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あなたの聴診器キレイですか?

本日は、聴診器の清掃のお話です。

聴診をされる患者の皆様の立場にたてば、聴診器がキレイであることに越したことはありませんね。

筆者は、日常のアルコール綿での皮膚接触部位の清掃以外に、
週一回程度、聴診器の分解清掃を推奨しております。

それは、聴診器は表面をアルコール綿で清拭しただけでは、完全にはキレイにならない場合もあるためです。

それでは、「聴診器の清掃」始めましょう!

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まずは、清掃するための場所をアルコール性清拭布でキレイにします。

通常の診療「前」「後」の清掃では、小さいアルコール綿を使用することが多いのですが、「分解清掃」の際には、大きめのアルコール性清拭布が丈夫で破れにくいため、使い勝手がよいです。

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次に聴診器の分解です。

ここで、大事な注意点があります。

長年分解清掃せずに使用されてきた聴診器のプラスチックやゴムの部品は、経年劣化している場合があります。

またアルコールはプラスチック等を劣化させる可能性もあります。

そのため、聴診器を分解清掃される場合には、プラスチックやゴムの部品が、壊れる可能性があります。

ときには、ボロボロになってしまうこともあります。

また、劣化した部品・プラスチックやゴム部分に亀裂が入っている場合があり、その亀裂部分は清掃が困難なため、MRSA等の薬剤耐性菌が住み着いている可能性も考慮されます。

そのような劣化した聴診器の部品は、交換する必要がありますので、製造業者等に部品の購入につきご相談ください。

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次に、聴診器の患者の皆様に直接触れる部分「膜」と「ベル」の部品の清掃です。

多くの製品で、「膜」には「外枠」がついていますので、外してからアルコール性清拭布で清拭します。

ベル型のゴムは、隙間が汚れている場合もありますので、注意して清拭してください。

膜とベルの部品を外した後の、聴診器本体も清拭しておきましょう。

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聴診する医療者側に接する重要部分が「イヤーピース」です。

こちらも、経年劣化で取り外す際に壊れる可能性がありますのでご注意ください。こちらの部品も購入可能なものが多いです。

イヤーピースの清掃の際、筆者は綿棒を使用しています。

綿棒にアルコール性消毒剤を浸漬してから、耳の穴を清掃するように清掃しています。

すると上記写真のように、「耳垢(みみあか)」が沢山取れたりして、ゾッとする場合もあります・・・

特に、聴診器を医療従事者間で共有されているなんて場合には・・・


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次に、聴診器本体の清掃です。

膜を外した後の部分、ベル型のゴムを外した後の部分、長いチューブ部分等をアルコール性清拭布で清拭します。

特に注意したいのが、イヤーピース接続部の清掃です。

長年、分解清掃していないものの場合には、上記写真のように耳垢が詰まっている場合があります。綿棒等で清掃しましょう。

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最後に、部品を組み立てます。

組み立てる際には、劣化により部品が壊れてしまう場合があります。ご注意ください。

組み立て終わったら、アルコール性清拭布で全体を清拭しておしまいです!

お疲れ様でした。

おわりに

患者の皆様の立場で考えれば、キレイな聴診器で診察してほしいと思いますよね。

さらに、MRSA等の薬剤耐性菌の感染対策としても、聴診器をキレイにすることは重要なことです。

読者の皆様の周囲にある聴診器~ぜひ分解清掃にチャレンジしてみてください!

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