小説の勉強をしてみることにした

 2021年は、エッセイ、童話、短編小説、中編小説、長編小説と書きまくって色々な賞に応募しましたが、一つ佳作を獲れただけで、あとは全滅でした。
 若い頃ライターをしていたくらいですから、書く事は全く苦にならないのですが、よくよく考えてみると、なまじっか書けるがゆえに小説の勉強というものをした事が全くありませんでした。「俺の熱い情熱を打ち込めばいいんだろ?」といった感じで、プロットも何も立てずに、わりと適当に書き始めて、書きながらエンディングまでの流れをなんとなく考えていました。
 そして、その結果が全滅です(笑)
 今年に入って、一度基礎から勉強してみようと思い、まずは初心者向けのハウツー本を読んでみました。

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円山夢久著『「物語のつくり方入門」7つのレッスン』雷鳥社

 レッスン1の「物語のおおまかな流れを作る」から始まり、主人公や脇役のキャラづくり、ディテールの演出など、題名通り7つのレッスンで物語の作り方を教えてくれます。
 講義形式なので少しのんびりとした進展具合です。決して中身が濃いとは言えませんが、その分めちゃくちゃ分かりやすいです。プロットにはちゃんと方程式のようなものがあり、それに当てはめていけば割と手軽にそれなりの物語が作れてしまう。それを知る事ができただけでも、読んで良かったです。まあ、だからと言って心が打ち震えるような物語が書けるかは別問題ですが(笑)
 以下、ためになった箇所を数点抜粋します。

「お話の冒頭部分で、いつ・どこで・誰が、を明確にしておく」

「展開・葛藤は、物語の大半を占めるパートです。お話の面白さは、このパートを面白く作れるかどうかで決まると言っても過言ではありません」

「主人公が、具体的にどんな条件を満たせば、目標を達成したことになるか?」

「冒頭は、クライマックスと関連していなければならない」

 他にもハッとさせられる言葉、というか物語を作る上でのお約束がたくさん書かれています。1500円と決して安くはありませんが、末永く物を書き続けるのなら、買って損はないと思います。

 ※余談
 「一つ佳作に入っただけであとは全滅」と言いましたが、その佳作よりも嬉しいことがありました。NHKBSプレミアムで放送している火野正平さんの「こころ旅(春)」でお便りが採用されたんです。個人的には、下手な文学賞を獲るよりも嬉しかったです(笑)

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