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正しい診断なくして適切な治療なし

感染症診療~診断から治療まで~大変重要な「感染症診療の基本的な考え方」の概要をまとめます

まず、目の前の患者さんの「2つの感染症診断」を追求
 ・臓器・解剖学的診断:患者さんのカラダのどこ?にモンダイがあるのか?
 ・微生物学的診断:患者さんにモンダイを起こしている原因は?

感染症診断は、「予想・推定」⇒「確定」へと至ります。
 ・時間経過とともに判明してくる検査結果や患者さんの病状の変化によっては、「予想・推定」が間違っている場合もあり、その場合はより適切な「2つの感染症診断」へと見直しを行います。

2つの感染症診断の次は、「感染症治療3つの軸」です。
患者の免疫力:低下している場合には、特に配慮が必要
・感染源コントロール:可能な限り努力。できない場合もある。
・感染症治療薬:2度決定
 ・初期治療抗菌薬:「予想・推定」される「2つの感染症診断」を根拠に決定。アンチバイオグラム(予想される原因菌の過去の抗菌薬感受性データ)を参考に。
 ・最適治療抗菌薬:「確定」した「2つの感染症診断」を根拠に決定。検出された原因菌の抗菌薬感受性結果を考慮して。

あれ?「血液培養」・「抗菌薬治療期間」はどうしたの?

大丈夫。今後お話させて頂く予定です~お楽しみに

感染症診療の基本的な考え方

をお話させていただきました。

なぜ「感染症診療の基本的な考え方」が重要なのでしょうか?

それは、抗菌薬(抗微生物薬)が「適正である」と認識されるには、正しい「診断」に基づく「治療」が前提条件となるからですね。

「正しい」診断なくして「適切な」治療なし

「正しい」感染症診療なくして「適切な」抗菌薬(抗微生物薬)使用なし

薬剤耐性(AMR)問題が私共公立昭和病院 感染症科・感染管理部の重要な関心事でした。

薬剤耐性(AMR)問題解決を目指すためには、「感染症診療の基本的な考え方」の普及・実践は欠かせませんね。


  


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