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日中協力を視野に、独自の役割を果たせ

取材対象者 (株)国際協力銀行(JBIC)代表取締役総裁 前田 匡史 氏
1980年、東京大学法学部卒業。東京大学助手を経て、82年に日本輸出入銀行(現、国際協力銀行)入行。資源金融部長、経営企画部長、執行役員などを歴任し、13年12月に代表取締役専務、16年6月に代表取締役副総裁に就任。18年6月より現職

新型コロナウイルスのパンデミックにより、開発途上国をはじめ世界の政治・経済構造は大きく揺るがされている。世界では今後、どのような地殻変動が起こるのか。そして日本はこの荒波をどう乗り越えていくべきか。さまざまな分野の識者が「航海図」を示す本連載の第二回は、国際協力銀行(JBIC)の代表取締役総裁を務める前田匡史氏が企業支援の現状や投資の世界的潮流、日本の役割について語る。

ドル建て融資で事業資金確保へ
 新型コロナが世界各地で猛威を振るっている。世界中の都市で実施されたロックダウンによって、人の移動が制限され、経済活動の停滞を引き起こした。日本は強制力を伴わない「自粛」という形態を採用したが、それでも経済への影響は甚大で、特に航空や鉄道といった輸送産業が大きな打撃を受
けた。こうした産業を救うには経済活動の早期再開が急務となるが、医薬品やワクチンの開発には最短でも1年かかると考えられ、感染拡大防止と経済活動をどう両立していくかが直近の課題となっている。

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