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幸せ泥棒

「お前の人生だぞ!」

ステージの真ん中でそう叫んでいた
荒々しい息遣いで訴えかけていた



君が幸せなら僕も幸せだよ、なんて
ずっと前からこの世に蔓延る愛の言葉は私には通用しなくなった

君の幸せが僕の幸せなんて幸せ泥棒はもうやめにするよ
君が必死に手繰り寄せた幸せを自分のものにすり替えるような真似はしたくないから
私の不幸を君のせいにはしたくないから

君のおかげで幸せになれたとしても
それは因果であってイコールでは無いだろう


イコールになってしまったらきっとその幸せには中身が無いだろう
コピーとペーストをしただけなんだから

そんな幸せの真似事はもうやめにしよう
そんな人任せの幸せはもうやめにしよう

自分の力で幸せになることを諦めるな
自分の力で幸せになる努力を怠るな
自分は何もせずに他人が掴んだ幸せを自分のものにするなんて飛んだ冒涜だろう



今までずっと悲劇的に生きていた

人生に期待をしない方が楽だった
期待外れになることも無いから

悲劇のヒロインぶっている方が心地よかった
こんな環境でも頑張っていると思えたから

でもね
いつも幸福論を語っている君を見て
私もこう生きたいと思ってしまったんだよ




本当の意味であなたらしくいて、と
鏡に映るあなたを心から愛してあげられるように、と

君がいつもそう言ってくれるから
私も私らしい私を愛したいと思えるようになった


学生の頃、先生に礼儀がなってないと言われて
敬いたくなるような人間にお前がなれよと思っていた

道徳の授業を聞いて
授業なんかじゃなくてお前の言動で道徳を教えてくれよと思っていた


君がいつも君らしく生きているから
君がいつも君自身を愛していることが伝わってくるから

説得力のある君の言うことなら
そうやって生きてみようと思えるんだよ




完璧を求めるより、60%でもとりあえず完成させる方が
成長に繋がると思うと君が話してくれたから
私はこうして拙い言葉を組み立てています

こういうことも書いてみようと思わせたのだって君なんだよ

君に影響されて変わっていく頭の中を記録に残しておきたかった
グラデーションの変な色のところも、見逃したくなかった
私の、私自身の幸せの第一歩に君がいたこと、絶対に忘れない

私の中にもこんな情熱がまだあったなんて知らなかった



幸せ泥棒はもう終わり。

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