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誰も評価してない東京パフォーマンスドールを語る#8 [売上惨敗編]

パードル簡易ヒストリー

'90年に革新的なアイドルグループとしてデビューした東京パフォーマンスドール。メディアへの露出は極力行わないスタンスということもあり、デビューした'90年リリースの1stアルバム~翌'91年にリリースされた3rdアルバムまではオリコンチャートの圏外という当然とも言える結果。

口コミでの評判が少しづつ拡散され'92年にリリースされた「夢を」で初のシングルチャートランクイン、同年リリースされた4thアルバムもチャートインを果たす。

同年にリリースされたシングル「CATCH!!」と5thアルバムでも着実にセールスを伸ばすもこの時点では「知る人ぞ知る」といった知名度。

転機が訪れたのは小室哲哉が共同プロデュースを担当した6thアルバム「MAKE IT TRUE ~Cha-DANCE Party Vol.6」。作詞:売野雅勇×作曲:小室哲哉が手掛けたリードシングル「キスは少年を浪費する」が過去最高の34位をマーク。アルバムも最高位13位とTOP10入りが見えてくる。

MAKE IT TRUE ~Cha-DANCE Party Vol.6

1曲目からラストまでノンストップ仕様となっており、過去にリリースした1st・2ndアルバムと同様のコンセプトで制作されている。共同プロデュースは小室哲哉。

そのほかのポイントとして

  • ソロ曲はなく全員orユニットのみの楽曲で構成されている

  • デビュー時から制作に関わってきたクリエイター+新規クリエイターによる楽曲

  • ラストの「MAKE IT TRUE」を除いた楽曲は徹底した打ち込みダンスサウンド

  • このアルバムのみの初顔ユニット、復活ユニットによる楽曲が収録

全員曲 (M-1・M-2・M-5・M-10) / ゴルビーズ (M-9) / ゴルビーズ & 米光美保 (M-3) / UL-SAYS (M-8) / ViVA! (M-4) / ViVA! & 木原さとみ (M-7) / 米光美保・川村知沙・市井由理・八木田麻衣 (M-6)

(メンバー全員が全員曲+ユニット3曲=計7曲に参加している)

個人的には1st・2ndなどの初期アルバムも好きなのだが、サウンドのクォリティという面ではこの6thアルバムをおすすめしたい。80年代から続く正統派アイドルポップス的な楽曲を求めているのであればポップでキャッチーな楽曲が多い4thアルバムのほうがよいかもしれない。


SEVEN ON SEVEN ~Cha-DANCE Party Vol.7

前作から引き続き小室哲哉が2曲を提供。その他にSMAPへの楽曲提供でおなじみの島田直角(CHOKKAKU)や山森正之、井上日徳などの新規クリエイターが参加して制作された。

前作同様ソロ作品は収録されておらず全曲が全員曲orユニット曲での収録となっている。

全員曲 (M-1・M-2・M-12) / ゴルビーズ (M-4) / 原宿ジェンヌ (M-6) / ViVA! (M-7) / 米光美保・穴井夕子 (M-3) / 市井由理・八木田麻衣 (M-5) / 木原さとみ・米光美保 (M-8) / 篠原涼子・穴井夕子 (M-9) / 米光美保・川村知沙 (M-10) / 木原さとみ・篠原涼子 (M-11)

(Sanctuary -淋しいだけじゃない- (M-9) は'95年にリリースされた篠原涼子のソロアルバム「LADY GENERATION ~淑女の世代~」に篠原ソロバージョンが収録されている。)

デビューからの音楽プロデュースを努めていた清水彰彦氏が最後に手掛けたTPDのアルバムとなっている。

前作とはサウンドの方向性がかなり変わっており「ダンス」よりも「ポップ」な路線、いわゆる一般受けを狙った仕上がりになっているのだが、歌詞や曲調から「解散」をイメージしてしまう雰囲気が漂っており当時のファンはやや困惑しながら聴いていたのではないだろうか。

当時TPDをまったく知らない筆者の知人にTPDの楽曲を数曲聴いてもらったところ「ダイヤモンドは傷つかない」が一番良かったと言っていた。小室哲哉さすがである。


NEVER STOP ~Cha-DANCE Party Vol.9

リードシングル「今夜はネヴァーストップ」はこれまでのTPDとは趣きが異なるファンキーなダンスチューン。これまでのシングルでは見られなかったパート割りが特徴で1番のソロを木原、2番のソロを米光が担当しており1曲の中でも前半と後半でまったく違った印象を受けるのが非常に面白い。

全員曲はラストに「夏のススメ-Summer Vacation-」も収録。ユニット曲は「原宿ジェンヌ」 (涼子+川村)と「ViVA!」 (穴井+市井+八木田)の楽曲が1曲ずつでソロ曲が各1曲ずつという構成。

ただ、ソロ曲にはコーラスとして2~3名が担当しているのである意味〇〇(メイン) furtuing 東京パフォーマンスドールと言ってもよいかもしれない。以下はその組み合わせ (カッコ内がコーラス担当)

  • M-3 木原ソロ (米光+川村+涼子)

  • M-4 穴井ソロ (木原+涼子+市井)

  • M-5 米光ソロ (川村+涼子)

  • M-6 涼子ソロ (木原+米光+川村)

  • M-7 川村ソロ (米光+涼子+市井)

  • M-8 市井ソロ (木原+川村+穴井)

  • M-9 八木田ソロ (木原+米光)

ヤギマイだけコーラス不参加なのはなんでだろ?

このアルバムを最後に市井由理・米光美保・篠原涼子が卒業したので「東京パフォーマンスドール」としての実質的なラストシングル+アルバムといっても差し支えないと思う。


セールス一覧 (アルバム編)

1st - 3rd に関してはチャート圏外。

4thアルバムで初チャートイン。

6thアルバムが最高位・売上ともにピーク

7thで微減

以降右肩下がり

アルバム : オリコン最高位 / 売上

個人的な印象としては

  • そもそも地方では初期TPDのCDは店頭に並んでいなかった

  • 「MAKE IT TRUE ~Cha-DANCE Party Vol.6」はもっと売れていてもよかったと思う

  • 「SEVEN ON SEVEN ~Cha-DANCE Party Vol.7」は自分が求めていたTPDのサウンドではなかった

  • 「NEVER STOP ~Cha-DANCE Party Vol.9」の発売当時には涼子の「恋しさと せつなさと 心強さと」が大ヒットしていたにもかかわらずまったくTPD本体のセールスに波及することがなかった


同時期に活躍していた多人数ユニットでアルバムをリリースしているアイドルは非常に少ないのですが、乙女塾系の「CoCo」の1stが約10万枚、「ribbon」が5万枚弱、「Qlair」が1万枚未満。
「南青山少女歌劇団」「制服向上委員会」「原宿探検隊」などはいずれも圏外とかなり苦戦を強いられていた時代でした。



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