患者数のピークを小さくすることが重要!~新型コロナウイルス感染症その2
こんにちは。
2020年2月1日に、日本では新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染症が「指定感染症」となったようです。
筆者も、本記事執筆時点では、まだこの「指定感染症」の詳細を知らないため、直接的なお話はできません。
でも、この新型コロナウイルス感染症は、いろいろと新型インフルエンザウイルス感染症に似ていると「予想」しております。
その最も大きな根拠は、どちらも「飛沫感染」という感染様式によって、ヒトからヒトに伝播すること、そしてほとんどのヒトが免疫を獲得していないことが共通していることが挙げられます。
何事も「予想」するには、参考になる「知識」が必要なのでしたね。
そこで、この新型コロナウイルス感染症の今後を「予想」するために、既にある程度準備がされている「新型インフルエンザウイルス等感染症」の対策で考えてみたいと思います。
実は、我々人類は、2009年当時の新型インフルエンザウイルス感染症の教訓からいろいろなことを勉強いたしました。
その集積の結果が、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」です。
そして、この法律を元に、各自治体は、「新型インフルエンザ等対策行動計画」を準備してまいりました。
筆者が働く病院の所在地「東京都」も新型インフルエンザ等対策行動計画を策定しており、必要に応じて見直しが図られております。
そして、この中には、新型インフルエンザの流行状況にに応じて「発生段階」が設定されております。下記の図を御覧ください。
大事な注意点:上記「発生段階」は、新型インフルエンザ等を対象としたもので、新型コロナウイルス感染症に対して作成されたものではありません!
しかしながら、「飛沫感染」で伝播し「免疫力」を持たない方々がほとんどであるという共通点のある感染症です。
「新型コロナウイルス感染症」の今後を「予想」するのには、大変参考になるものであると筆者は考えております。
この「発生段階」の図を参考にすると、現在の新型コロナウイルス感染症の状況は、「国内発生早期」、「地域発生早期」そして東京都の行動計画では「都内発生早期」と捉えられるかと思います。
「都内発生早期」とは?
「都内で新型インフルエンザ等の患者が発生しているが、全ての患者の接触歴を疫学調査で追える状態」となっております。
現在の東京都の「新型コロナウイルス感染症」の状況も、「都内で新型コロナウイルス感染症の患者が発生しているが、全ての患者の接触歴を疫学調査で追える状態」と筆者は考えております。
今後の重要な転換点は、「全ての患者の接触歴を疫学調査で追える状態」ではなくった時点でしょうか。
そして、そのような状況が万が一訪れた際に、重要なことは、「新型コロナウイルス感染症の患者の皆様が、十分な医療を受けていただける体制を維持すること」となります。
報道等でご覧のとおり、1つの地域で、短い間に爆発的に患者の皆様が増えると、十分な医療を受けていただくことが難しくなります。
そのため、万が一、新型コロナウイルス感染症の患者数が増加していく場合には、ピーク時の患者数等を小さくすることで、全ての患者の皆様が十分に医療を受けていただける体制を維持することが重要となります。
そして、時間を稼ぐことができれば、その間にワクチンや治療方法の開発が行える可能性もあるかもしれませんね。
感染された患者の皆様にご協力をいただく等、様々な対策が実施されているのは、上記のような目的にも合致していると筆者は考えております。
もちろん、様々な対策が功を奏して、新型コロナウイルス感染症の患者さんが少ない状態から、終息に向かえばそれに越したことはありませんね。
今回は、新型インフルエンザ等の対策から、新型コロナウイルス感染症の未来を「予想」することのお話をさせていただきました。
もちろん違いもあります。
大きな違いは、抗インフルエンザウイルス薬のような治療薬が存在しない点でしょうか。
ですから、この記事はあくまでも、「新型インフルエンザ等対策行動計画」っていうものがあるんだな~」程度にとどめていただければ幸いです。
それでも、似ている部分もあることは納得いただける読者の皆様もいらっしゃると思います。
読者の皆様の中には、新型コロナウイルス感染症に対して、不安を感じていらっしゃる方もあるのではないかと想像いたします。
先の見通しが付けば、不安感は少しは軽減されるのではないかと今回のお話をさせていただきました。
まずは、基本的な感染対策である「手洗い」や「咳エチケット」等をして新しい感染症に備えてまいりましょう。
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