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鳥取砂丘旅行

2023年11月のお話です。(2024/7/28公開)

 大学時代の友人と鳥取砂丘へ行った。砂丘を見るためだけに鳥取に行った。そのため、タイトルが「鳥取旅行」ではなく「鳥取砂丘旅行」である。一般的な旅行とは異なり、東京から鳥取砂丘に行くことだけを考えて行動しており、「せっかく鳥取行ったのだからこれも見ておこう!」という気持ちがほぼない。その証拠の一つに2泊3日で鳥取の滞在時間は約22時間。うち9時間くらいは寝ている時間なので、実質半日である。「一度砂丘見てみたいよね〜」というゆるい理由から始まったゆるい旅。忘れてしまわぬよう、記録に残すものである。

まず鳥取砂丘ってどうやって行くの?

 これまで山陰地方に行ったことがなく、山陽地方とは違い新幹線が通っていないためか、なんとなくアクセス悪そうなイメージがあった。そのため、我々は鳥取へのアクセス方法を検討する必要があった。参考にしたのは下記のサイトだ。

 金曜の夜に出発する計画だったので、最初は羽田空港から鳥取空港に向かおうかという話をしていた。しかし気づいたら、初日は大阪で集合して飲んで一泊して、翌朝鳥取へ向かうのでいいのではないかという話になっていた。どういった流れでそういう話になったのかは覚えていない。ただ、大阪で飲みに行くのは楽しみで心躍っていた記憶がある。

 そんなわけで、往路は新幹線で大阪へ行くことが決まった。そして翌朝鳥取へは、なんばから高速バスに乗ることにした。JRの特急と迷ったが、バスの方が出ている本数が多かったのと、値段が安かったためバスにした。

とりあえず大阪へ

 先の通り、初日は大阪で友人と集合して飲みに行こうという話になったので、当直明けの眠い目をこすりながら、成田空港からバスに乗って東京駅に向かった。12時台だと10分に1本程度の頻度でバスが出ていたけれど、ほぼ満席だったと思う。ずっと高速道路なので渋滞さえなければ1時間程度で着いてしまう。

 東京駅に着いてちょうどお昼時だったので、お弁当を購入する。日頃、新幹線に乗る時は朝出発が多いため、大体スタバでコーヒーとサラダラップなのだが、仕事帰りでお昼時だったのでお弁当を買うことにしていた。前日に上司に相談したところ、東京駅の地下にある牛タン弁当が美味しいとのことだったのでそれに決めていた。

 そして、牛タン弁当屋の位置はなんとなく予想ついていたため、新幹線のチケットをスマートEXで予約した。こういう時に、自分を追い込みたくなってしまうタイプである。バス降りてから約20分のくらいの指定席を取った。当直明けで寝過ごしが怖かったので、新大阪止まりが良くて、かつ東京駅で持て余す時間を作りたくなかった。絶対に家族とか友人がいたらこういうチケットの取り方はしないけれど。

 問題なく新幹線に乗車すると、隣のサラリーマンもお弁当を食べながらビールを楽しんでいた。心置きなく牛タン弁当を楽しめると内心ガッツポーズをして、テーブルにお弁当を広げる。一口食べてうまい。成田エクスプレスで東京駅に来たら交通費倍だった分、美味しいもの食べた気でいたけど、全然牛タン弁当の方が高かった。おかずが多いので、もっとご飯食べたかった。そして結局、一睡もせず、新大阪駅に着いた。大体心配事は起こらない。

なんばウォークで彷徨う

 新大阪駅から御堂筋線に乗ってなんば駅に向かう。大阪に行くと大体新大阪からそのままJRに乗ってしまうことが多いので、新鮮だった。御堂筋線は地上走ったり地下走ったりするところとか、駅ナンバリングが赤色でMであるところとかが、丸の内線に似ていると思った。

 なんば駅で降りて、なんばウォークを通過して予約していたエアビーに向かおうとした。おそらくこっちだろうとズンズン歩いていたが、グーグルマップを見ると逆であった。荷物も持っていたので凹んだが、来た道を戻っていく。エアビーのあるマンションに入るとおそらく管理人さんと思われるおばあさんがいたので、挨拶をして部屋番号を聞かれたので答えると、「はて?どこかね」と言われた。もしかして、空き巣に入ったおばあさんが運悪く私と鉢合わせて、管理人を装っているのではないかという疑念が生まれた。上の階ですというと、納得した表情で「どうぞ〜」といってくれた。

