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時間稼ぎに成功した~新型コロナウイルス感染症対策中間評価(2020年8月中旬時点)

皆様、おひさしぶりです~

本日は、日本で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が本格的に流行してから、約半年(流行開始を2020年2月と判断)が経過しました。

これまでの日本の新型コロナウイルスCOVID-19感染症対策を、筆者がどのように評価しているのか?についてお話させていただきます。

まずは、筆者の結論をお伝えいたします。

いまのところ

日本の新型コロナウイルスCOVID-19感染症対策は

「うまくいっている」

と思っております(2020年8月15日時点)。

もちろん、『完璧』とは思いませんが、ある程度はうまくいっていると。

それでは、まず本ノートで2月にご紹介いたしました、新型コロナウイルス感染症COVID-19対策の基本を復習いたしましょう。

新型コロナウイルス感染症COVID-19に対する対策の基本は以下の2点でしたね。

①患者数のピークを小さくする

②流行のピークを可能な限り遅くする

さて、日本での流行が始まってから半年間の中間結果はどうでしたか?

①の患者数のピークを小さくする~に関しては、いつピークが訪れるのか?が未だに不明なため、あくまでも現時点までの結果しか確認できないわけですが、今のところ日本全体の医療提供体制を上回る患者数のピークは訪れていないように感じております。

そして、筆者がこれまでのところ、日本の新型コロナウイルス感染症対策が、総じて「うまくいっている」と考えている最大の理由が②です。

②流行のピークを可能な限り遅くする

こちらの目標がある程度、うまくいったのではないかと考えております。

特に、新型コロナウイルスCOVID-19感染症の流行のピークを遅らせることで、様々な対策を打つための時間稼ぎができたこと

そして稼いだ時間の中で、大変重要な治療や感染対策の進歩が得られたこと

この状況下で、現在の第二派の流行を迎えることができたことは大変好ましいことであったと考えております。

・新型コロナウイルスCOVID-19感染症の治療方針の(ある程度の)確立
 ・抗ウイルス薬~レムデシビル(ベクルリー®)・ファビピラビル(アビガン®)
 ・ステロイド(免疫抑制剤)~デキサメサゾン(デカドロン®)

・新型コロナウイルスCOVID-19感染症患者の皆様の受け入れ体制の拡充
 ・新型コロナウイルス感染対策の(ある程度の)確立
  ・マスク着用の有効性の確認
  ・アルコール製剤等による消毒方法の確立
  ・環境表面でのSARS-CoV-2ウイルスの生存期間(感染可能時間)の知見
 ・医療提供医者の新型コロナウイルスCOVID-19感染症診療に対する経験値の上昇

上記のような治療および感染対策が、一定のレベルに到達した後に、現在(2020年8月中旬)の新型コロナウイルスCOVID-19感染症の流行~第二波が訪れたことは、新型コロナウイルス感染症による被害を小さくすることに大きく貢献したのではないかと想像しております。

これは、偏に流行のピークを遅くすることにより稼いだ時間があったからこそ可能であった対策なのではないでしょうか?

もちろん、未だに「ワクチン・予防接種」は読者の皆様のもとに届いておりません。

さらなる新型コロナウイルスCOVID-19感染症の患者数の増加の前に、「ワクチン・予防接種」が必要な方々に届く時間を稼ぐことが次の目標でしょうか?

今回の新型コロナウイルスCOVID-19感染症に対して、日本ではそれなりに適切に対応できたのは、2009年以降に「新型インフルエンザ対策」として準備してきた様々な知見が役に立ったのではないか?と筆者は考えております。

世界は未だに、新型コロナウイルスCOVID-19感染症と対峙し続ける状況が続いております。

この状況がいつまで続くのか?

筆者を含め、誰にもわからないのが実情でしょう。

でも、新しい感染症に対して、なんとか対峙できたという経験は、日本の感染症対策および感染症診療に新たな境地を開くことになるでしょう。

そして、この先の未来にさらに訪れるであろう「新興感染症」

これに向き合うことになる未来の人々が適切に戦略を立てるためにも、現在の新型コロナウイルスCOVID-19感染症に対して、我々がどのように対応してきたのか?の詳細な記録をしておく必要があるのですね。

今回は、新型コロナウイルスCOVID-19感染症の日本における2020年8月までの中間評価を報告をお伝えいたしました。

読者の皆様の中には、「そんなにうまくいっていないんじゃないの?」と思われる皆様も多々いらっしゃることでしょう。

残念ながら、全ての患者の皆様の治療がうまくいっているとは言えませんし、もっと良い対応方法があったのかもしれません。

治療方法や感染対策だって、さらなる向上が望まれます。

ですが、現在進行形で問題の生じている「新型コロナウイルスCOVID-19感染症」に対して、対応が適切かどうか?
その「答え合わせ」が可能となるのは、おそらく数年以上先のことになるでしょう。

2009年の新型インフルエンザがそうであったように~

それまでに、ちゃんと答え合わせができるように情報・記録を整理しておくことが、私共~新型コロナウイルスCOVID-19感染症に向き合う当事者としての役目でしょうか。

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