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予想される危機にどう対応するか?

「お疲れ様です・・・」

「お忙しいところ恐縮ですが・・・」

このような、挨拶がいつも飛び交うのが日本の多くの医療機関の現実です。

忙しいのがアタリマエ。毎日、予定がギッシリ詰まっている。

平穏な日常が過ぎ去り、変わりのない日々が送れている間は、忙しいことはある意味「望ましい」状況なのかもしれませんね。

医療提供者の中には、「忙しいこと」「自分の存在価値が認められていること」と捉えている方々も多いようにも感じます。

しかしながら、重大な「危機」が訪れたとき、忙しい毎日は、「危機」をカイケツするために重要な「問題の認識」を難しくし、危機を乗り越えることを困難なものとすることでしょう。

ではどうするか?

忙しい日々の業務の中でも、危機を予想し続け、常に目の前の「やるべきこと」に意識的に「優先順位をつけること」が一つの解決策に成り得るのです。

本当に予想していた危機が訪れた時にはどうするか?

日々意識的に優先順位を付け続けてきたヒトには、危機を乗り越えるための「時間の確保」が可能となります。

優先順位の低いものから順に、「やるべきこと」を「やらない努力」をすればよいのです。

ただし、もともと「やるべきこと」であったわけですから、優先順位は低いものの「やるべきこと」をやらないことにより影響を受ける皆様への交渉術は必要となります。

危機は通常、「突然に」訪れます。

ですから、日常の中で、危機を予想し続け、予想された危機を乗り越えるために、
 ・やるべきことに優先順位を付ける

 ・交渉術を身に着ける

ことを、意識的に行っていくことが重要なのですね。

上記2つの危機を乗り越えるために必要なチカラを、筆者は
「キャンセル力(りょく)」
と呼んでいます。

では、病院では「キャンセル力」が必要となる危機として、どのようなものが想定されているでしょうか?

1つは、大地震等の大規模な自然災害でしょうか。

また、感染症領域では「新型インフルエンザ」も重大な危機として予想されています。

これらの「予想される危機」を乗り越えるために、私共医療機関では、「診療継続計画:BCP(business continuity plan)」を作成しているのです。

大地震や新型インフルエンザ等の予想されている重大危機が発生した際に、その危機を乗り越えるために、日々の診療内容に「優先順位」を付け、その危機が本当に訪れた際に、速やかに予定の「キャンセル力」を発揮できるように。

この「キャンセル力」

感染対策領域では、いわゆる「アウトブレイク」が発生した際にも威力を発揮します。

例えば、インフルエンザウイルスやノロウイルスによる感染症発病患者が多数発生した場合。速やかに対応するためには、予定の「キャンセル力」をいつでも生かせるようにしておくことが、迅速な問題解決には欠かせません。

今回は、

危機を乗り越えるチカラ「キャンセル力」

についてお話いたしました。

また次回もよろしくお願いいたします。


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