。

偶然だと思うけど、このMVのコメント欄にあった「三枝明那の初配信は2019年4月7日の日曜日」という事実に俺は…。



8. きこえ

Lyrics&Music:渡辺翔 Arrangement:eba
Vocal:童田明治

Rain Dropsのファーストフルアルバム初のソロ曲。グループのアルバムに収録されてるソロ曲ってYouTubeで上がるオリ曲や単独CDのソロ曲とは違う良さがあるよな。

それでも一人よりいいや
もういいや
相槌打つだけでいいや
もういいや もういいか もういいの?
ゆっくりゆっくり聞いてくれた

救済曲。息の抜き方が綺麗すぎる。こんなに優しい「いいや」があってたまるか…。

「いいや」って言葉、後ろ向きな意味でも前向きな意味でも使うからそこら辺のニュアンスを伝えるのめっちゃ難しそうなんだけど、童田はっていうかRain Dropsはそういうの得意な人が多い気がする。

僕の声の震えは今も
変わらない変わらないでもいいや
君の前だけの声でいい

童田明治のソロ曲がこういう僕君曲なのはすっげ~わかると思った。君が僕の救いであるタイプの曲な…。

音楽には1つの作品として完成していてショーケースの中に入っているものと俺たちが入り込む隙間を開けてくれているものがあると思ってて、この曲は後者。

感情表現のバランスが絶妙で、童田の「聞いている人に何かを伝えよう」という主張が激しすぎないからこそ自分もこの曲の中に入っていっていいんだ、自分もこの曲に救われていいんだという気持ちになる。一方通行じゃないんだよな。

ただ、歌詞が「いいよ」ではなく、「いいや」なことで上手い具合にバランスが取れている気がする。寄り添い曲である前に童田明治の曲なんだよ。

オタクだからめちゃくちゃに振り回されて待って~!!ってやるのも楽しいんだけど、こうやって振り返って手を差し伸べられると泣いてしまう。誰一人置いていかないじゃん。

え~~~!!!マジで上手い…。これ自分の声をよく知ってる人じゃないとできないんじゃないか?



9. ジュブナイルダイバー(Re:ver)

Lyrics, Music & Arrangement:あめのむらくもP
Vocal:鈴木勝&緑仙&三枝明那

やっぱイントロかっけ~!!!このピアノ5年間聞ける。

個人的に鈴木勝がこの曲のRe:verにいるのがうれしい。中学2年生って特別なので。

自分らしさなんて知らなくて
僕は誰?教えて
主役ぶっていた狭い世界で
怖いものなんてありはしなかった
何者にだってなれる筈だって
疑いもしなくて

あの時期特有の自分はどこか特別であるって思考何なんだろうな。そんな思考持ってなかった人はごめん。初めて自分が何者にでもなれるわけじゃないんだと気づいた日の絶望感を思い出して苦しい。

19歳も22歳もそれぞれ現実を叩きつけられる時期だと思っているので、この3人に歌わせたいのはすげ~わかる。ラスサビ入りの

花弁が落ちるように

のドラマチックさがヤバいもん。少年と青年の声が混じり合ったハモリに溺れる。青い。マジでヤバい。バカの音量で聞きたい。

何回も何回も心折れて
生きて何も満たされず
だけど

まではソロで

終わりじゃない

からユニゾンに移行する構成がマジで好き。この「終わりじゃない」に救われる人、5億人いるよ。

叩きつけられる現実に藻掻いた後、ちゃんと立ち上がれるのがこの曲の好きなところの1つ。Rain Dropsは雨上がりの日差しが似合う人たちだと思ってる。

夢を見つけた

そして鈴木勝verのこのパートマジで中学2年生の俺に聞かせてやりたい。ジュブナイルダイバー、お前は10代の柱になれ…。



10. リフレインズ

Lyrics:RUCCA Music&Arrangement:eba
Vocal:RainDrops

ジュブナイルダイバーの続編であるリフレインズをジュブナイルダイバー(Re:ver)の次に聞けるという…。バイオグラフィ最強!バイオグラフィ最強!バイオグラフィ最強!

