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新卒でベンチャーに入るということ

みなさん、こんにちは。

私は東京大学大学院を卒業し、新卒でベンチャー企業に入社しました。

ベンチャー企業といっても社員数は50人〜60人程度、平均年齢は27歳くらい、オフィスは表参道らへんにあり、事業としてはインターネット広告事業やSNSを軸にしたサービスを展開している、いわゆる若い人がやっているイケイケでオシャレなベンチャー企業というイメージです。

私はこのベンチャー企業に東京大学大学院1年生の2月頃にインターン(業務委託)として入社し、当時の新規事業に携わりました。

当時、その新規事業の責任者の方に就活イベントで出会い、私自身のやりたいことや達成したいことを話した際に、「それだったら今度自分が責任者をやる新規事業にピッタリだから、一緒にやる?」とおっしゃっていただきました。

実はそのときに私はある大手IT企業の内定をいただいており、そこに入社することをほぼほぼ決めていたのですが、そのお話をいただいたときに「これは人生最大のチャンスで、この縁を逃してはいけない」と思い、「大手IT企業に入社するよ〜」と伝えていた親にも全く共有せずに、半日だけ考えてその新規事業に飛び込むことに決めました。

インターンとしてといっても、当時はこの会社に特にインターンシップ制度はなく、ただ業務委託としてビジネス経験のない大学院生が入るというイメージです。もちろん、他の社員の方々と同様に月曜日〜金曜日の平日に8時間働くという形で、もはや正社員より働いていました。そして、普通のインターンではありえないくらいの権限を与えてもらい、「普通に正社員だと思っていました」とあとから色々な人に言われたくらいでした。

そういうわけで、私はその新規事業をやり続けて、それこそ人生を賭けてでも事業を成功させたいと思い、内定を持っていた大手IT企業の人事の方にお話をし、内定を辞退する運びとなりました。

(ちなみに、それを親に事後報告したら、親は激怒!笑 私の親は大企業志向が強く、3ヶ月くらい喧嘩が続きました。笑)

そして私はインターンとして、正社員レベルで働き続け、その新規事業を何とか成功させようと日々もがいていました。ビジネスの基本中の基本も知らないので、先輩方には怒られっぱなしでした。今思えば、あのときに怒ってくれ、指導してくれた方々は本当にありがたかったなと思います。

そうして、インターンとして入社し、この新規事業に携わり始めてから約半年後、

事業を閉じることになりました。

つまり、内定を蹴ってまでやりたかった新規事業はわずか半年で消滅したのです。

もし就活中の新卒の方がこのnoteを読んでいたら、これを伝えたいです。

新規事業はほとんど上手くいかない。「新規事業に携われるよ」などという表面的な言葉だけで判断するのは浅はかだ。

私も就活中は「新規事業に携われるよ、裁量を持って新しいものを作れるよ」と色々な企業の方から言われました。やはりその言葉は大学生にとっては魅力的です。特に大企業で徐々にステップアップしていくのではなく、ベンチャー企業で若いうちから経験を積みたいと思っている大学生にとっては「チャンスだ!」と思いがちです。

もちろん最初から新規事業に関わって、そのまま上手くいって成功していった人もいるでしょう。

ただ、それはほんのわずかで、ほとんどの新規事業は上手くいきません。

私が携わった新規事業もわずか半年で消滅してしまいました。事業が消滅することを知った当時、私は途方に暮れていました。「まだまだやれることがあるのに!」と思いながらも、会社の決定には従わざるを得ないため、受け入れるしかありませんでした。

ただ、もともと持っていた大手IT企業の内定もすでに辞退しています。

私は焦りました。

大学院2年の7月くらいの話なので、もちろん大学院の友達は内定をもらっている人がほとんどです。

そんな中で、「この会社にいる理由」である事業が消滅したのです。

当時のことを思い出すと、私は気づいたら色々な人に連絡をしていました。大学院の先輩や友達、もともと内定を持っていた大手IT企業のお世話になった人事の方、就活で出会った友達、とりあえずまずは相談しなければと思い、片っ端から色々な人に相談しました。

その中で、大手IT企業の人事の方も「まだどうにかしたらねじ込めるから、自分の中で整理できたらまた連絡ちょうだい」と言ってくださったり、その他の方々も親身に相談に乗ってくれました。また新規事業が消滅したとはいえ、「他の事業部でやらないか」というお話もいただきました。(本当に人との縁って大事ですね...)

私は改めて考え直しました。

何を軸に次に進もうか...

そして私は決断をしました。

今の会社で頑張ろう。

なぜ、その決断をしたのか?

ぶっちゃけると、この会社の他の事業には全く興味がありませんでした。

決断したポイントは「一緒に働きたい人がいたから」です。

もともとの新規事業のときも軽く一緒に仕事をしていた人(以下、「斎藤さん」と呼びます。仮名です)がいました。年齢はほぼ同じくらいで、斎藤さんもこの会社に大学生のときから働いており、圧倒的な成果を出し、社内でもその才能が認められていました。

同じくらいの年齢でこんなすごい人見たことない

率直にそう思い、この縁を大事にして、斎藤さんと一緒に仕事をしたい、そして一緒に会社を大きくしていきたいと思いました。

そして、その決断をそのまま会社の人に伝えて、私は別の事業部で斎藤さんの下で引き続き働くことになりました。

この決断が正しかったかは分かりません。もしかしたら、あのときに大手IT企業にいった方が良かったかもしれません。

ただ、この経験で私が1つ大事にしようと思ったことがあります。

人生はどう転ぶかわからない。その中で縁やチャンスを大事にして決断をしていく。上手くいかなくてもそれは1つの経験。まずは自分が決断したことに持ち得る全エネルギーを注いで一生懸命にやり切る。人生はその繰り返しだ。

外から色々と文句を言ってくる人もいると思います。「やっぱり大企業に入っておけば良かったじゃん」「ベンチャーなんて不安定だからそんなことになるんだよ」という言葉を私も色々な人から言われました。

でも、私は新規事業が消滅した経験も、斎藤さんと一緒に働きたいと思ってそのまま会社に残ることを決めたことも、まったく後悔がありません。自分の持ち得る全エネルギーを注いだつもりですし、色々な失敗をしましたが色々な素晴らしい経験もしました。

自分で考えて自分で決断する。そして決断したことはやり切る。

超シンプルですが、これが全てです。(もちろん他の人の意見は”参考”にするべきだとは思います。)


そして、いま私は、この会社の主力事業の事業部長をやらせてもらっています。

新規事業が消滅して、他の事業部に異動したときから、ほんとうに色々な苦労がありました。正直、「全部投げ捨てて飛んでやろうか」と思ったこともあります。

ただ、会社を大きくするために一生懸命頑張り、今では主力事業の事業部長となりました。


ここまで到達するまでに苦労したこと・経験したこと・学んだことなど、本当に色々あったので、引き続きnoteに残していきたいと思っています。

今回はどちらかというと就活生の方々向けに書きましたが、これからは私の経験をもとに若手ビジネスマンの方々にも役に立つようなnoteを書いていければと思います。

では、みなさんここまで読んでいただきありがとうございました。

また次回お会いしましょう!

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