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【放送後記】#特別回 小説家・町田康に学ぶ創作論【ゲスト:町田康先生(小説創作)】

おもろい小説を書く、秘伝の技とは?

「着任直前特別収録」ということで2023/03/23に収録した町田康先生ゲスト回が公開となりました!
武蔵野大学文学部日本文学文化学科には、多様な創作科目と創作ゼミがあり、今回パーソナリティを務める伊藤・大石も創作ゼミ生です。卒業制作でいい作品を書き上げるべく、一足早く「町田先生の考えるおもしろい小説の書き方」を教えていただきました。

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嘘ことわざクイズ想定解

「本当のことを書く」方法を考えるにあたって出題された嘘ことわざクイズ。3つのことわざのうち実在することわざは1つだけで、残る2つはパーソナリティの伊藤・大石が考えたニセモノです。
町田先生にはまんまと見破られてしまいましたが、皆様はいかがでしたか?

本編では解説のなかった嘘ことわざの意味ですが、考えた本人たちはちゃんとその意味まで設定していました。詰めが甘いとバレちゃいますから…

①猿の昼飯(大石 作)
噛まずに急いでご飯を食べること

②良い酒にグラスはいらない(伊藤 作)

価値のあるものはそれだけで価値があるため、そのものを楽しむのが良い

本編で町田先生が述べられていた解釈に照らすと、作り手と読み手で印象が異なる点も味わいどころかと思います。
短くて簡単そうに見えて、実は作り手も読み手も頭を使う嘘ことわざクイズ。ぜひ皆様もやってみてください!

質問コーナー 未公開シーン

たくさんの質問にお答えいただきましたが、実は時間の都合上泣く泣くカットした質問が1問あります。noteに飛んできてくれたあなたには、特別にお届けします!ちょっと長めですが…!

伊藤「飼っているネコちゃんのお名前をお願いします」
先生「…それおもしろいんですか?」
大石「いやいや、それこそ先生のInstagram、ネコちゃんの写真ばっかじゃないですか!」
先生「伊豆で家を探しているとき、雨の中空き家の前に2匹の子猫がいて、このままだと死ぬなと思って連れ帰りました。1匹がパンク。弱々しくて目も開いていなくて、育つか分からなかったから悪そうな名前にしました。一緒にいたもう1匹は元気だったのでシャンティにしました。毛の色も目の色も体格も違うから兄弟ではないと思うんですけど、2匹一緒にいました」
大石「保護されたんですね」
先生「それから、近所の人が無理やりに押しつけていったのがネムリ」
大石「かわい~」
先生「ねむり きょうしろう(眠 狂四郎)、というフルネームが」
大石「なるほど!!」
先生「うちへ来てもう10年以上になるけど未だに野良猫気質が抜けなくて。パンみたいな顔をしてるんですけど」
伊藤・大石「笑笑」
先生「それからもう1匹、たくさんネコを保護している人から預かったオルセンというのが。もう23歳になります。これは昔阪神にオルセンというピッチャーがいてまして。僕が高校のときに『お前オルセンに似てるな』と言われたことがあって覚えてたんですけど、目つきが悪かったから、こいつ俺よりオルセンに似てるなと思って名づけました」
伊藤「4匹いるんですね」
大石「町田先生にパンクって名づけられると御利益がありそうですね」
先生「パンクはすごいですね。今はもう元気です。肩にだって乗ってきますから。乗るんなら乗れよって乗せてやると、全力で抵抗してきておもしろいですね」
伊藤・大石「ネコらしい!」

町田先生、イドバタコウギはいかがでしたか?

カット後に、番組への感想をいただきました!最後まで町田節全快だったので、あえてできる限りそのまま文字に起こしてみました。

町田先生:
今日はラジオに呼んでいただきまして、ありがとうございます。
イドバタコウギということで、「本当のことを書く」とは何かということとか、その他創作にまつわる質問、それからことわざのクイズと。いろいろ言いましたけど、これ自体は口で言うたことですから、間違いや不正確な部分があるかもしれませんけれども。おもしろい部分だけを聞いて、しょうもないところは頭の中でスキップして聞いていただければと思います(笑)
新しいラジオ番組という試みを続けていくということですので、私も影ながら応援していきたいと思っております。
この、誰に言うとも分からん挨拶というのを急にさせられまして、非常に困惑しておりますが、こういうのは常套句で締めさせていただきます。皆様の御多幸と御発展をお祈り申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。どうも御静聴ありがとうございました。

おわりに

今回のイドバタコウギもお楽しみいただけたでしょうか?
実は今回から、機材や編集スタイルを一新しての本格始動となっています。
次回以降もいろいろな学部の先生方に登場いただく運びとなっているので、チャンネル登録のうえ楽しみにお待ちください!

文責:森貞 茜


番組クレジット(収録当時)/SNS情報

着任直前特別収録】小説家・町田康に学ぶ創作論【ゲスト:町田康先生(小説創作)】
ゲスト:町田 康 先生(小説家・詩人・歌手・俳優)
企画/パーソナリティ:伊藤 遥香・大石 歩果(日本文学文化学科3年)
撮影:堀 羽美(日本文学文化学科2年)
編集:江端 進一郎・伊藤 遥香・森貞 茜(日本文学文化学科3年)
協力:横山 裕貴(映像制作/PA)
   加地 花百(大学院文学研究科日本文学専攻 2年)
監修:土屋 忍(日本文学文化学科 教授)
参考文献:
 町田康「浄土」(講談社、2005年)
 町田康「男の愛 たびだちの詩」(左右社、2022年)
 町田康「宇治拾遺物語」『作家と楽しむ古典』(河出書房新社、2017年)
 村嶋章紀「『本当に思ったことを書けばいい』作家・町田康が明かす『面白い文章を書く技術』」(週刊現代、2022年09月25日)https://gendai.media/articles/-/99720(閲覧日:2023年4月30日)
 瀧井朝世「作家の読書道 第52回町田康さん」(Web本の雑誌、2006年2月24日)https://www.webdoku.jp/rensai/sakka/michi52.html(閲覧日:2023年4月30日)
収録日:2023年3月23日(肩書・学年は収録当時のもの)
提供:武蔵野大学

武蔵野大学発インターネットラジオ番組「イドバタコウギ」
YouTube:https://www.youtube.com/@idobatakougi_mu 
Spotify:https://open.spotify.com/show/3EmRBUFvnClnzpPHYDrbT6
Twitter:https://twitter.com/idobatakougi_mu 
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Ⓒ武蔵野大学インターネットラジオ研究会

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