日本語が分かる人間で良かった。真っ先にそう思ったくらい詞が綺麗。「蒼色」「碧色」これで両方「あお」なの日本語の最悪で最高なところだよ。

ジュブナイルダイバーで空の青さを憎んだ「僕」が碧色を信じ続けられるようになったの良すぎるだろ。

何年経っても たとえ 何千泣いても
甦る サクラノリフレイン 舞い戻れ

縁起でもないことを言うんだけど、この曲誰もいなくなった後とかに聞きたいな。電車に乗りながら。

Rain Dropsっていうグループがあったな。めっちゃ好きだったな。っていう記憶と情熱を何度でも甦らせてぇよ…。

この曲のハモリの音程が狂うほど好き。嵐の『Love so sweet』以来のトキメキかもしれない。ハモリこそRain Dropsの真骨頂な気がする。

これだけ声の種類が違う6人が集まって一緒に歌って、ハモリとユニゾンが太くなるんじゃなくて厚くなるのがRain Dropsの良いところだと思ってる。そしてこの特徴は明るい中に切なさが滲む曲と相性が良い。繊細さと奥行きを両立させられるグループってそう多くないと思う。

走り出したくなるくらい爽快で、眩しくて目を細めたくなるような春曲、珍しくて好きだ…。卒業を思わせるような歌詞で終わりではなく、始まりを感じさせるのめっちゃいいな。

この曲で未来を歌うRain Drops、前にいるというよりは隣で前を見ている感じがする。



11. オントロジー

Lyrics, Music & Arrangement:じん
Vocal:Rain Drops

じんさんの作った青春ド真ん中を生きてきた人間はこの曲で何度でもあの青春を反芻してしまうな。

君の呼ぶ声で本物になる

これVtuberのキラーワードだろ。

2次元とも3次元とも言い難いVtuberの存在って想像以上に危ういものだと思ってるんだけど(実際Vtuberを知らない人に彼らの存在を正しく認識してもらえるよう説明するのはかなり難しい)、そんな不確かな彼らの存在を本物にできるのは君の声だって言ってるんだよ。この「君」、俺たちのことだと思って良いか?

彼らの存在を本物にできることが俺たちの存在意義にもなり得るので、オントロジー(=存在論)というタイトルは本当に秀逸すぎる。

この曲が「存在」をテーマにしたセカンドミニアルバムで持つ意味と「距離」をテーマにした今回のフルアルバムで持つ意味の違いを一生考えて、今作ではジュブナイルダイバー→リフレインズ→オントロジーと並ぶことに意味があったんじゃないかという結論に一応辿り着いた。

ジュブナイルダイバーとリフレインズみたいに公式から繋がりの言及はないんだけど、ジュブナイルダイバーからオントロジーまでの主人公が同一であるとしてみた時、主人公は確実に近づいてるよな。何に近づいてるのかを言語化する力がない己の不甲斐なさに咽び泣いてる。わかるか?わからんよな。ごめんな…。

この話ジュブナイルダイバーとリフレインズの間にラブヘイトを入れても成立するんじゃないかと思ってる。わかる?わからんよな…。ごめん。



12. シャロウ

Lyrics&Music:MIMI Arrangement:熊谷主毅
Vocal:三枝明那

普通ジュブナイルダイバー→リフレインズ→オントロジーという綺麗な流れかつ前回のアルバムリード曲の次にソロ曲を持ってこようと思わないだろ…。めちゃくちゃ挑戦的でびっくりした。三枝明那への信頼がすごい。

全曲同時試聴配信でも言っていたように三枝明那が得意とする音域よりだいぶ低い音で組まれた曲なんだけど、アルバムって言ってみれば「自分はここからここまでできます」の証明にもなるものだと思っているので、この挑戦はとても良いなと思った。

このアルバム内で1番悲しくて救いようのない曲でもあり、「浅瀬に腰まで使っている感じ」、テーマは「冷蔵庫の残り物」

童田明治のソロ曲を聞いた際の「彼女にこれを歌わせたいのはわかる」という気持ちに対し、「これを三枝明那のソロに持ってくるんだ。へ~!」という感情が大きかった。

三枝明那のことをある程度知っている人なら納得の曲調、テーマだと思うんだけど、彼の表面をサラッと撫でたような人たちの彼に対するイメージは多分これではない。だから、世間に売り出されるメジャーデビュー組のアルバム収録曲(それも初のソロ曲)でこっちの三枝明那をやってくれるとは思っていなかったのかもしれない。

揺れる揺れる
Cry and low
言えない言えない
tell me lie
綴る綴る追憶と
褪せない褪せない
終着点

繰り返しの歌詞が耳に残るし、何層も重なる歌声が心地良い。とりあえず全曲1回ずつ聞いた次の日、ふと口ずさんだのがこの曲だったんだよな。

アルバム外の曲を持ち込んで申し訳ないんですが、初のオリジナル曲で「そのままの僕を愛してほしい」と歌うような人に「愛されたりないの」って言わせるのヤバすぎんだろ。

ギター持って歩いてそうな顔して、めちゃくちゃピアノの音が似合う男…三枝明那。底抜なしのポテンシャルを見た。

夜、散歩しながらこの曲を聞くとヤバいというツイートを何件か見かけたので、今度やってみたいという気持ちだけはある。(世界一散歩から遠い人間)(出不精)



