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AIベンチャーのCOOがAIジェネラリスト検定(G検定)を受験してみた件

私の本業は、AIベンチャーの副社長COOで、これまで100社以上の顧客にAI活用の提案・導入を行ってきています。これは、「AI実務経験5年以上のAIベンチャーCOOは、AIジェネラリストの入門資格であるG検定を取れるだろうか??」というトライをしてみた企画です(笑)

AIに関して勉強してみたい!と思っている方もたくさんいらっしゃると思いますので、AI学習の入門編として参考になったらいいなと思っています。

とは言いつつ、本音では「これは落ちたら恥ずかしぞ~(汗)」と、自分にプレッシャーをかけながら取り組みました。さて、結果はいかに??

1.G検定とは?

G検定とは、ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定する資格試験です。AIのジェネラリストとして必要な知識がカバーされていますが、いまやAIはデジタルトランスフォーメーション(DX)に欠かせない技術になっているので、DXに関わる人は教養として身に着けておいても良いでしょう。

公式ホームページ:

具体的には以下のような学習分野があり、人工知能に関する探索・推論、知識表現、機械学習、深層学習といった概要や、具体的な手法として機械学習アプローチ、画像認識、自然言語処理、音声認識、ディープラーニングの仕組みや構造など、さらに社会実装に必要なプロジェクト手法、知的財産、特許、個人情報保護、倫理、など、とても広範なテーマがカバーされています。

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公式シラバスでは、学習分野について以下のように説明されています。

1.人工知能とは. 人工知能をめぐる動向. 人工知能分野の問題
2.機械学習の具体的手法
3.ディープラーニングの概要
4.ディープラーニングの手法
5.ディープラーニングの社会実装に向けて
6.数理・統計
7.法律・倫理・社会問題

2022年3月に実施されたG検定では、6,760名が受験し、4,198名が合格、合格率は62.1%と、合格率としては比較的高めの資格になっていると思います。ただ、実際には受験者の多くが、AIの実務に関わっていたり、エンジニア系の人材も多いということで、全くの未経験だと勉強には苦労をするかもしれません

G検定についてはインターネットでもたくさんの説明がアップされてるので、概要についてもっと知りたい方は、インターネットで調べてみてください。

2.なんで受けたの?

それで、「そもそも、なんでG検定を受けたの?」という話です。私自身は最前線でAIのビジネス提案や技術者との議論を毎日のように行っているので、今さら入門編のような資格を取らなくてもいいじゃないか、と。

いや、その通りなんです(笑)

この辺りは、論理的に考えて行動したというよりも、自己紹介の中にも記載しているのですが、私自身がとにかく「学ぶことが楽しい」という性質を持ってまして、役に立つか立たないかというよりも、学びたい、という気持ちが強く、今回もその性質によって突き進みました。

もちろん、それなりの理由はあります。2016年頃からAIビジネスに関わり始め、2018年にG検定が始まった時から知ってましたが、当時は忙しすぎてそんな勉強なんかしてる暇もなかったが、業界関係者として押さえておきたいなという気持ちがあった。これまでに100社以上に数えきれないくらいのAI開発に関する検討・提案を行ってきていますが、私自身は技術出身ではないこともあり、体系的にAIについて学んだわけではないので、どこか知識に偏りがあるかもなと思ったりしていました。

また、日々、お客様と対話する中で、自社の中でAIやDXについて理解できる人を増やしたい、という企業のニーズや、私たちの自身の会社に新しく入社する人もAI開発に携わったことがあるという人はほとんどいないのが実情で、どうやったら、多くの人に、AIについて学んでもらえるだろうか?と考えています。

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そういう中で、このG検定という資格は、「比較的広範にAIについて学ぶことができ、AIに関する入り口としては良いかもしれない。人におすすめするなら、自分が資格を取ってないと、説得力に欠けるな~」という考えから、受験してみることにしました。

3.勉強してどうだった?

正直言って、大変でした(苦笑)試験の特徴から、カバーする領域がとても広いことに加えて、試験の形式がどうしても知識を問う問題が多くなるため、暗記系の問題が多くなります。

アルゴリズムの名称やディープラーニングの隠れ層における機能や名称、はたまたXX年にYYという手法を発見した学者の名前や、ZZ年に世界大会で優勝した画像認識アルゴリズムの名前、などなど。そういうものがあることを知っておくことはとても大事だけど、日々の業務ではあまり使わない情報を細部に渡り覚えていかなくてはいけなので、なかなか大変です。

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試験開始の1ヵ月前に受験を決めて申し込み。参考書もアマゾンで購入。2月の三連休に微熱が出て自宅隔離をしてる間に6時間ほどかけて参考書を一通り学習。その後、仕事が急激に忙しくなって、勉強してる時間が取れず、気がつけば試験前日(笑)最後の追い込みということで、当日の午前中に、3時間ほどかけて模擬試験200問くらいを解いて、午後1時からオンライン受験に臨みました。

試験は2時間220問で、1問あたり約30秒で回答をしていく必要があり、実際に回答時間も制限時間ギリギリいっぱいでした。この日は朝から試験終了までで、集中力を使い切りました(笑)

結果は、というと、試験の手応えは全くなくて、これは落ちたのでは、、、と心配してましたが、約1週間後に無事合格の通知が来て、こちらの公式ロゴも使っていいよ、ということで、早速活用させていただいてます。(いや、落ちなくて良かった、ホントに・・・)

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ちなみに、私は10時間弱の勉強で資格取得できましたが、AIビジネスの実務経験が5年以上あるのでなんとかなった、というのが本音でして、初めてAIの勉強に取り組むという方であれば、少なく見積もっても30~50時間の学習時間は見込んでおく方が良いと思います。

本格的な勉強や試験対策についてはこちらのnoteが参考になりましたので、紹介させていただきます。作者は今年から社会人になる理系の大学院生の方のこと。

4.この先はどうする?

試験の特徴として、かなり暗記が必要というところはありますが、試験がカバーする内容としては、とても良い内容が盛り込まれていて、AIをこれから勉強していくという人にはぜひオススメをしていきたいと思います。

暗記の部分はそれなりに努力と時間が必要になるので、時間が無い人は公式テキストや参考書を読むだけでも十分勉強になると思います。実際に、私も参考書を読む中で、知らなかったことがいくつもありましたし、概念的には理解していたけれども具体的な手法や名前を知らなかったことがたくさん勉強になりました

私が副社長COOを務めるシナモンAIでは、AIを活用した成長戦略を描いたり、AIを戦略的に活用するためのワークショップなどを提供していて、関連してAIの入門編的なお話をさせていただくこともあるのですが、そのようなコンテンツにG検定のトピックスに関連するラインナップも加えていこうかなと考えています。

社会やビジネスで取り入れられるAIや、AIを事業の成長に組み込んでいくことにご関心のある方は、ぜひお気軽にご連絡ください!

参考までに、私が購入した参考書はこちらです。

また、G検定の模擬試験が無料で受けられるこちらのウェブサイトも使えそうなので紹介しておきます。


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