なんばウォークのシルバニア
なんばウォークのシルバニア

 風呂トイレが一緒であったが、ベットがセミダブルで快適だった。道頓堀までのアクセスもよく、コンビニも徒歩3分くらいのところにあった。

梅田でとりあえず飲む

 友人が仕事が長引いていたので、しばし休憩等をしたあと友人と合流するため梅田に向かう。休憩「等」と書いたのは、雨の中当直で使った着替えをコインランドリーで洗濯乾燥しに行ったら1,000円もかかって驚いたり、持ってくる予定だった着替えを職場に忘れて買いに行ったり、休憩以外のこともしていたから。詳細は省略する。

 友人が大阪にそろそろ着きそうだというので、梅田に向かう。友人と合流してWhityうめだという梅田の地下街にある「赤白」というお店に行くことにした。読み方は「コウハク」らしい。ちなみに、食べログで「紅白」と誤って入力しても候補にしっかりあがってきた(調べた実績があったせいかもしれないが)。人気店で、着いたのが20時過ぎだったが4組くらい並んでいた。ワインの説明が面白くて、我々がボトルで頼んだのは「スパイスラムネ」と名づけられていた。クセのない感じで、料理とも相性が良く飲みやすかった。オープンキッチンで、新人スタッフが先輩から料理の作り方を教わっているようだったが、めちゃくちゃ忙しそうなのに殺伐とした雰囲気がなかったなと今更気づく。すごい。料理はどれも美味しかったので、大阪にきて時間に余裕がある時はまた行きたい。

大根 ポルチーニ茸のクリームソースとワイン

1日目の終わり

 夕食を終えて、なんばの方へ向かう。道頓堀のあたりで、友人が気になっていた夜喫茶のお店へ向かう。夜に道頓堀の辺りに来たのは初めてだったが、夜の繁華街という感じで結構盛り上がっていた。お店がとあるビルの2階だったのだが、見つけることができず同じ場所を行ったり来たりしていた。最終的に、ビルの入り口は見つけられたものの、その日は確か店内の改装のため臨時休業だった。残念。でも、そのビルの雰囲気がまたいい感じで、事前に休業だと知らないままに足を運んでよかったなと思った。

ビルの入り口

 通りかかった「蛸焼 佐屋文左衛門」というたこ焼き屋でたこ焼きを買って帰ったのだが、このたこ焼きが締めにぴったりだった(この文章”たこ焼き”という単語が多いな)。小ぶりだけれど確か12個で500円。味、食感、サイズ、価格、営業時間、全てよかった。大阪でたこ焼き修行して、東京にお店を出そうかと考えたくらい。部屋で飲むために、滞在先の近くのセブンイレブンでお酒を買ったのだが、友人が年齢確認を受けていた。ちなみに、一緒にいたのだが私の身分証は確認されなかった。部屋でたこ焼きをアテに少し飲んでその日は寝た。

たこ焼き

バスで鳥取に向かう

 翌朝9時なんばOCAT発のバスだったので大体8時くらいに滞在先を出発した。ちなみに、OCATは「大阪シティエアターミナル」の略称であり「オーキャット」と読む。関西国際空港へのアクセス充実を目的としてできた施設で、アメリカ同時多発テロより前は出発便の搭乗手続きもできたらしい。日頃、高速バスを利用することが少ないので、こうした大規模なバスターミナルに来るとワクワクする。

バスターミナル

 バス車内は、おそらく夜行バスにもなるバスのようで座席は広く、携帯の充電もできて(重要)かなり快適だった。伊丹空港、あと名前は忘れてしまったけれど小さなサービスエリアにもとまり10分間のトイレ休憩があった。お手洗いを済ませたあと、隣にあった小さなお店で肉まんを売っていたので購入しようとしたが、レジがひとつしかなくて列ができていたので諦めた。鳥取県にはないと聞いていたスターバックスを見かけて程なく鳥取駅前に到着。

友人の名前もコハク

鳥取駅周辺放浪記

 バスを降りると非常に寒いうえ、雨が降っていた。防寒具と傘を取り出し、大きな荷物を鳥取駅のロッカーに預けて砂丘へ向かうことに。その際、JR鳥取駅が有人の改札であることに気づき私たちはテンションが上がった。そして、帰りは電車で帰ることに決めた。

