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3作連続ミリオン達成=国民的アイドルではない【Snow Man】

先日、Snow Manが、ジャニーズ初の新記録3作連続でのミリオンセラー(CD100万枚以上販売)を達成した。まずは詳しいニュース記事を引用する。

Snow Man 集計開始以降初!3作連続ミリオン達成
 人気グループ・Snow Manの3枚目シングル「Grandeur」が100万枚セールスを突破したことが13日、分かった。音楽チャート「ビルボード・ジャパン」が公式サイトで発表した。

 同曲は今年1月20日に発売され、発売初週に80万枚超を記録しシングルチャートで首位を獲得。ロングセラーを続け、7月12日に100万を突破した。

 Snow Manは「Snow Man VS SixTONES」名義のデビューシングル「D.D./Imitation Rain」、2ndシングル「KISSIN' MY LIPS/Stories」も100万枚を突破し、これで3作連続でのミリオン達成。ビルボード・ジャパン社によるとデビューから3作連続ミリオンを記録したアーティストは、08年の集計開始以降初という。

※引用:Snow Man 集計開始以降初!3作連続ミリオン達成(https://www.daily.co.jp/gossip/2021/07/14/0014499917.shtml)

まず、日本の音楽業界において、「CDのミリオンセラー」という基準はもはやアイドルのための基準となってしまっていることを認識したい。実際、一般社団法人日本レコード協会が出している「年次ミリオン認定作品」を見ると、直近数年のデータでもほとんどがアイドルグループのCDとなっている。

2020年

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2019年

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※引用(https://www.riaj.or.jp/f/data/others/mil.html)

そして、世界の音楽市場と比べると、日本の音楽市場は少し特殊であることも補足したい。
世界の音楽市場においては、音楽配信の売上が既に62%程度を占めており、CDの売上規模は年々縮小している。一方で、日本の音楽市場においてはいまだにCD売上の方が配信売上よりも大きく、70%程度を占めている。(もちろん年々配信の割合も徐々~に増しているものの。)

世界の音楽市場(赤がCD等。青が配信。)

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日本の音楽市場(圧倒的にCD等の方が多い。)

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"前・スマホ時代"(スマホ普及前の2000年代頃まで)においてミリオンセラーになることは、時代を象徴するヒット曲であることを間違いなく証明していた。しかし、誰もがスマホを持ち、YouTubeでMVを見たり、サブスクの配信サービスで音楽を聴くような現代において、ミリオンセラーというものは、本当にヒットした楽曲かというとそうではない、という時代になってきてしまった。

とはいえ今の時代のミリオンセラーも、ファン達の熱量の高さを示す記録であることに間違いはない。

唐突だが、韓国の音楽番組の話をしよう。韓国では、月曜日以外の全ての曜日で音楽番組が放送されている、というくらい音楽番組が多い。そしてその出演者のほとんどがアイドルである。
多くの音楽番組では、各週のランキングや1位の楽曲/グループを発表する企画となっている。その順位を決める指標は番組によって様々だが、例えばストリーミングでの再生回数、YouTubeのMV再生回数、CD販売枚数、その他アプリでの投票数、など、様々なデータを集計し、順位が決まるケースが多い。

ファン達は、何としてでも推しに1位を取らせるべく、必死に応援活動を行う。中には、その週にはカムバックしていない=競合にならない他のアイドルグループのファンに協力を仰ぐファンもいるし、集計基準にギリギリ合致するように配慮してほぼ自動化のような形で再生数を稼ぐようなファンも出てくる。

もちろん、そのランキングというのは、ファンの尋常でない熱量の高さによるものである、ということはよく理解できるが、それによってある意味操作されたランキングの結果は、真に楽曲やアーティストのヒット度合いを表しているわけではない、という実態が分かるだろう。(ただし、やはり1位になれば注目もされるし、既存ファン以外の目につく機会も増える。そういう意味ではその後のヒットの起爆剤となる可能性が高い。)

日本では韓国ほど、ファンの頑張りでアーティストに記録を残せるような仕組みがあまり多くはないように思う。そうなると、シンプルにCDを購入しまくることで、ミリオンセラー達成、オリコンCDランキング1位、などの記録を目指すくらいしかファンの熱量を示す場所がないのかもしれない。(もちろんビルボードHOT100のように、SNSやYouTubeの熱量も加味したランキングがあるが、現在の日本のアイドル業界ではあまりビルボードランキングが重視されているようには思えない)
更にジャニーズの場合、サブスク配信を解禁していないので、配信の再生数ランキングで1位取ることはできないし、上記ビルボードでも不利になるし、CDを買うことでCD関連のランクを上げるしかないという事情もあるだろう。

今回のSnow Manの3作連続ミリオンセラーには、一体どれくらいの意味があるのだろうか。昔のモーニング娘。や、嵐の楽曲のように、国民誰しもが知っているような楽曲を展開できて初めて大ヒットと言えるのではないだろうか。

もちろん、現在の日本の男性アイドル業界においてSnow Manの存在感が大きいことは間違いないものの、国民的アイドルと呼べるようになるまでは、まだ少し時間がかかるように思う。



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