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【アフリカの地下水プロジェクト】精度の高い地下水開発計画から事業化への貢献<国際航業>

国名:エチオピア
プロジェクト名:アワシュ川中流域地下水開発計画プロジェクト(開発調査型技プロ)


水不足が常習化している地域にて
 調査対象地域は、エチオピアのほぼ中央部の「アフリカ大地溝帯」と呼称される地理帯に属し、周囲と断層で区切られた低地帯で独立した流域を形成することから「アワシュ川中流域」とも呼ばれている。この流域が属するオロミア州においては、改良された飲料水源へのアクセス 率が66.1%、安全に管理された飲み水へのアクセス率が10.4%で(World Bank, UNICEF, WHO, 2017)、安全な水へのアクセスへの課題がより深刻になっている。アフリカ大地溝帯は、干ばつの影響を受けやすく、また地質的にも火山岩の分布した岩盤地域の地下水である。さらに、当該地域の地下水は、フッ素濃度が高く飲用に適さないという水質面での課題も有しており、地下水開発が難しい地域となっている。

地下水開発が難しい地域への取組み
 地下水開発が難しい地域では、地域の地下水の涵養(かんよう)機構、流動機構、賦存状況及び開発可能量を解明し、この情報に基づいた適切な地下水開発計画を策定していくことが必要である。そのために対象地域の現地調査による地質図および水理地質図の作成(面積は約20,000㎢)と地下水位観測のための観測井掘削が重要であった。また、水理地質図作成や地下水開発可能量の評価およびオロミア州の小都市(村落と都市の間)の概略給水画を立案する作業を通じて国や州の担当局の計画策定・実施能力の向上を図った。この開発調査の結果は、後の「オロミア州小都市施設整備計画」による地下水開発の事業化に結び付けられ、地下水開発が難しい地域での調査・解析の基礎的な作業の重要性を示すものとなった。

地下水位観測井掘削で孔内洗浄時の噴き上げられた地下水
水利用の実態と課題に関する グループディスカッションの実施

本記事掲載誌のご案内
本記事は国際開発ジャーナル2023年9月号に掲載されています
(電子書籍はこちらから)


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