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アイドルと日々(so far away)


あとひと月で平成が終わる。
安室ちゃんも小室哲哉もSMAPもちびまるこちゃんもみんないなくなって、たまごっちもファービーもゲームボーイも進化し続けて、あの頃の面影はもうない。
平日に休みがあると「いいとも」が観れるからわくわくした気持ちもどこか遠くに置き忘れて来たみたいに思い出せない。

もうすぐ時代が変わるらしい。
“令和”という言葉の響きは、チベット語の“希望”と同じ響きだそうだ。
希望に溢れた時代がすぐそこで私たちを待っているのだろうか?



私がこの先、生きていく世界はどんな世界だろう。
今が不幸ではないけれど、この先もずっとこのままなんて、とてもとてもつまらない。私は誰も知らない冒険がしたい。誰かに似た物語じゃなくて、誰にも似ていない、私だけのトキメキに溢れた時間を生きていたい。

私は進化しているのだろうか?何も変わらず、だらだらとただ過ぎていく時間を持て余しているのだろうか?
最近仕事で、少し良いことがあった。誰かを妬んだり妬まれたり揚げ足の取合いをしては、人の期待に応えるために生きていくのはうんざりで、私はそこから抜け出すはずだったのだけれど、気づけば予測不能なラッキーの流れに巻かれて、結局私は何も変わらず同じ毎日の中にいる。そしてその良いことのせいで、私の毎日は慌ただしくなった。慌ただしい毎日は大好きなアイドルたちに会いに行く時間を阻む。
会いたい人に会いたい時、会えないという状況は私の気持ちを萎えさせる。

私が望んでいることはこれじゃない。
望んだように生きていけるのなら、もっと自由に生きていきたい。
もっと自由にたくさんのお金を稼いで、好きなものに満たされて暮らしたい。行きたい時に行きたい場所に行き、会いたい時、会いたい人に会いにいける暮らしがしたい。
その望みを叶える方法はどこにあるのだろう?


進化しているようで何も変わらない日常の中で、気づいたことがある。
人を陥れたり不快な言葉をかけることしかできない悲しい人はどうしてもこの世界にいるけれど、私が変われば、少しだけ世界が変わるのかもしれないということだ。
“期待しない”という事が良いことなのかは分からないけれど、期待しなければ腹が立つこともないし、上司や同僚の揚げ足を取って指摘することもないのだから、すべてにおいて寛容で、穏やかでいられる。そして人に陥れられても、嘘をついてごまかされても、反撃せずただ目の前のことに取り組んでいると、見てくれている人が必ずいるのだ。そんな風に真心を込めて働いたごほうびが返ってくる時、もしかしたら私がするべきことはこの事なのではないかと思っていることがある。


それが私のおみやげなのだろうか?


『青い鳥』という童話の中で“未来の王国”から地球に向かうとき、生まれる前の子どもたちは“みやげ”を持って船に乗る。この物語の中では、生まれてくる時、長生きするための妙薬やだれも知らない発明や人類のために役立つ知恵など、宿命のようなものを何か一つ持って生まれてくるというきまりがあるのだけれど、もしも私が持ってきたおみやげがあるのなら、それは誰かの中の言葉にならない想いや情熱だったり、心の中に閉じ込められた感情を引き出してあげる事なのかもしれない。

私の投げたボールを受け取り、誰かが新しいときめきを見つけた時、私はとても充実した気持ちになる。だから思い通りにならないさえない日々だとしても、誰かのために尽くしてきたこれまでの道は、決して間違いではなかったのだと思う。
そして私は今、誰かの幸せをサポートするよりも私自身の幸せをもっと大きくしてあげたい。


私の幸せはなんだろう。
カフェで友人とゆっくりと過ごす時間や、一人で観る映画や、夜のドライブや、人から見ればそんな事?というような小さな幸せはたくさんある。
幸せの青い鳥は家の中にいて、オズの魔法使いなんて初めから存在しなくて、探し求めた愛や勇気や知恵の宝は、初めから自分たちが持っているものだったけれど、そんなつまらない物語の結末はいらないのだ。心踊るようなトキメキで満たされたい。


革命家になりたいとか、スーパースターになりたいなんて大きな野望はないけれど、一つ、明確な夢があるとしたら、私の書いているnoteが大好きな彼らに届けば良いなと思う。

ここを読んでくれる人たちが時々、“本になったらいいのに”と言ってくれるけど、その度に「恥ずかしいからやめてくれ」と内心思っていたのをまずやめてみようと思う(笑) 私の気持ち悪いくらいの“好き”もそれに共感してくれた人たちの思いも、決して恥ずかしいことではない。中途半端に、謎に人目に見つからないようにしてきたけれど、もっともっとたくさんの人たちに読んでもらいたいし、そこについたハートの数やそれ以上に、たくさんの人たちが大切に思っているのだということのかけらを、いつか大好きな彼らに知ってほしい。
あなたたちが流した血と涙と汗が、こんなにもたくさんの希望や慰めやトキメキをくれたのだと伝えたい。
そしてそれに値する価値をつけられるように、私はこれからも大切な気持ちを書き残していきたいし、これまでそうして働いて来たように、誰かの中の心に眠っている気持ちを引き出してあげたい。
大好きなアイドルが言っていたように、相手を利用して、私の幸せを大きくするのだ。

いつか私の投げたボールが届くとき、それは本という形なのかZINEのようなものなのか分からないけれど、いつも吉報は思いもよらないところから舞い込んでくるから、これから始まる新時代は、ささやかな野望を胸に、誰も知らない私だけの冒険を歩いていこうと思う。



夢なんて見るもんじゃない 
語るもんじゃない
叶えるものだから…

たまごっちを育てていた頃、口ずさんでいたその歌のように。
何も見なくても歌えるほどに私の心に染み込んでいるから。




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