人生初

 時刻は大体12時ちょうどくらいで、朝から何も食べていなかったのでお腹が空いていた。友人が駅の近くで海鮮を食べられるお店を見つけてくれたので向かう。昭和感あふれる店内で非常に雰囲気がよかった。一枚板のテーブル案内してもらい、散々迷った結果2人とも刺身定食を頼んだ。しかしながら、やはり煮魚も食べたかったので単品の煮魚を追加した。刺身も煮魚も量がたくさんで、美味しかったのと、お会計が2人で1,900円だった。

お魚定食たち

 お店を出てすぐ傘を忘れたことに気づき取りに戻った。以前金沢に行った際、傘を2回忘れかけて、3回目で無くしてしまいコンビニで買った話をしたら友人も金沢で傘をなくしたことがあるらしい。そして食事したおかげでしばらく体が温まった感じがしたが、歩いているとすぐに冷えてきた。

 そして駅前のバス停に戻ると、次の砂丘行きのバスが約1時間後にしかないことが判明したため、近くにあった丸由百貨店をぷらぷら散策した。丸由は「まるゆう」と読み、英語表記だと「OYOU」らしい。上の階で、京都の催事が行われておりお香やおはぎが売っていた。無印良品と宝飾品が同じフロアに置かれているのは興味深かった。「ついでにこっちも見ていこう〜」となりそうにもない組み合わせだ。

丸由の中にあった

いざ鳥取砂丘へ

 バス停に戻ると、ちょうど砂丘行きのバスが来ていたので乗り込む。事前情報で、砂丘を歩くとき、靴カバーがあると砂が靴に入らず良いという情報があり、「砂丘センター見晴らしの丘」というところで販売しているとのことであったので、少し高台になっているところバス停で下車した。靴カバーは200円で4枚入りだった。高台から砂丘に向けてリフトが出ており、片道300円だったので乗ってみることにした。砂丘を見下ろすことができてよかった。

なぜシャッター半開きなんだ

 リフトを降りると目の前は砂丘だった。想像以上に広く多分ここ半年で1番テンションが上がった。幸い雨もあがり、砂地も若干湿っているせいか歩きやすかった。夏に行った人の話を聞くと、地面が非常に暑いらしいのでちょうどよかったのかもしれない。ラクダは頭数が少ないので記念撮影のみとの案内があったけど、そもそもいなかった。

 砂丘の中でも、本当に砂だけの場所と、緑があり水が流れているオアシスの両方があった。流れている水は綺麗だったのだけど、どこから出ている水だったのだろうか。

 海に向かって少し小高い山になっているので登っていく。しかし、これが急で結構しんどい。そのうえ足元が砂地であるから歩きにくい。翌日筋肉痛になりそうだと思いながら歩いていたが、大丈夫だったな。子犬や子どもたちが登っていくのを横目に、ヒーヒー言いながら登っていく。登り切ると海が見えた。日本海側で天候も良くなかったので海は荒れていたが、達成感も相まって絶景に感じた。

 登ってきたのだから下って行かなくてはならない。しかも、往路では気づかなかったが、砂丘の入り口からオアシスまでだいぶ下ってきていたことに復路で気づく。下ってきたということは登って行かなくてはならない。無事砂漠の入り口に辿りついたが疲れ切っていた。これから砂漠を見にいこうとする元気な人たちを心の中で応援しながら、コンクリートをありがたく踏みしめた。靴カバーを外したが、ゴミ箱が中々見つからなかった。

砂丘周辺散策

 砂丘の周りにはお土産屋さんや食事処がいくつかあった。その中にひとつだけ見るからに新しそうで、かつ隈研吾感のある建物があった。調べたところ本当に隈研吾が建築したカフェだった。砂丘で歩き疲れ、凍えた身体の私たちは温かいドリンクを求めてカフェに入店した。案の定、かなりおしゃれだった。

 そして私が「砂丘ブレンド」と読み間違えた「砂丘フレンド」。確か、お土産屋さんが入った建物だったと思う。フォントがおしゃれだったのでつい写真を撮ってしまった。

砂の美術館

 砂と水だけで作られた砂像が展示されている美術館。ちょうど行ったときはエジプトにまつわる展示がされていた。スフィンクスとかアブシンベル神殿は写真で見た本物そのものという感じだった(いかんせん本物を見たことないので)。どの作品もすごかったのだけど、個人的には市中の様子を描いた作品が気に入った。

 砂で出来ているので全て砂の色(何色と表現したら良いか表現に悩むが)なのだけど、生き生きと動いていた瞬間を切り取った写真のような砂像だなと感じた。この水瓶の描写すごくないですか!!?

