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益軒十訓

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国立国会図書館デジタルコレクション 家訓    貞享四年  1687 君子訓   元祿十六年 1703 大和俗訓  寶永五年  1708 樂訓    寶永七年  1710 和俗…
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#養生訓

養生訓 巻第八 鍼 灸治

鍼 一  鍼をさす事はいかん。 曰くく、鍼をさすは、血氣の滞をめぐらし、腹中の積をちらし、…

養生訓 巻第八 育幼

一  小児をそだつるは、三分の飢と寒とを存すべしと、古人いえり。 いう意は、小児はすこし、…

養生訓 巻第八 養老

一  人の子となりては、其の親を養う道をしらずんばあるべからず。 其の心を楽しましめ、其の…

養生訓 巻第七 用薬

一  人身、病なき事あたはず。 病あれば、医をまねきて治を求む。 医に上中下の三品あり。 上…

養生訓 巻第六 擇醫

一  保養の道は、みづから病を慎しむのみならず、又、医をよくえらぶべし。 天下にもかえがた…

養生訓 巻第六 愼病

病を愼しむ 病は生死のかかる所、人身の大事なり。 聖人の愼しみ給う事、うべなるかな。 一 …

養生訓 巻第五 洗浴

一  湯浴は、しばしばすべからず。 温氣過ぎて、肌開け、汗出で、氣、ヘる。 古人、十日に一たび、浴す。 うべなるかな。 ふかき盥に、温湯、少し入れて、しばし浴すべし。 湯、あさければ温過ぎずして氣をヘらさず。 盥ふかければ、風寒にあたらず。 深き温湯に久しく浴して、身をあたため過すべからず。 身、熱し、氣上り、汗出で、氣、ヘる。 甚だ害あり。 又、甚だ温なる湯を、肩背に多くそそぐべからず。 二  熱湯に浴するは、害あり。 冷熱は、みづから試みて沐浴すべし。 快にまかせて、熱

養生訓 巻第五 二便

一  飢えては、坐して小便し、飽きては、立ちて小便すべし。 二  二便は早く通じて去るべし…

養生訓 巻第五 五官

一  心は人身の主君なり。 故に天君と云う。 思う事を司る。 耳目口鼻形、形は頭身と手足なり…

養生訓 巻第四 色慾を慎む

一  素問に、腎は五臓の本といえり。 然らば養生の道、腎を養う事をおもんずべし。 腎を養う…

養生訓 巻第四 飲茶、烟草附

飲茶 一  茶、上代はなし。 中世、もろこしよりわたる。 其の後、玩賞して、日用かくべから…

養生訓 巻第四 飲酒

一  酒は天の美禄なり。 少し飲めば陽氣を助け、血氣をやわらげ、食氣をめぐらし、愁を去り、…

養生訓 巻第四 飲食下

一  東坡曰、  早晩の飲食一爵一肉に過す。 尊客あれば之を三にす。 へらすべくして、ますべ…

養生訓 巻第三 飲食上

一  人の身は元氣を天地にうけて生ずれ共、飲食の養なければ、元氣うゑて命をたもちがたし。 元氣は生命の本也。 飲食は生命の養也。 此故に、飲食の養は人生日用専一の補にて、半日もかきがたし。 然れ共、飲食は人の大欲にして、口腹の好む処也。 其このめるにまかせ、ほしいまゝにすれば、節に過て必脾胃をやぶり、諸病を生じ、命を失なう。 五臓の初て生ずるは、腎を以本とす。 生じて後は脾胃を以五臓の本とす。 飲食すれば、脾胃まづ是をうけて消化し、其精液を臓腑におくる。 臓腑の脾胃の養をうけ