13. TAKE OFF

Lyrics, Music & Arrangement:ウエムラユウキ
Vocal:Rain Drops

うおおおおおおめちゃくちゃスタイリッシュなサウンドにめちゃくちゃ不器用な歌詞が乗ってる…。

そしてこの不器用な男の曲をジョー・力一から始めるのズッッル。「ソワレ」然り、ウエムラユウキさんの曲と声が合うんだよな。

いつも最善の行動を
上手く僕は選べてないのに
時に最低な僕は好きな君を傷つけてしまう

大人が歌うことでこの曲は一気に「現実」になるし、

限りなく不器用で失敗してるんだけど、

リベンジの準備は出来てる
これじゃダメだって理解している

歌詞から分かるようにこの曲の主人公は自分のことをちゃんと分かっているから、青いメンバーで構成されているジュブナイルダイバーとは逆に、この曲の軸をジョー・力一みたいな大人で作っているのはめちゃくちゃ納得した。

ここに来て1番わかりやすく今回のアルバムのテーマである「距離」を意識した曲じゃないか?

ラスサビでこれまたRain Dropsが男女混合ユニットでよかった~!になる曲。Rain Dropsの混声合唱に溺れる。

楽器やらないから当たり前のことだったら申し訳ないんだけど、自分のやってる楽器が1番格好いい曲を作れるのってなんか良いよな。ベースかっけぇよ…。

なんかもっとベースの良さを分かりたい。ベースラインを語ろうとして圧倒的に場数が足りないことに気づいたので、俺はもっとロックを聞け~!!!!!


14. 僕らの月は多角形

Lyrics&Music:Q-MHz Arrangement:eba
Vocal:Raindrops

ラストっぽい曲って何種類かあると思うんだけど、今回はこれを選ぶのかと思った。第2弾がもう決まっている劇場版のエンディングみたいな曲。Rain Drops第1章が終わるんか…。

ヴァーチャルの世界に存在しているからこその遠回しな皮肉だとか比喩を使った歌詞が多いという個人的な印象を打ち砕くくらいこの曲は全部そのまま言ってる。めちゃくちゃ直接的な歌詞。インタビューでも言っていたけど、直接的すぎて恥ずかしいくらい。本当に全部そのまま言ってる。

君の存在に感謝しかない ホント!
これからも一緒にいたい ホントさ!

これは…。照…。

これを約束にしよう
もっと近くにいよう
ずっと先まで行こう
僕らが連れてくさ!

ここの盛り上がりがエグい。ライブで火柱上がるの見てぇ~。死んだら特効の炎で火葬してもらいたい派のオタクだからさ~。

そして、このぶち上がりメロディーで最初から最後まで駆け抜けるのかと思いきやぶち込まれる語り。

こんな風に綴られる ページはまためくられる
そう、その続きを共に描きに行こう!

いついなくなってしまうかわからないアーティストの一瞬一瞬に命を懸けている人間は未来の話をされると泣く。「続き」を「共に」描きに行こうだってさ!ってウキウキになってしまった。Rain Dropsまだまだ終わらないよ!ついてきてね!一緒に行こうね!じゃねぇか。こんなん…。うん。一緒に行く…。




総括

全部聞いてから「招待状だけど裏返したら挑戦状」っていうジョー・力一の言葉を思い返すと、それだわ…になる。

しっかり掴まらないと振り落とされそうな楽曲からこちら側に手を差し伸べてくれる楽曲まで。前述した通りアルバムって「ここからここまでできます」の証明になるものだとも思っているので、こんなアルバムを出せるRain Dropsは本当に強いし、厚い。

やっぱりアルバムの肝って曲順だよな。いや~…いい…好きだわ。バイオグラフィ…マジで良い。ブギ-マン→密ノ味→魅惑の華の人生めちゃくちゃコンボもジュブナイルダイバー→リフレインズ→オントロジー→シャロウの爆攻め並びもおもしろかった。そして連続再生で僕らの月は多角形から最初のエンターテイナーに戻るのもまた一興。

Rain Drops最高~!バイオグラフィ最高~!

じゃあ俺はRain Dropsと共に続きを描きに行って来ます。


















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