 そして何より、会期の展示が終わると全て崩してしまうということに驚いた。ぜひ別の展示になった時に見に行ってみた。あと、帰ってきたあとコナンが好きな友人にこの話をしたところ、名探偵コナンでも砂の美術館が登場する回があるらしい。

宿泊でダラダラ

 無事目標を果たせたので、本日の宿泊先に向かう。鳥取駅の近くだったのでバスで引き返す。ちなみに鳥取で乗ったバスは交通系ICカードが使えなかった。しかも帰り乗ったバスは一日乗車券みたいのが使えないバスらしく、海外からの旅行客と運転手さんが困ってた。同じようなところ通ってても、バス会社によってチケット使えたり使えなかったりするの分かりにくいよね。そして鳥取でお世話になったのはこちら。

 1階がカフェ兼パブ、2,3階が宿泊施設だった。基本ドミトリーの宿なのだけど、我々は2人部屋を予約した。部屋は3階で一部屋だけだったので、静かだった。めちゃ雰囲気が良く、綺麗な宿で快適だった。夜ご飯に行くまで40分くらい無の時間だった。

居酒屋で処刑について盛り上がる

 さて段々とお腹が空いてきたので宿近くの居酒屋に向かう。砂丘屋というお店。以前は荻窪で店をやっていたと話していたが、ネットで検索したところ同じ店名であったみたい。

 確かおつまみセットみたいな感じのものがあったので、それを頼んだのだが、とにかく色々出てくる。特に黒豆のカルーア漬けが美味しかった。

 日本酒も飲み比べを2人で注文したところ、異なる組み合わせで出していただき6種類の日本酒を味わうことができた。一種類色が濃いのはしばらく置いておいたものだからということは覚えているが、それ以外は忘れてしまった。

 そしてここで面白かったのは、店主さんと常連のお兄さんのお喋りだ。はじめは鳥取の冬は寒い話や、砂丘に雪が積もる話とかをしていたが、店主が図書館で借りて読んでいる本が、中世の処刑にまつわるものであったことでトークテーマは処刑にまつわることに。明治大学の拷問具を取り扱った博物館の話とか、日本の死刑制度について話をした。あとはこけしの話、目黒の寄生虫館の話とか。知的好奇心が高いだけでなく、実際に本を読んで学んでいる店主の姿に感銘を受けて、私も地元の図書館利用カードを作った。

鳥取駅周辺の銭湯

 鳥取駅周辺には温泉が湧いていて、その温泉を利用した銭湯がある。滞在先には共用のシャワーしかなかったので、銭湯に行こうと話していた。先述の居酒屋で銭湯について聞いてみると、元々行こうと考えていた日乃丸銭湯は相当熱いらしくダチョウ倶楽部状態になるとのことであった。そのため、少し遠かったが元湯温泉に向かうことにした。

 元湯温泉もだいぶ熱かったが、数分つかっていることはできた。これは日乃丸温泉に行っていたら大変なことになっていただろう。元湯温泉には水風呂もあるので、地元の常連さんたちは温泉と水風呂を行ったり来たりしていた。日乃丸温泉には水風呂もないらしい。ただ元湯温泉はシャワーの水圧が弱いという弱点があるが、日乃丸温泉は強いらしい。そして常連さんたちは、日によって行く場所を変えているそう。

電車で帰る、そしてまとめ

 翌朝、鳥取から出ている特急の少なさに驚き駅まで切符を買いに行った。滞在先で朝ごはんを食べていざ帰路へ。

 念願の有人改札も利用できた。車窓からの景色は良かったし、途中で恋山形駅というピンク色の駅があったのも面白かった。電車内でお手洗いに行ったら、変な場所に棚があって、電車の揺れのせいで頭をぶつけた。

  目的地砂丘のみの旅行であったが、道中でさまざまな人と出会い、美味しいご飯とお酒を楽しみ、そして必要な休息は怠らなかった(重要)ことで、非常に充実した旅行になった!次は、出雲大社に行くだけの島根旅行に行きたい!

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